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筋トレとランニング、両方やると筋肉は減る? 最新研究が明かす「コンカレントトレーニング」の真実


 「筋トレとランニングを同じ日にやると、筋肥大の邪魔になる」——そんな話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

 実はこの"常識"に対して、2026年に報告されたISTのHeldらによるメタアナリシスが、重要な答えを提示しています。今回は、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた「コンカレント(同時)・トレーニング」の科学的な実態を解説します。






◆ そもそも「コンカレントトレーニング」とは何か?


 筋力トレーニング(筋トレ)と有酸素運動(ランニングやサイクリングなど)を、同じトレーニング期間に合わせて行うことを「コンカレントトレーニング」と呼びます。


 フィットネスジムに通う一般の方はもちろん、多くのスポーツ選手も、日々の練習でこの組み合わせを実践しています。しかしかねてから、「筋トレの効果が有酸素運動に邪魔される」という「干渉効果」の問題が議論され続けてきました。

 2026年に発表されたこの研究は、過去に行われた17本の統合分析を集約したメタアナリシスです。合計1,492名の健康な参加者のデータをもとに、コンカレントトレーニングの効果を徹底的に検証しました。



◆ 有酸素運動 vs コンカレント、どちらが優れているか?


 研究では、コンカレントトレーニングと有酸素運動だけのグループを比べたところ、心肺持久力(最大酸素摂取量)の向上にはほぼ差がなかったことが示されました。

 つまり、筋トレを加えても、有酸素能力の伸びは妨げられないということです。

 さらに注目すべきは筋力の変化です。コンカレントトレーニングのグループは、有酸素運動だけのグループよりも筋力が有意に高まったという結果が得られました。

 有酸素運動だけでは十分に鍛えられない神経筋系の適応が、筋トレを加えることで促されるためです。



◆ 筋トレ vs コンカレント、筋肉は本当に減るのか?


 続いて、コンカレントトレーニングと筋トレだけのグループを比較した結果です。

 心肺持久力については、コンカレントトレーニングのほうが明確に優れていたことが確認されました。有酸素運動を加えることで、心臓や血管への刺激が高まるためです。

 一方、多くの人が心配する「筋肥大(筋肉の大きさ)」「筋力」「瞬発力」については、筋トレだけのグループと同時トレーニングのグループで差はほとんど見られませんでした

 つまり、「有酸素運動を加えると筋肉が育ちにくくなる」という従来のイメージは、少なくとも一般的な運動習慣を持つ人においては、科学的に支持されなかったということです。



◆ やる順番によって効果は変わるのか?


 「筋トレ→有酸素運動」の順番でやるのか、「有酸素運動→筋トレ」の順番でやるのかによって、結果が変わるかどうかも検証されています。

 心肺持久力については、順番による差はほとんどありませんでした。

 しかし筋肥大と筋力については、筋トレを先に行ったほうが有利である傾向が見られました。


 有酸素運動を先に行うと筋肉が疲労した状態で筋トレに臨むことになり、筋肉を動かすための神経系への刺激が弱まる可能性があるためと考えられています。

 ただし、この順番の効果はデータによってばらつきが大きく、「必ず筋トレを先にしなければならない」というほど決定的な差ではありませんでした。心肺持久力の向上を主な目的とする場合には、順番を気にする必要はほとんどないと言えます。



◆ まとめ:コンカレントトレーニングの正しい理解


 今回の研究から得られるポイントを整理すると、以下のようになります。

  • 筋トレと有酸素運動を組み合わせても、心肺持久力の向上は有酸素運動だけと変わらない

  • 筋肥大・筋力・瞬発力は、筋トレだけと比較してもほぼ同等に得られる

  • 筋肥大や筋力を重視するなら、筋トレを先に行うと有利な傾向がある

  • ランニングや自転車などの有酸素運動を取り入れることを、過度に恐れる必要はない

 「筋トレだけ」「有酸素運動だけ」ではなく、両方を組み合わせることで、筋力と持久力の両方を同時に高めることができます。忙しい日常の中でも、この「一石二鳥」の戦略を注意点を踏まえて、上手に活用してみても良いかもしれませんね。


◆ 参考文献


Held S, et al. Maximizing Adaptations in Concurrent Training: An Umbrella Review of Meta-analyses. Sports Med. 2026 Feb 28.


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