書けなくなった言葉の、その先に
書けなくなった時間が、ありました。
正確に言うと、
言葉はあったけれど、
それを外に出す気になれなかった。
ちゃんとした言葉にしようとすると、
感覚が逃げていく。
意味を持たせようとすると、
自分から遠ざかってしまう。
そんなことが、
何度もありました。
私は、
答えを書くことが苦手です。
前向きなまとめも、
わかりやすい結論も、
用意しようと思えば、
たぶん書ける。
でも、それをやるたびに、
「今、ほんとうに書きたいのはこれじゃない」
という感覚が、
いつも残っていました。
書けなくなったのは、
言葉がなくなったからじゃなくて、
信じられなくなったからだと思います。
自分の感覚を、
このまま出していいのか。
誰かに見せるほどのものなのか。
そうやって迷っているうちに、
言葉を外に出すことより、
自分の中に戻すことのほうが
大事になっていきました。
今、ここに置いている文章は、
何かを伝えるためのものではありません。
考えすぎて遠くへ行ってしまった感覚を、
言葉を使って、
そっと連れ戻すための記録です。
生きている私は、服部礼奈。
日常を生きて、
迷って、立ち止まって、
また動き出す、
ひとりの人間です。
Reinaという名前では、
その途中で見つけた感覚を、
言葉に翻訳しています。
どちらが本当、ということではなく、
どちらも、私です。
ここでは、
無理に整えなくていい。
急いで意味づけしなくていい。
ただ、
「確かにあった感覚」を、
消さずに置いておけたらいい。
書けたときに、書く。
書けない時間も、
ちゃんと含めて。
その先に、
もう少し深く
言葉を扱う文章も
書くかもしれません。
でも、それは
必要なときに、
必要な人に届けばいい。
今はただ、
ここに、言葉を置いていきます。
Reina
