AI議事録を入れたら会議が変わった話

「会議のあと、議事録を書く人が一番損をしている」

ずっとそう思っていました。1時間の会議のために、終わってからさらに30分かけてメモを清書する。しかもその議事録、次の会議までに読み返す人はほとんどいない。中小企業の会議あるあるだと思います。

私は中小企業のIT支援を本業にしている一人法人の社長です。自分の会社と支援先の両方でAI議事録ツールを使い始めて1年以上になります。今日はその実際のところを書きます。

何が変わったか

一番大きいのは、会議中に全員が会議に集中できるようになったことです。

AI議事録ツールは、会議の音声をその場で文字にして、終わったら要約と決定事項まで整理してくれます。「メモを取る係」が不要になるので、全員が話すことに集中できる。これが想像以上に効きます。

二番目は、言った言わないがなくなったこと。取引先との打ち合わせで「あのとき確かにこう言いましたよね」を全文検索で確認できます。記憶ではなく記録で話ができるのは、揉め事の予防として大きいです。

三番目は、欠席者への共有が一瞬になったこと。要約を送るだけで、30分の口頭説明が不要になりました。

正直に書くと、最初はうまくいかなかった

導入してすぐの時期、文字起こしの精度に困りました。特にひどかったのが固有名詞です。取引先の会社名、業界の専門用語、商品名。このあたりが毎回違う言葉に化けて、そのたびに手で直していました。

解決策は単純で、ツールに用語を事前登録することでした。多くのAI議事録ツールには、固有名詞や専門用語を登録しておくと優先的にその表記で文字起こしする機能があります。取引先名と頻出用語を登録した日から、修正の手間が目に見えて減りました。

導入を検討している方は、ツール選びの際に「用語登録ができるか」を必ず確認してください。ここができないツールは、専門用語の多い業種では使い物になりません。

導入前に決めておくべきこと

もう1つ、技術より大事な話をします。録音することを相手に伝えるルールです。

社内会議は「議事録用に録音します」と宣言すれば済みますが、社外との打ち合わせでは必ず事前に許可を取ってください。無断録音は信頼を一発で失います。私は打ち合わせの冒頭に「議事録作成のためにAIで文字起こしをしています。問題があればおっしゃってください」と伝えるのを定型にしています。嫌がられたことは今のところ一度もなく、むしろ「うちも入れたい」と聞かれる方が多いです。

どの会議から始めるべきか

全部の会議に一気に入れる必要はありません。おすすめは定例会議から。参加者が固定で、専門用語も毎回同じなので、用語登録の効果が出やすく、精度の上がり方を実感しやすいためです。

逆に向かないのは、雑談まじりのブレスト。文字起こしはされますが、要約が散らかりがちです。まず型の決まった会議で成功体験を作ってから広げるのが定石です。

まとめ

AI議事録は「議事録を書く時間がなくなる」ツールだと思われがちですが、本当の価値は会議の質が変わることでした。全員が話に集中する、記録で話す、共有が一瞬。この3つは導入した月から効きます。

つまずきどころは固有名詞の誤認識と録音マナーの2つ。どちらも対処法はこの記事に書いた通りです。

次回は、Google Workspaceを入れた会社が3か月で挫折する理由を書く予定です。フォローしていただけると更新時に通知が届きます。

いいなと思ったら応援しよう!