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失敗から一年後、母が学んだこと

去年の夏、息子はお祭りでもらったお小遣いを、わけのわからないくじ引きで使い切ろうとした。何回目かでどうしても我慢ができなくて、私はそれを止めた。
「好きに使っていい」と思っていたはずなのに、どうしても良しと思えなくて途中で止めてしまったのだ。

でも、止めた後が大変だった。癇癪がひどく、家に帰るのも本当に大変で、帰ってからもしばらく怒りがおさまらなかった。私は「なぜ息子はこんなにも怒っているのか」と考え、ものすごく後悔した。
お小遣いは好きに使って学べばいいと思っていたのに止めてしまったことで、彼には「後悔」と「母への憎しみ」だけが残り、何も学ぶことができなかったのではないか――そう思ったからだ。

そして今年の夏、また同じお祭りに行くことになった。息子は「同じお店があったら去年のリベンジをしたい」と言った。私は「今年は何があっても止めない」と決めていた。
去年と同じ場所に向かう息子について行くと、本当にあのくじ引きがあった。私は「絶対に止めない、何も言わない」と自分に言い聞かせた。

ところが、息子はしばらくお店を眺めたあと「やっぱりやらない」と言ったのだ。
驚きのあまり、私はつい「え?いいの?やらなくて」と口にしてしまった。さっきまでお小遣いを握りしめ、ワクワクしていたのにどうしたのだろうと思ったからだ。
息子は少し悩んでから「うん。欲しいものもないし、もったいないから。ここで使うなら、違うもの買いたい」と言った。

結局くじ引きはやらずに帰ってきた。
去年は欲しいものがあったわけでもないのに何度も引きたがったのに、この変化。
この一年で息子はめちゃくちゃ成長したのかもしれない。

実は去年の件をきっかけに、夫と相談して「おばあちゃんからのお小遣いや、お手伝いなどでお小遣いを渡し、私たちはそのお金は息子が何に使っても口を出さない」というルールを作った。もちろん時々「え?」と言いかけて誤魔化すことはあったし、うっかり言っちゃって訂正したこともあったけど(笑)
めちゃくちゃ我慢した。
夫はけっこう何気なくいってしまうから時々注意したりもしつつ見守った。

そうして好きに任せていたら、ちょっと意外なことが起きた。
ときどき「母ちゃんにお菓子を買ってあげたい」と思い出したように選んでくれることがある。(ほんとにごくたまにだけど/笑)

さらに、私が甘いものを買うかどうか迷っていると「僕が少し出そうか?」と申し出てくれることもあった。実際に出してもらったことはないけれど、その気持ちがたまらなく嬉しい。
自分のお金で人を喜ばせたり助けたりできる、そんな選択肢を息子が持っていること自体が、私にはとても尊く感じられる。

渡したお金を自由に使わせたことで、息子は「お金は使えばなくなる」という当たり前のことを実感し、いくら払えば何が買えるのかを考えるようになった。
「持っていると全部使ってしまうかもしれないから」と、自分でその日使う金額だけを財布に入れて出かけるようになったのだと、誇らしげに教えてくれたこともあった。

つい先日も、小さなお出かけ用のショルダーバッグがボロボロになってきたので、私が新しいものを買ってあげようと思っていたのに、本人がSALEで安くなっている彼の好きな色のカバンを見つけ、「これ欲しい!お得だと思う!自分のお小遣いで買う!」と、自分で購入した。
そのカバンはすっかりお気に入りになっている。
私も夫も「カバンくらい買ってあげるよ」と言いそうになったけれど、本人が自分で見つけて「これが欲しい」と言ったのだから、その意思を尊重した。

もちろん、たまに「え?!」と思う使い方もある。けれど、よく話を聞くと、息子なりに考えた上でのことばかりだ。たくさん経験して、その先に活かしてくれればいいと思う。

ちなみに我が家には“気まぐれコーヒー屋さん”も存在する。
息子がドリップコーヒーを淹れてくれたら30円払うことになっているのだが、時々「コーヒー飲みませんか?」と聞いて淹れてくれる。
在宅で仕事をしているときに、淹れたてを持ってきてくれるのは本当に嬉しい。
ただしこちらからお願いしても、気分が乗らないと断られる(笑)。だから聞いてくれたときは必ずお願いするようにしている。

この一年、「口を出したい!」気持ちを何度も飲み込んできたけれど、少しずつ息子は成長しているようだ。
これからも「え?!」と驚かされることはきっとたくさんあるだろうけど、自分で考えて選びながら学んでいるのだから、とりあえずは見守ろうと思う。

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