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AIエージェント時代のインフラ設計入門|AgentOpsとは何か

AIエージェントを作る技術は、ここ数年で一気に身近になりました

ChatGPTやClaudeのようなLLMに指示を与えるだけではなく

  • Webを検索する

  • APIを呼び出す

  • データベースを参照する

  • ファイルを作成する

  • Slackへ投稿する

  • メールを送信する

  • コードを実行する

  • 別のAIエージェントへ仕事を依頼する

といったところまで、AIが自律的に実行できるようになっています

しかしここで、インフラエンジニアとして気になることがあります

そのAIエージェント、本番環境でどうやって運用するのでしょうか

例えばAIが突然APIを1000回呼び出したらどうするのか

間違ったツールを選択したらどうするのか

同じ処理を延々と繰り返したらどうするのか

誰の権限で処理を実行したのか、後から確認できるのか

AIモデルを変更した結果、回答品質が悪化したことをどう検知するのか

トークンを大量消費して、1日で数万円の請求が発生したらどうするのか

こうした問題を考えると

AIエージェントにも運用設計が必要

ということが分かります

そこで重要になってくる考え方が

AgentOps

です

今回は、インフラエンジニアにも分かるようにAgentOpsを解説しながら

AIエージェント時代のインフラはどのように設計すればいいのか

を考えていきます

そもそもAIエージェントとは

まず普通のLLMアプリとAIエージェントの違いを簡単に整理します

通常の生成AIアプリは

ユーザー

プロンプト

LLM

回答

という構成が基本です

一方でAIエージェントになると

ユーザー

AIエージェント

状況を判断

ツールを選択

API / DB / Web / SaaSを操作

結果を確認

次の行動を判断

必要なら再実行

最終結果

となります

つまりAIエージェントでは

AIが判断するだけではなく、実際に行動する

というところが非常に大きな違いです

ここからインフラ設計も変わってきます

従来のシステム運用では足りない

例えば一般的なWebアプリケーションであれば

User

Load Balancer

Application

Database

という構成があり

CloudWatchやDatadog、Prometheusなどを使って

  • CPU

  • Memory

  • Disk

  • HTTP Status

  • Response Time

  • Error Rate

などを監視します

CPU使用率が90%を超えた

HTTP 500が急増した

レスポンスタイムが5秒を超えた

このような異常は比較的分かりやすく検知できます

ところがAIエージェントでは

サーバーが正常でもAIが異常

ということが普通に発生します

例えばこんな障害が起きる

ECサイトに返品処理を行うAIエージェントがいたとします

ユーザーが

商品を返品したい

と問い合わせます

AIは注文情報を確認し、返品可能か判断して、返金APIを呼び出します

ところが何らかの理由で

注文確認
 ↓
返金API
 ↓
結果確認
 ↓
判断ミス
 ↓
返金API
 ↓
結果確認
 ↓
返金API
 ↓
返金API
 ↓
返金API
 ↓

というループに入ってしまったとします

CPU使用率:20%
Memory使用率:30%
HTTP Status:200

サーバー監視上は完全に正常かもしれません

しかし実際には重大障害です

そこで必要になるのが

AIエージェントそのものを監視する仕組み

です

AgentOpsとは

AgentOpsという言葉にはまだ完全に統一された定義があるわけではありません

研究でも、AIエージェントのライフサイクル全体に対して、
監視・ログ・分析・異常検知・原因特定・復旧などを行う運用体系として整理が進んでいます

この記事ではAgentOpsを

AIエージェントを安全・安定・効率的に本番運用し、継続的に改善するための運用設計・監視・評価・ガバナンスの仕組み

と考えます

かなり簡単に言えば

DevOps + Observability + LLMOps + AI Evaluation + Security
+ Governance + Cost Management

AIエージェント向けにまとめ直したような考え方です

注)なお「AgentOps」という名称のAIエージェント監視サービスも存在しますが、この記事で扱うAgentOpsは特定製品ではなく
AIエージェント運用という考え方そのものを指します

DevOps/MLOps/LLMOps/AIOps/AgentOpsの違い

ここはかなり混同されやすいところです

特にAIOpsとAgentOpsは名前が似ていますが

AIOpsはAIを使ってインフラを運用するという意味で使われることが多いのに対して

AgentOpsはAIエージェント自体を運用するという違いがあります

もちろん今後は

AgentOpsで管理されたAIエージェント

インフラをAIOpsする

という世界も増えていくはずです

なぜAgentOpsが必要なのか

AIエージェントには従来のアプリケーションには少なかった特徴があります

それが非決定性です

例えば

def add(a, b):
    return a + b

なら

1 + 1 = 2

は何度実行しても同じです

ところがLLMは必ずしもそうではありません

同じ入力でも

  • 使用モデル

  • Prompt

  • Context

  • Memory

  • Temperature

  • 外部データ

  • Toolの状態

などによって出力が変わる可能性があります

さらにAIエージェントでは、その結果を使って次の行動を決定します

つまり

LLMの出力

ツール選択

ツール実行結果

次のLLM判断

次のツール

という連鎖になります

1つの小さな判断ミスが、その後の処理全体へ影響する可能性があります

だから

最終回答だけ監視しても足りません

AgentOpsで見るべきなのは「途中経過」

ここが非常に重要です

AIエージェントでは

Input
 ↓
Reasoning
 ↓
Model Call
 ↓
Tool Selection
 ↓
Tool Call
 ↓
Tool Result
 ↓
Model Call
 ↓
Action
 ↓
Output

という処理全体を追跡できるようにする必要があります

この考え方が

Tracing

です

LangSmithはLLM・AIエージェントに対するTracingや本番監視を提供しており、LangfuseもTrace、Session、Observationなどを中心にLLMアプリケーションを可視化できます

さらに現在はOpenTelemetryでもGenAI向けSemantic Conventionsの整備が進んでおり、LLMだけではなくMCPなどを含めたテレメトリ標準化が進められています

つまり将来的には

アプリ監視
コンテナ監視
ネットワーク監視
DB監視
AIエージェント監視

をOpenTelemetryベースで横断的に追跡する構成もかなり重要になってきます

AIエージェント時代のインフラ構成

では実際にどのような構成になるのでしょうか

かなり単純化すると

こうなってきます

Webアプリケーションの後ろにLLMを追加しただけではありません

Agent Runtimeを中心として、Identity、Memory、Tool、Observability、Evaluationを設計する

というのがポイントです

AgentOpsで考えるべき8つの設計

ここからがインフラエンジニアにとって重要な部分です

① Agent Runtime

最初に考えるのがAIエージェントをどこで動かすかです

候補としては

  • コンテナ

  • Kubernetes

  • AWS Lambda

  • ECS

  • EC2

  • Amazon Bedrock AgentCore Runtime

  • その他Agent Runtimeサービス

などがあります

普通のWeb APIと異なり、AIエージェントでは処理が数十秒から数分以上続くケースがあります

さらに

LLM
↓
Tool
↓
LLM
↓
Tool
↓
LLM

と処理時間も予測しにくくなります

そのため

  • Timeout

  • Retry

  • Queue

  • 非同期処理

  • Session

  • Isolation

  • Concurrency

などを意識したRuntime設計が重要になります

Amazon Bedrock AgentCore Runtimeではセッション分離やエージェント向けRuntime機能が提供されており、
LangGraph、CrewAI、OpenAI Agents SDKなど複数のフレームワークにも対応しています

② Identity

個人的に、AIエージェント時代にかなり重要になると思っているのが
Agent Identityです

例えば

人間

AIエージェント

Slack
GitHub
AWS
Google Drive
Salesforce
Database

という環境を考えます

ここで

AIエージェントは誰としてアクセスするのか

という問題が発生します

管理者権限を1つ渡して全AIで共有という設計はかなり危険です

理想的には

人間A

Agent A

Agent A Identity

許可されたToolのみ

という形にします

AIエージェントそのものを

1つのWorkload Identity

として扱う考え方です

Amazon Bedrock AgentCoreでもIdentity機能が提供されており、
Runtimeに対してWorkload Identityを割り当てる仕組みがあります

③ Tool Gateway

AIエージェントへ直接APIキーを大量に渡す構成も避けたいところです

例えば

Agent
 ├ AWS API KEY
 ├ Slack Token
 ├ GitHub Token
 ├ Notion Token
 ├ Salesforce Token
 └ Google Token

となったら管理が大変です

そこで

Agent
 ↓
Tool Gateway
 ├ GitHub
 ├ Slack
 ├ Database
 ├ AWS
 ├ Notion
 └ Salesforce

という構成が考えられます

最近であればMCPを利用して

Agent

MCP Gateway

MCP Servers

各システム

という構成もできます

Amazon Bedrock AgentCore GatewayもAPIやLambdaなどをMCP互換ツールとしてエージェントへ公開する仕組みを提供しています

さらに重要なのは接続できることと、実行していいことは別という点です

④ Policy

例えば経費精算AIが

get_expense
create_expense
approve_expense
delete_expense

という4つのToolを利用できるとします

だからといってAIに全部自由に使わせる必要はありません

例えば

get_expense
→ 常時許可

create_expense
→ 10万円以下のみ許可

approve_expense
→ 人間の承認必須

delete_expense
→ 禁止

といったPolicyを設定します

つまりAIが何をしたいかを考える部分その行動を本当に許可する部分を分離します

これはかなり重要です

Amazon Bedrock AgentCore PolicyでもGateway経由のTool呼び出しに対してPolicy Engineで許可・拒否を判定する構成が提供されており、
Cedarによる細かな制御が可能です

AIに

この操作をしてはいけません

とPromptで書くだけではなく

インフラ側でも止める

という設計にするわけです

⑤ Memory

AIエージェントにはMemoryも必要になります

例えば

Short-term Memory

現在のConversation
現在のTask
現在のSession

Long-term Memory

ユーザー情報
過去の作業
学習した情報
過去の判断

では性質が違います

そのためMemoryも

Session Memory
Long-term Memory
Vector Database
RDB
Object Storage

などへ役割分担する必要があります

ここでもインフラ的な考え方が必要です

  • 保存期間

  • Encryption

  • Backup

  • Retention

  • 個人情報

  • Tenant分離

  • Access Control

  • 削除

  • データ所在地

などです

「AIの記憶」と言うと特殊に聞こえますが

インフラ的に考えれば

新しいState Management

と捉えると分かりやすいと思います

⑥ Observability

AgentOpsの中心と言ってもいい領域です

最低でも

Metrics
Logs
Traces

は取れるようにします

しかし従来監視に加えてAI特有のデータも必要です

例えば

Infrastructure Metrics

  • CPU

  • Memory

  • Network

  • Container数

  • Queue Length

Model Metrics

  • Token Usage

  • Model Latency

  • Request Count

  • Error Rate

  • Cost

Agent Metrics

  • Task Success Rate

  • Tool Call Count

  • Loop Count

  • Agent Step Count

  • Retry Count

  • Handoff Count

Tool Metrics

  • Tool Success Rate

  • Tool Latency

  • Tool Error Rate

  • Tool Selection Accuracy

Security Metrics

  • Denied Tool Calls

  • Policy Violation

  • Authentication Failure

  • 異常な権限要求

といったものです

AWSでもAgentCore ObservabilityがCloudWatchと連携し、Session数、Latency、Duration、Token Usage、Error RateなどのメトリクスとTraceを扱えるようになっています

またAgentCoreのTelemetryはOpenTelemetry互換形式で出力できます

⑦ Evaluation

そしてAgentOpsで従来のObservability以上に重要になるのが

Evaluation

です

普通のサーバーなら

正常
異常

を比較的決めやすいですが

AIの場合

回答は返った

でも回答の品質が悪い

ということがあります

HTTP Statusは

200 OK

なのにAIとしては失敗という状態です

だからAIではQualityそのものを監視する必要があります

例えば

  • Task Completion Rate

  • Correctness

  • Relevance

  • Hallucination

  • Tool Selection Accuracy

  • Goal Achievement

  • Policy Compliance

などを評価します

LangfuseでもEvalを継続的な品質チェックやRegression検知に利用する考え方が提供されています

Amazon Bedrock AgentCore Evaluationsでも、
Task Completion、Tool Accuracyなどを評価でき、LLM-as-a-Judgeを利用した評価も提供されています

つまりAIシステムでは

Availability
Latency
Error Rate

だけではなく

Quality
Accuracy
Safety
Goal Achievement

まで監視対象になるということです

⑧ Cost Management

そして忘れてはいけないのがコストです

AIエージェントは通常のAPI以上にコストが暴れやすい特徴があります

例えば

1 Task

LLM Call × 1

なら分かりやすいですが

Agentの場合

LLM Call
↓
Tool
↓
LLM Call
↓
Tool
↓
LLM Call
↓
Retry
↓
LLM Call
↓
別Agent
↓
LLM Call

となる可能性があります

つまり

1リクエスト = 1 API Call

ではありません

そのため

Cost / User
Cost / Session
Cost / Agent
Cost / Task
Cost / Successful Task

まで確認した方がいいでしょう

特に

Cost per Successful Task

は個人的に重要な指標だと思っています

Aというモデルなら

成功率 95%
1タスク 30円

Bというモデルなら

成功率 90%
1タスク 5円

となった場合

単純なToken単価だけでは判断できません

AgentOpsでは品質とコストをセットで評価する必要があります

AIエージェント時代の監視は4階層になる

ここまでを整理すると、今後の監視は大きく4つに分けると分かりやすいと思います

従来インフラ監視は主にLayer 1を見ていました

ObservabilityによってLayer 2までかなり見られるようになりました

AgentOpsではさらに

Layer 3とLayer 4まで見る

ことになります

SLIとSLOも変わる

SREではSLIやSLOを設定します

例えばWebサービスなら

Availability 99.9%
P95 Latency < 500ms
Error Rate < 1%

などです

AIエージェントではこれに

Task Success Rate > 95%

Tool Selection Accuracy > 98%

Policy Violation < 0.1%

Average Agent Steps < 8

Cost per Task < 10円

Human Escalation Rate < 10%

のような指標が加わるイメージです

つまりAgentOpsでは

AIの行動にもSLOを設定する

という考え方になっていきます

AIエージェント版CI/CD

AgentOpsでもCI/CDは重要です

ただし普通の

Code

Build

Test

Deploy

だけでは足りません

例えば

Code

Unit Test

Agent Evaluation

Security Test

Prompt Test

Tool Test

Cost Test

Deploy

Online Evaluation

Monitoring

というパイプラインになります

モデルを

Model A

Model B

へ変更しただけでもAgentの挙動が変わる可能性があります

Promptを変更しても変わります

Toolを追加しても変わります

Memoryを変更しても変わります

だからAIエージェントではコード以外もVersion管理する必要があります

何をGitで管理するのか

例えば

agent/
├── prompts/
├── tools/
├── policies/
├── evals/
├── datasets/
├── workflows/
├── configs/
└── terraform/

という構成です

管理対象は

  • Agent Code

  • Prompt

  • Model Configuration

  • Tool Definition

  • MCP Configuration

  • Policy

  • Evaluation

  • Test Dataset

  • Infrastructure

などです

Terraformなどを使えばInfrastructure側についてもVersion管理できます

AgentOpsをAWSで組むなら

AWSを中心に考えるなら、例えばこんな構成が考えられます

User
 ↓
CloudFront
 ↓
API Gateway
 ↓
Authentication
 ↓
AgentCore Runtime
 ├─ Bedrock / 外部LLM
 ├─ AgentCore Memory
 ├─ AgentCore Gateway
 │     └─ MCP / API / Lambda
 └─ AgentCore Identity
          ↓
       Policy
          ↓
       Tools

Observability側は

AgentCore

OpenTelemetry

CloudWatch

Metrics / Logs / Traces

さらに必要に応じて

Langfuse
LangSmith
Datadog
Grafana

などと組み合わせることもできます

AgentCore ObservabilityはAgentCore外でホストしたAgentのTelemetryをCloudWatchへ取り込む構成にも対応しています

Evaluationは

AgentCore Evaluations

または

Langfuse
LangSmith
独自Eval

などを利用できます

Securityでは

IAM
Agent Identity
KMS
Secrets Manager
Tool Gateway
Policy Engine

などを利用します

CI/CDなら

GitHub

GitHub Actions

Terraform

Agent Deploy

Evaluation

Production

という構成も考えられます

ここで重要なのは製品ではない

AgentOpsを学ぶと

Langfuseを使えばいい、LangSmithを使えばいい、AgentCoreを使えばいいと思ってしまうかもしれません

しかし本当に重要なのは製品ではありません

例えば最低限

誰が
↓
どのAgentを
↓
どの権限で実行し
↓
どのModelを使用し
↓
何を考え
↓
どのToolを選択し
↓
何を実行し
↓
何が返ってきて
↓
最終的にどう判断し
↓
いくら掛かり
↓
結果は正しかったのか

を追跡できる設計にする

これが重要です

Human in the Loopもインフラ設計

AIエージェントというと

完全自動化

を目指したくなります

しかし実際には

Read → AIだけで実行

Create → AIだけで実行

Update → 条件付き

Delete → 人間承認

のように

処理の危険度によって自動化レベルを変更した方が安全です

例えば

AI Agent

「本番DBを削除したい」

Policy Engine

High Risk Action

Human Approval

Execute

という構成です

つまりHuman in the Loopも

UIだけの話ではありません

Authorization Workflowとしてインフラに組み込む

ことが重要です

Kill Switchも用意する

さらにAIエージェントには止める仕組みも必要です

例えば

Agent Error Rate > 20%

Cost > 10,000円/hour

Loop Count > 20

Policy Violation > Threshold

になったら

Alert

Agent Disable

とします

自動復旧だけでなく

自動停止

も重要になるということです

AIエージェント版Circuit Breaker

さらに

Slack API
GitHub API
Salesforce API

など外部Toolが障害になったとき

AIが

失敗
↓
Retry
↓
失敗
↓
Retry
↓
失敗
↓
Retry

を続けると危険です

そこで従来の分散システムと同じくCircuit Breakerが利用できます

Tool Failure
     ↓
Failure Count > Threshold
     ↓
Circuit OPEN
     ↓
Tool Call停止
     ↓
Fallback / Human

AI時代だからといって、従来のインフラ設計が不要になるわけではありません

むしろ従来の分散システム設計+AI特有の設計が必要になります

マルチエージェントになるとさらに難しくなる

例えば

Manager Agent
   │
   ├─ Research Agent
   │
   ├─ Coding Agent
   │
   ├─ Review Agent
   │
   └─ Security Agent

という構成になった場合

障害原因が

Manager

なのか

Research Agent

なのか

Coding Agent

なのか

さらに

Agent間の引き継ぎ

なのか分からなくなります

2026年のAgent System Operationsに関する研究でも、
Agent内部の異常だけでなくAgent間の異常を分けて捉え、
Monitoring、Anomaly Detection、Root Cause Localization、Resolutionという運用プロセスが整理されています

マルチエージェントが増えるほど

Distributed TracingのAI版

が必要になるわけです

AgentOpsはインフラエンジニアと相性がいい

ここまで読んで

何か見覚えがあると思った方もいるかもしれません

AgentOpsで必要になる

Monitoring
Observability
Identity
Access Control
Secrets
Gateway
Queue
Retry
Circuit Breaker
Logging
Tracing
CI/CD
IaC
SLO
Incident Response
Cost Management

これらは

インフラエンジニアが昔からやってきたこと

です

もちろんLLMやEvaluationなどAI特有の知識は必要です

しかしAIエージェントが本番利用されればされるほど

「AIモデルを作れる人」だけではなく

AIを安全に動かし続けられる人

が必要になります

DevOpsの次にAgentOpsを覚える

Webサービスが普及したことで

DevOps
SRE
Observability
Cloud Native
Infrastructure as Code

といった技術が重要になりました

同じようにAIエージェントが普及すれば

Agent Runtime
Agent Identity
Agent Gateway
Agent Observability
Agent Evaluation
Agent Security
Agent Governance

といった領域が重要になります

実際にOpenTelemetryでもGenAI向けTelemetry標準化が進み、
AWSでもAgent Runtime、Memory、Gateway、Identity、Observability、EvaluationsなどをまとめたAgentCoreが提供されています

これは

AIアプリを作るフェーズからAIエージェントを運用するフェーズへ移りつつある

ことを表す流れの1つだと思います

AgentOpsで最終的に作りたいループ

最終的には

Build
 ↓
Test
 ↓
Evaluate
 ↓
Deploy
 ↓
Observe
 ↓
Detect
 ↓
Analyze
 ↓
Improve
 ↓
Evaluate
 ↓
Deploy

というループを作ります

さらにAgent自身を利用して

Agent障害

Observability

Agentによる原因分析

改善案生成

Evaluation

Human Approval

修正

までできるようになる可能性があります

ここまで行くと

AIエージェントをAIエージェントが運用する

という世界です

まとめ

AIエージェント時代には

AIを作る技術だけでは足りません

重要になるのが

AIをどう運用するか

です

AIエージェントは

考える
↓
判断する
↓
Toolを選ぶ
↓
実行する
↓
結果を見る
↓
もう一度判断する

という動きをします

だから従来の

CPU
Memory
Disk
HTTP Error

だけを監視していても正常性を判断できません

これからは

Infrastructure
+
LLM
+
Agent
+
Tool
+
Identity
+
Memory
+
Trace
+
Evaluation
+
Security
+
Cost

まで含めて運用する必要があります

その考え方が

AgentOps

です

AIエージェント時代のインフラ設計では

「サーバーが正常か」から「AIの行動が正常か」へ

監視対象そのものが広がっていきます

そしてこれはAIエンジニアだけの領域ではありません

Observability

IAM

Network

Security

CI/CD

Terraform

SRE

Cloud

これまでインフラエンジニアが積み上げてきた技術が、そのままAIエージェント時代の重要な土台になります

AIによってインフラエンジニアの仕事がなくなるというより

AIという新しいワークロードをどう安全に動かすか

という巨大な運用領域が新しく生まれている

そう考えると

AgentOpsはこれからインフラエンジニアが覚えておいて損のない分野だと思います

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