結婚式に天国の母へ宛てた手紙
今から10年前に、結婚式で両親に贈った手紙全文を掲載します。
この時、母は既に他界しており、天国の母に宛てたものです。
10年前に書いたものですが、10年後の今でも母のことを想えば、まったく同じ言葉が出てきます。
パパへ
二人きりで一緒に過ごしたのは、結婚する直前の一年強。その間、一度もぶつからなかったのは、パパの思いやりのおかげだと思っています。思いつくや否や、すぐに行動に移してしまう私は、パパのことをたびたび振り回したり、悩ませたりしてしまったことと思います。それでも、いつも一歩離れた所から見守ってくれて、立ち止まった時には、すかさずアドバイスをくれました。
平日、遅く帰ると、パパは既に寝ていて、冷蔵庫には私が夜でも朝でも体調に合わせて食べられるように、食べ物を入れておいてくれたり、一緒にご飯を食べる時には私が大好きな韓国料理をすすんで取り入れてくれたり、真冬の寒い夜には、私がお風呂に入っている間に、お布団の中に温めた湯たんぽを入れておいてくれたり…
一緒に住んだ一年間に、パパの優しさと愛情をたくさん感じました。私が、パパに何をしてあげられたかは分からないけれど、一人暮らしから、結婚するまでの間、たった一年ではあったけれど、おうちに戻って、パパと暮らして本当に良かったと、心から思います。
子どもの頃から、私たちのやることを尊重してくれて、何かを否定された記憶はありません。守られた環境でありながら、自由にのびのびとさせてもらえて、何て幸せだったんだろうと実感しています。
そして、いつでも冷静で頼りになるパパだったからこそ、突然のママとの別れの時にも、取り乱すことなく、気丈に、全てを先頭に立って進めてくれました。家庭の太陽を失った高品家がぐちゃぐちゃになってしまわないように、その後も率先して、私ともなを引っ張ってくれました。本当はパパだって、パパなりの悲しさ・悔しさがあったんだと思う。あの時も、そして今でも、頼れるパパでいてくれてありがとう。ママの分も、一日でも長く、健康に、生きて下さい。
ママへ
ママが天国に行ったあの日から、ママは、私のいちばん近い所で私を見守ってくれています。小さい頃はとても厳しく教育を受けましたが、大きくなってからは、友達のような存在になり、仲良しだったからこそ、ぶつかったり、引き続き怒られたりもあったけど、それだけ本気で私たちを育ててくれたんだと、本当に感謝しています。私ともなは、ママの人生そのものだったんだろうと、そう思います。
いつも明るくて、前向きで、表現豊かなママだったから、私はいつしか、ママを笑わせたり、喜ばせたりすることに生きがいを感じるようになっていました。いけばなのおけいこから帰って玄関にお花を生けるといつも、すっとんで見に来てくれて感想を言ってくれたり、学校や会社であったことに心から興味を示してくれたから、何でも話せて、真剣に聞いてくれる人がいて、私は幸せでした。自分が経験していないことでも、ママはいつも前向きなアドバイスと応援で背中を押してくれたから、私もいつも前向きでいられました。
ママからもらったこのポジティブな性格には、ママを失った時に最も助けられました。「ママにもう触れられない」「ママともう話ができない」それは、本当に耐えがたいことだけど、ママから教わった、かけがえのない価値観が、その後の私の人生を変えてくれました。
一度きりの人生、明日何が起こるか分からないから、今、この瞬間を悔いなく生きようと。そして、私の大切な人たちが元気で生きてくれている、そんな当たり前のようなことに、今一度、ありがたみを感じながら、ママが産み、育ててくれた、心と身体をこれからも大切に生きていきたいと思います。
2014年12月7日 結婚式にて
直筆の手紙(父の手元より)





結婚生活は卒業しましたが、この時の周囲の皆様への感謝の気持ちはずっと胸にあり続けます。元夫に対しても。
