「皇室の伝統」という言葉の裏で、消費される「皇族の人権」
はじめに
この数週間、国会で急速に審議が進み、可決・成立に至った「皇室典範改正法案」。皇族数の確保をめぐるこの劇的な動きに伴い、メディアやSNSのタイムラインでも皇室に関する話題が一気に溢れかえるようになりました。
しかし、連日の激しい報道やネット上の議論を見ていると、どうしても拭えない強い違和感があります。それは、「制度や数をどう維持するか」という組織側の論理ばかりが突貫で進められ、そこで生きる「生身の人間」の人権や尊厳を守る議論が完全に置き去りにされているのではないか、ということです。
いま目の前で起きている現実とSNS社会の歪みを踏まえ、私たちが今、本当に向き合うべき「皇室の問題」について整理してみたいと思います。
1.逃げ場(サードプレイス)のない過酷な環境
皇室という一般社会とはあまりにかけ離れた「閉ざされた空間」のなかで、民間から嫁いだ女性たちが精神的な不調を抱えてこられた歴史は、決して偶然の産物ではありません。
美智子上皇后: 初の民間出身ゆえの激しいバッシングや環境へのストレスから、1993年には一時的に声が出なくなる「失語症(失声症)」の症状を経験されました。
雅子皇后: 外交官としてのキャリアや個人の自由が制限される中、「男子の世継ぎ」をめぐる苛烈なプレッシャーが重なり、2004年に「適応障害」と診断され、今なお療養が続いています。
寛仁親王妃信子さま: 皇室内の人間関係のストレスやプレッシャーから精神的な不調をきたし、ストレス性喘息や更年期障害なども重なって、長期の療養や別居生活を余儀なくされました。
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