スウェーデンウインク|毎週ショートショートnote
竹取町にバイク屋があった。昔はどこにでもあったメーカー不問のバイクの診療所のような店だ。
彼は乗っているオートバイのメーカーからハスキーと呼ばれている。ハスクバーナはスウェーデンのメーカーだ。
梅雨前の週末、白い矢というバイクでランチに出かけた。生活道路は軽トラやファミリーカーで渋滞中。山に入り道が少しずつ空きだした。
前を走るのは郵政カブ。一気に追い抜こうかと思ったが、カブが良いペースで走るので付いて行く事にした。川の流れに沿った山道は右に左に気持ち良いワインディング、そこをカブは制限速度を少し超えた速度で抜ける。道を知り尽くしたプロの後ろを走るのは安心だ。たまにミラーに目をやりこちらを意識しているのが分かる。
集落を幾つか超えた。どこまで行くんだろう。そう思った時、カブは左の方向指示器を点滅させた。次の集落に手紙を運ぶようだ。
曲がる時カブは左手を挙げ挨拶した。ハスキーはウインクして走り去った。
