離婚とか英語とかロンドン移住とか。
離婚とか英語学習とか留学とか。30歳こえてあまりに色んなことがあったけど、33歳のいまロンドンでなんとも幸せな生活をしている。
大人になって、英語とか留学とかやっぱり頑張ってみたいとか、今のパートナーと一緒にいて本当にいいんだろうか?でも歳も歳だしなあ…とかいう人の勇気になったらいいなと思い、備忘録を残しておく。

30歳で離婚、ホテルで一人死ぬ自分を想像する
2年前の2023年、30歳で離婚した。元夫とは今でも連絡をとりあう仲だし、本当に本当に最高のパートナーだったんだけど、いつの間にか恋人や夫婦というよりは兄妹や相方のような関係に変わってしまった。悩んだ末にわたし達は、恋愛関係ではない、友人に戻る選択をとった。

離婚直後に気晴らしに、それまでも趣味だった一人旅をした。孤独で押しつぶされそうになった。一人旅が無邪気に楽しかったのは、日本に優しい夫がいて、「自分は孤独ではない確信」があったからだったと気づいた。
そのときに、以前バルセロナの一人旅で食中毒になった際に力なく夫に電話し、彼が保険やら病院やらなんやら日本から完璧に処理してくれたことなど思いだした。「いま病気になったら私一人でホテルで死ぬな」と思った。普通に泣いた。孤独になった後の一人旅はその孤独を色濃くした。

当時の私はまだ20代神話にとらわれており、30越えたバツイチなど需要なし、恋愛市場になど一生戻れないと思った。絶望。
嫉妬するのやめたくって、英語を勉強しはじめる
離婚と同時期に、英会話をはじめた。というのも、夫と子供を持つことなどをおぼろげに考えていた私には日本に住み続ける未来しかなかったが、離婚を機に全ての要件がリセットされた。

当時の私は、大学生の時に留学と就職で悩んで、結果日本で就職したことをずっと後悔していた。英語が流暢な友人や帰国子女の人のエピソードを聞くたびに猛烈に嫉妬してた。
和歌山の県立高校に通っていたような平凡な自分は、グローバルな背景を持ち英語がペラペラな「特別な」人々に終始嫉妬してたし、「あのときに留学さえしていたら…」といつも後悔していた。
このまま嫉妬しながら日本語だけ喋って日本だけで生きていくのめちゃくちゃダサいなと思ったので、この頃にビジネスマン向けのオンライン英会話に120万振り込んで、その後毎日30分の英語学習を一年続けた。

ボッロボロになるまで繰り返し読みこんだ。
仕事が猛烈に忙しかったのでそんなに沢山は勉強できない。でも、とにかく続けた。単語帳で勉強していると「え!?そんな単語も知らないの!?」と横から笑われたことがある。舐めんな、美大生というのはこんなもんである。デッサンで大学入ってますから。たった30分、されど30分。
一人旅で思い立ち大学院進学を決める
離婚後、懲りずに一人あてもなく行った旅先のノルウェー(そうです、北欧一人旅してるバツイチ女です)で、ひょんな出会いから「大学院で人類学を英語で学びたい」と思い立った。すぐにクライアントやチームに留学の旨の相談をしはじめた。

大学を調べ始めるもこの時点ではまだ英語がぜんぜん読めないので、ウェブサイトをフルでGoogle翻訳しながら候補を絞っていった。大学に応募する際のパーソナルステートメント(志望動機書)も、日本語書いて英訳するもいいんだか悪いんだかちんぷんかんぷん。以前の一人旅のデンマークで出会った友人に頼んでネイティブチェックしてもらう。こういうところが実に図々しい。

彼とは今では毎年互いの国に行きあうほどの友人になった。
その頃、イギリス留学経験のある別の友人に大学院の相談をすると、「イギリスの大学院の多くは一年だけのフルタイム。英語に自信がないなら何も分からんままものすごいスピードで卒業して終わるから勿体ない」と脅され、院に行く前に同校のプレマスターという大学院英語準備コースに行くことを決めた。これが今思えば大大大正解だったんだけど。もちろんプレマスターのレベルですらないので、語学学校にも申し込んだ。

30歳以上しか入れない大人向けコースを選んだのが大正解。
仕事をしている社会人しかいなくてキャピキャピしてない。
大学院(ここがゴール)
↑
そのためのプレマスター(9ヶ月)
↑
そのための語学学校(3ヶ月)
↑
そのための日本でのオンライン英会話(1年)
道のりは遠いが自分なりの最短コースを設計し、この三つにほぼ同時に申し込んだ。プレマスターも院も謎に合格。ただし大学院は「IELTS7.5とってから出直してこい」という条件付きオファー。

けっきょくノルウェーに行った半年後の2024年3月にロンドンの語学学校に3ヶ月、同年9月からプレマスターに9ヶ月通って、この1年はオンラインで日本の仕事を続けながら死ぬ気で英語を鍛えつづけた。

ハードなプレマスター時代。青春は即時終了。
左:当時の家 右:大学図書館
2年経って、大学院生になったいま思うこと
それでいまは、UCLの大学院で人類学を学んでいる。2年前は飛行機でドリンクすらオーダーできなかったGoogle翻訳人間が、世界トップ10の大学院にいま問題なく普通に通っている世界線に自分でも驚くんだけど。

「やってやったぞ」って顔してる。
偏差値の極めて低い多忙な社会人でも、2年しっかり真面目に努力すれば、大学院レベルにはなれるんだなあと改めて思います。アルファベットが分かるとか、This is a penとかの基礎教育が、実は基盤になっている。時間とお金と努力をやりくりすることができる人間であれば(これが難しいんだけど)、誰でも英語圏の大学院で楽しく学べるようになれると思う。
大学院は本当に本当に本当に大変だけど、あまりにも、あまりにも幸福。

10代の頃は美大で作ることに夢中で、座学の授業などサボりまくっていた。でも社会人になって、自分で学費(2年で1000万…)払って、かつ仕事と両立しながら時間をなんとかやりくりして大学に通っていると、「学ぶよろこび」というものが、身体の奥底からじわじわ湧き出す。

右:街かよっ?てほど広いキャンパス
おわりに
今は大学に通いながら、現地で出会ったパートナーと結婚を前提に交際しており、猫と3人で暮らしている。30歳で離婚して、恋愛などもう無理と諦めていたが、全然なんの問題もなかった。

あのとき離婚してなかったら?あのとき英語やってなかったら?など考えると、それはそれで楽しかったと思うけど、まったく別の人生だったと思う。
一度しかない人生ならば、私は2つの国で暮らし2つの言語を話す今の人生を選んでやっぱりよかったなあと思う。
