待ち遠しいその日まで
一年前に入籍した娘が
結婚式を挙げることになった。
娘達夫婦は結婚式という形式に
拘っていなかった。
本人達が決めたこと。
そこに横槍を入れる気持ちは
無かったが花嫁の母としては
少し寂しさも感じていた。
そんな時
娘の夫の父が
『花嫁姿を見ないと俺は死ねないな〜』
そう声を上げてくれたことで
とんとんとんと
結婚式の話が進んでいった。
披露宴なるパーティーは行わないので
友達を呼ぶこともなく
家族親戚だけで集まり
式のみ執り行うことになった。
選んだドレスは当日まで内緒。
ファーストミートで
初お披露目という演出。
招待状もない。
引出物もない。
自分の時は神前式に披露宴。
互いの親戚も大勢。
友達や職場の仲間を呼び
かなりの数の列席者。
招待状の手配
式進行の打ち合わせ
余興は誰にお願いする?
受付は誰に頼む?
お料理はどのコース?
予算は?
親の意見も反映しながら
大掛かりなイベントだった。
ところが娘達のお式は
親が何かするという事もなく。
その日がくるのを指折り数えて
待つだけ。
それでも花嫁の母としては
嬉しくて待ち遠しく
娘に何かしてあげたい
何をしてあげられるのか
むくむくと思いが膨らむ。
娘がまだ小さい頃には
娘の結婚の時には
娘が纏うドレスと
同じデザインのドレスを
ぬいぐるみに着せてプレゼント
したいなと考えてはいたが
ドレスは当日までわからないので
それは叶わない。
それなら…と。
リングピローを手作りし
プレゼントしようと思いつく。
材料を買い揃え
どんなデザインにしようか
あれこれ考える。
その時間がなんとも楽しく
娘とのこれまでの成長を
思い出しながら生地と向き合う。
娘夫婦が笑顔で
楽しく暮らす未来を思いながら
お式当日までどんな形かは内緒の
母からの贈り物。
リングピローも
ファーストミート。
