似なくていいところまで
朝、私はお風呂に入っていた。
お風呂の隣がトイレなので、
母が何度も入っているのが分かる。
一度なら、
そんなに気にしなかったと思う。
でも、何度も。
やけに長いトイレタイムだなー。
そう思っていたら、
「うおぉぉ~~~~~あああっ」
と叫びながら、
トイレから出ていった。
様子が気になったので、
まったりお風呂タイムを終了し、
急いで出た。
「お腹痛いの?」と声をかけた。
「うん、ちょっと。」
「まだ朝ご飯たべてないから、
お腹冷えちゃった?」
しばらく無言になる母。
「さっき残ってた麦茶飲んだからかも」
ここから私はまくしたて始めちゃった。
「残してたってどこに置いておいたのよっ!」
母がゆっくりとテーブルを指さした。
「また一晩出しっぱのお茶飲んだの?
前にもあったよね?もーやめなよー。
病院行きなよ」
「大丈夫。全部出ちゃえば」
小さな声で目も合わさない。
前にも同じ会話をした事を思い出したらしい。
色々と強く言うと「逆切れ」することもある。
今は具合が悪いから、
余計な事は言わないように心がけて。
病院に行ってもらう事を最優先にしなくちゃ。
などと考えていると、
母は椅子に座ったまま、じーっと動かない。
テレビを見ているようで見ていない。
ぼーっとしている。
「まだお腹痛いの?」
「なんか頭が痛いっていうか、
ぼーっとしてる」
ちょっと怖くなった。
不安がどどーっと押し寄せてきた。
「何か」あってからでは遅い年齢。
様子を見ている場合ではないかもしれない。
「すぐ病院に行きなさい。
薬はあとで私が取りに行くから。
一緒に行こうか?」
「一人で大丈夫。」
そう言って病院へ行った。
以前とは違うと自分でも感じたようだった。
夏バテと言われ、
整腸剤が出た。
おかゆを作り、様子を見ることに。
「一日ゆっくりテレビを見るだけの日」
にしてもらった。
その前の日。
実は私も、
無理をしていた。
家庭菜園の草むしりをしたかった。
「1時間くらいで終わると思うから~」
そう母に伝え、暑さ対策をして外に出た。
暑いけど曇りそら。
たまに風がある。
ささっとやっちゃおう。
1時間くらいたったところで、
母が声をかけてくれた。
「もうやめたら?」
たぶん、そんな感じだったと思う。
でも私は、
「あともう少しで終わるから」
と言った。
あともう少し。
もうちょっと。
あ、ここも。
なかなか終わらなかった。
結局、2時間。
顔がかなり暑くなっているのは、
自分でも分かっていた。
水分はしっかり採っていたから大丈夫。
それよりも、途中で投げ出せなかった。
集合住宅だから、
最後まできちんと掃除しないと気になる。
もう少しだけ。
そうやって続けていたら、
頭痛が始まった。
身体もだるい。
顔は燃えるように暑かった。
さすがに、これはまずい。
そう思って、
やっとやめた。
私は熱中症になっていた。
私は母に声をかけられても、
草取りが止められなかった。
母は、
一晩テーブルに置いてあった麦茶を
もったいないから「また」飲んでいた。
お互い、
もう少し。
もうちょっと。
大丈夫。
そんなふうにして、
自分の身体を後回しにしていた。
似なくてもいいところまで、
似てしまったらしい。
困った親子だwww
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こちらは「そんなことあるよね」
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