海外で「AIを使える人」の需要が急増。2026年、実際に伸びているAIの仕事を調べてみた
「AIを使えば副業できる」
最近、こんな話をよく見かけます。
でも、少し疑問があります。
実際に企業は、AIを使って何をしてくれる人にお金を払っているのでしょうか?
そこで今回は、「AIなら稼げる」という話ではなく、海外のフリーランス市場で実際に需要が伸びている仕事を調べました。
参考にしたのは、UpworkとFiverrが公開している2026年のデータです。
調べてみると、単に「AIを使える人」の需要が増えているわけではないことが分かりました。
AI関連スキルの需要は前年比109%増
まずはUpworkです。
2026年2月に公開された「In-Demand Skills 2026」によると、AIを明示的に含むスキルへの需要は前年比で109%増加しています。
ただし、重要なのはここからです。
伸びているのは、
「ChatGPTを使えます」
という漠然とした能力ではありません。
特に伸びていたのは、
AI動画生成・編集:+329%
AI Integration:+178%
AIデータアノテーション・ラベリング:+154%
AIチャットボット開発:+71%
などです。
つまり企業が求め始めているのは、
「AIを知っている人」ではなく「AIを使って仕事を完成させられる人」
だと考えた方がよさそうです。
① AI自動化
そして2026年8月の最新データで、特に目立っているのが**AI Automation(AI自動化)**です。
Upworkでは「AI automation」が7月に続いて8月も、AI関連で最も検索されたキーワードでした。
さらに前年比で急成長している検索ワードの上位4つのうち3つを、
「AI automation expert」
「AI workflow automation」
「AI automation engineer」
が占めています。
AI自動化とは、簡単にいえば、
人間が毎回やっている作業を、AIとツールを組み合わせて自動で進める仕組みを作る仕事
です。
例えば、
問い合わせが来る
↓
AIが内容を分類する
↓
必要な情報を整理する
↓
返信案を作る
↓
担当者へ通知する
といった業務フローが考えられます。
Fiverrでも、2025年11月〜2026年4月の検索データでは「n8n AI automation」の検索が125%増加しました。
つまり「AIを使う」だけではなく、
AIを実際の業務フローに組み込める人
への需要が出てきています。
② AI動画
もうひとつ非常に伸びているのがAI動画です。
Upworkの年間データでは、
AI Video Generation & Editing:+329%
となりました。
しかも、一過性のブームとも言い切れません。
2026年8月には「AI Video Generation」が、前年比・前月比の両方で伸びているスキルのトップになっています。
さらに、
「AI video creator」
「AI video」
「AI video generator」
なども検索数の多いAI関連ワードとして登場しています。
最近はさらに具体化して、
AI UGC
AI video ads
といった検索も伸びています。
UGCは、一般ユーザーが制作・投稿するコンテンツを指します。広告領域では、UGC風の動画クリエイティブも広く使われています。
企業は単純に、
「AIで動画を作れる人」
ではなく、
「AIを使って広告やSNSなどで使える動画まで完成させられる人」
を探し始めていると考えられます。
③ AI実装・開発
技術系では、AIを既存サービスや業務に組み込む仕事が伸びています。
Upworkでは年間ベースで、
AI Integration:+178%
AI Chatbot Development:+71%
でした。
2026年8月の検索データでも、
「AI developer」
「AI engineer」
などの職種が、AI関連検索の上位に入っています。
さらに急成長検索では、
「AI integration」
「AI full-stack developer」
も上位に登場しました。
企業側が、
「とりあえずAIに詳しい人」
ではなく、
「AIを実際のサービスや業務に組み込める人」
を探す段階に入り始めていることが分かります。
Claude Code関連の需要は938%増
もうひとつ、かなり大きな数字があります。
Fiverrが2026年6月に公開したBusiness Trends Indexでは、
Claude Code関連の専門家への検索需要が半年間で938%増加しました。
同じ調査では、
n8n AI automation:+125%
vibe coding:+61%
AI voice agents:+49%
となっています。
938%という数字だけを見ると、
「Claude Codeを覚えれば稼げる」
と思いたくなります。
ただし、ここは注意が必要です。
Fiverrの説明を見ると、企業が求めているのは単純なClaude Codeの操作代行ではありません。
ワークフローを自動化したり、AIエージェントを作ったり、プロダクトを完成させたりする能力です。
つまり、
ツールそのものより「何を完成させられるか」が重要
ということです。
「AIを使うだけ」の仕事には、すでに価格競争も
ここはかなり重要です。
AI関連なら、すべて仕事の価値が上がっているわけではありません。
Upworkが2026年7月に発表したFuture Workforce Indexでは、AI関連の仕事をするフリーランサーは、AIを使わない人より平均時給が34%高いという結果が出ています。
一見するとかなり良い数字です。
ところが、内訳を見ると違います。
生成AIを使った比較的シンプルな制作系の仕事は、契約開始数が前年比90%増えた一方、1契約あたりの報酬は13%低下しました。
つまり、
仕事は増えている。でも単純なAI作業では価格競争も起きている。
ということです。
逆に、専門知識とAIを組み合わせる複雑な仕事では、報酬が45%増加。
AIを組み込んだ専門サービスでも、仕事量が72%増え、報酬が22%増えています。
ここから見えてくるのは、
「AIを使える」だけでは、これから差別化しにくくなる
ということです。
海外データから見えてきた3つの方向
今回のデータを整理すると、2026年に伸びているAI関連の仕事は、大きく3方向に分けられそうです。
1. AIで業務を自動化する
AI automation、AI workflowなど。
2. AIで成果物を作る
AI動画、AI UGC、AI広告など。
3. AIをサービスや業務に組み込む
AI Integration、チャットボット、AIアプリ開発など。
逆に、
「ChatGPTで文章を書きます」
「AIで画像を作ります」
だけでは、今後さらに価格競争に巻き込まれる可能性があります。
重要なのは、
AI × 何か
にすることです。
AI × 動画広告。
AI × 業務自動化。
AI × Web制作。
AI × マーケティング。
AI × 特定業界。
AIというツール自体ではなく、AIを使って何の問題を解決できるのかが重要になってきています。
では、日本で副業として狙うなら?
ここが一番知りたいところだと思います。
ただ、海外で需要が伸びているからといって、その仕事がそのまま日本でも副業になるとは限りません。
必要な技術。
初期費用。
英語力。
営業の必要性。
競合。
日本企業の需要。
このあたりまで考える必要があります。
そこで次回は、海外で伸びているAI関連の副業候補をさらに広く調査します。
そのうえで、
「日本でも現実的に始められそうなもの」
まで絞ります。
何を売るのか。
何のAIを使うのか。
初心者でも可能なのか。
初期費用はいくらか。
どう収益化するのか。
営業は必要なのか。
このあたりまで比較する予定です。
「AI副業をやってみたいけれど、結局何をやればいいのか分からない」
という人が、自分に合う選択肢を見つけられるところまで整理してみます。
参考情報
・Upwork「In-Demand Skills 2026」(2026年2月4日)
・Upwork「Future Workforce Index 2026」(2026年7月14日)
・Upwork「Monthly Hiring Insights: July 2026」(2026年8月17日)
・Upwork「Monthly Hiring Insights: August 2026」(2026年9月15日)
・Fiverr「2026 Business Trends Index」(2026年6月9日)
※本記事は2026年9月16日時点で公開されている情報をもとに作成しています。Upworkの月次データは主に米国のUpwork Marketplace上の契約・検索動向を分析したものであり、世界または日本の求人市場全体を示すものではありません。

