“何もしたくない週末”に、そっと寄り添ってくれる3冊
「ああ、今日は何もしたくない」
そんな日、ありますよね。
家事に育児、仕事に人づきあい。
平日を精一杯駆け抜けて、週末になったらやりたいことが山ほどある。
それなのに、体も心も動かない。動かせない。
「今日は、何もしたくない」
そんな気分になったとき、私は無理をせず、
そっと本を1冊手に取ることにしています。
今回は、自分のペースで、気が向いたときに少しだけページをめくれる、そんなやさしい本たちを、3冊ご紹介したいと思います。
『杏のふむふむ』杏(ちくま文庫)
俳優・杏さんが、日々の出来事を綴ったエッセイ集です。
旅のこと、子どものこと、ちょっとしたハプニングや、小さな気づき。
どのお話も、力が入りすぎていなくて、まるで友だちと話しているみたいな、やわらかい文章です。
タイトルにもある「ふむふむ」という言葉のとおり、
読みながら、思わずうなずいてしまうことがたくさん。
疲れているときや、ちょっと元気が出ないときに読むと、
心がふわっとほどけていくような気がするんです。
『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』森下典子(新潮文庫)
こちらは、茶道を25年間続けてきた著者のエッセイです。
茶道のことをまったく知らなくても大丈夫。
むしろ、何も知らずに読むからこそ、
その世界の静けさや、季節のうつろいに、心を打たれます。
特別なことは何も起きないけれど、
「今日は雨。でも雨の日も、いいものだな」
そんなふうに、日常の風景を少し違った角度から見られるようになる本です。
読むだけで、呼吸がゆっくりと深くなるような気がします。
『向田邦子ベスト・エッセイ』向田邦子(ちくま文庫)
日常の中にある、ささやかなできごとを、
こんなにも豊かに、ユーモラスに描ける人がいるのだと感じさせてくれる1冊です。
食べもののこと、家族のこと、街のこと。
懐かしいような、でもどこか今の暮らしにも通じるような、そんな文章ばかり。
向田邦子さんのことばには、
「こうでなくちゃ」という決めつけがなくて、
どこか自由で、心地よい距離感があるんです。
読んだあと、なんでもない毎日を少し好きになれるような、そんな力をもった本です。
“何もしない時間”を、大切にしてみませんか?
何かをしないと意味がない。
そんなふうに思ってしまうこと、ありませんか?
でも本当は、“何もしない時間”って、とても大事な時間だと思うのです。
何もしないからこそ、心の奥にある小さな声に気づけたり、
見過ごしていた景色に、目を向けられたりする。
今日ご紹介した3冊は、
そんな「何もしない時間」を、やさしく包み込んでくれる本たちです。
あなたの週末にも、やさしい1冊を
この週末、もし「何もしたくないな」と思ったら、
どれか1冊だけでも、そばに置いてみてくださいね。
気が向いたら少しだけ読んで、途中でやめても大丈夫。
読書って、そんなふうに自由であっていいのだと思います。
よろしければ、あなたの週末に読みたい本も教えてください。
喜木 拝
追伸
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