シリコンバレーで言葉に詰まった3日間。Google I/Oで僕が見つけたマインドセット
ぶっちゃけ、英語にはそこそこ自信がありました。
TOEICのリスニングもけっこう点数が取れていたし、留学生と英語で話した経験もあったんです。だから、「自分の技術への熱意さえあれば、現地のエンジニアや世界のアンバサダーとも楽しく語り合えるはず!」と、かなり楽観的に考えていました。
でも、本場シリコンバレーでは、その自信は見事に打ち砕かれることになります。
これは、最新テクノロジーに浮かれてGoogle I/Oというすっごいグローバルイベントに飛び込んだ高専生が、現地のリアルな英語にボコボコにされ、そこからちょっとだけ成長して帰ってくるまでの3日間の記録です。

第1章:意気揚々とサンフランシスコへ(渡航前〜到着)

高専で日々ものづくりやコンピューターについて学んでいる僕にとって、Google I/Oへの参加はまさに夢のような出来事でした。
世界中から開発者や一線級の人物が集まり、今後の僕たちの日常に大きく関わってくる最先端の技術が次々と発表されるお祭り騒ぎ。そこで、開発をリードするGoogleの社員さんに直接お話を伺い、その技術の意図や背景をダイレクトに聞くことができるのです。
初めての海外の空気を感じながら、カリフォルニアの街並みの中で慣れないキャリーケースを転がす僕は、もうワクワクが止まりませんでした。
「テスト用の英語学習じゃなくて、実践的な会話もやってきたし、まあなんとかなるっしょ」。当時は本気でそう考えていたんです。

第2章:「リアルな英語」の洗礼と驚きの1日目

いざ、I/O前日の交流会。意気揚々と輪に混ざろうとした瞬間、僕は厳しい現実に直面しました。
みんな、とにかく喋るのが速すぎる。 それに、第二言語同士の独特ななまりが飛び交い、容赦なく言葉は省略されるし、使う単語はすっげぇ難しい。学校のリスニングテストで流れるような「綺麗な英語」なんて、そこには一切ありませんでした。
相手が何を言っているか分からないのも辛かったですが、一番キツかったのは「自分の意見がパッと英語で出てこず、ひたすらニコニコと愛想笑いして頷くしかなかったこと」です。
さらに僕を驚かせたのが、世界中から集まった他のアンバサダーたちのアクティブさでした。 交流会前のGoogle本社見学の時点から、彼らはガツガツと現地のGoogle社員に質問を投げかけ、交流会が始まる前から色んな国の人を捕まえては積極的に話しかけ、SNSを交換し合っていたのです。(社員さんには一応質問出来た)

「これが海外のコミュニケーション文化か……!」 言葉の壁だけでなく、彼らの圧倒的に前のめりな姿勢を見せつけられ、僕はただただ驚かされていました。
……ちなみに小話ですが、アンバサダーの中にはTED Talksに出たことがある凄腕の大学生や、なぜか3日間ずっとブラジルのサッカーユニフォームを着ている人なんかもいて。本当にいろんなバックグラウンドの人が集まっていて、そういう意味ではめちゃくちゃ面白かったという側面もあります(笑)。
第3章:絶望の底で控える「大一番」と、背中を押した2つの言葉
1日目の圧倒的なアウェー感にすっかり自信を無くしていた僕ですが、落ち込んで休んでいる暇はありませんでした。実は渡航前のアンケートで運良く選ばれ、2日目に「Google DeepMindのCOOと15分間直接対談する」というとんでもない予定が組まれていたのです。
「昨日の交流会で愛想笑いしかできなかったのに、トップ層の人と英語で話すなんて絶対に無理だ……」
プレッシャーで押しつぶされそうになり、うつむいていた僕を見かねてか、日本のGoogle社員さんがこんな言葉をかけてくれました。
「今、この現状を楽しむことが大切だよ。何もできずに後悔して帰るくらいなら、思い切って楽しんじゃった方が絶対に自分のためになるから」
さらに、現地のGooglerからもすごくフラットなアドバイスをもらいました。
「完璧じゃなくていいし、伝えようとする姿勢が大事なんだ。本当に伝わらない時は、Google翻訳やGemini Liveを使えばいいじゃん」
ハッとしました。ここはAIの祭典です。みんな流暢な英語を聞きに来ているんじゃなくて、「面白い技術やアイデア」を探しに来ている。
「完璧な英語じゃなきゃいけない」という謎のプライドを捨てて、ツールに頼ってでも泥臭く伝えようとする。そして何より、この非日常の状況を「楽しむ」。そう気づいてからは、スッと肩の力が抜けました。「よし、とにかく持っている熱量だけはぶつけてこよう」と腹を括ったのです。(インタビュー中手の震え止まりませんはでしたが…笑)

そして迎えた本番。せっかくなので、高専生として「Googleが重視するものづくりのマインドって何ですか?」と直球で質問してみました。すると、COOはすごく真剣にこんな答えを返してくれました。
「今あなたがシリコンバレーにいるように、ここは『ものを作るのが好き』という火種を持った人たちが集まる場所です。だから、あなたにもその起業家精神があるのかもしれませんね。
Googleのような大企業も、もとは単なる好奇心や創造力を持つ人たちから始まりました。だから僕からのアドバイスは、あなたの『好奇心』と『ものづくりへの愛』をずっと大切に育ててほしいということです。それが未来を切り開く重要なスキルになりますよ。」
言葉の壁なんて関係なく、純粋に「ものづくりが好き」という熱量をリスペクトしてもらえた気がして、胸が熱くなりました。失敗を恐れずにマインドを切り替え、この瞬間を「楽しむ」方に思い切って振り切って、本当に良かったと思えた瞬間でした。
第4章:泥臭くてもいい。「伝える」ことに振り切った最終日

2つのアドバイスとCOOとの対談を経て迎えた、滞在3日目。I/O最終日です。 初日のような「愛想笑いでやり過ごす自分」は、もうどこかに置いてきました。
……とかっこよく言いたいところですが、いきなり鋼のメンタルになれるわけもなく(笑)。 いざ自分から話しかけようとする瞬間は、「やっぱり通じなかったらどうしよう」「変な空気になったらどうしよう」と、ちょこっと臆してしまう自分も正直まだいました。
でも、初日と決定的に違っていたのは、そこで立ち止まらず、「相手に伝えるという泥臭さ」を忘れずに一歩踏み出せたことです。
ぶっちゃけ、いきなり英語がペラペラになる魔法なんてあるわけもなく、相変わらず言葉に詰まったり、うまく話せなかったりした場面はたくさんありました。 それでも、単語が出てこなければ身振り手振りを交え、ダメならGoogle社員さんに言われた通り、思い切ってスマホを出して翻訳アプリやGeminiに頼る。「僕はこれが言いたいんだ!」「この技術のここが面白いよね!」というパッションだけは、絶対に引っ込めないようにしました。
すると不思議なもので、こっちがビビりながらも泥臭く必死に伝えようとすると、相手もめちゃくちゃ歩み寄って聞いてくれるんですよね。初日に圧倒されていた他のアンバサダーたちとも、なんとかコミュニケーションを取れるようになっていました。
「綺麗な英語じゃなくても、臆せずに伝えようとする熱意があれば、ちゃんと繋がれる」 それを身をもって体験できた、最高の最終日になりました。
結び:テストのための英語から、世界と繋がるための英語へ

日本に帰国した今、僕の英語学習のモチベーションは変わりました。
TOEICでいい点を取るためでも、テストで正解するためでもありません。「世界中の人々と、大好きなことを通じて繋がるため」の英語です。また海外に行く機会があれば、もっとお話しできるようになりたい。そう本気で思えるようになりました。
Google I/Oというシリコンバレーの中心で僕が学んだのは、最新のAI技術だけではありませんでした。 それは、「完璧な英語を話さないといけない固定概念を捨てて、泥臭くても伝えることを諦めないマインド」です。
言葉の壁は確かに高かったです。でも、僕らが作ったり学んだりしている「テクノロジー」が、その壁を越える手助けをしてくれます。翻訳アプリやGeminiを使えば、とりあえず意味は通じるんです。
だけど、DeepMindのCOOが言ってくれた「ものづくりへの愛」や「好奇心」という心の火種だけは、どれだけ技術が進歩してもAIには代わりができません。それさえ持っていれば、言葉が拙くても、少しビビってしまっても、必ず世界と繋がることができます。
もし今、言葉や文化の壁が不安で、海外や新しい環境に飛び込むのをためらっている人がいたら、僕からこう伝えたいです。
「完璧じゃなきゃ恥ずかしい」なんてプライドは捨てて、とりあえず自分の「好き」や「熱量」を武器に飛び込んでみましょう。言葉に詰まってテンパっても大丈夫。いざとなれば、僕らが大好きなテクノロジーが助けてくれます!
これからも僕は、高専で培った好奇心と「ものづくりへの愛」を胸に、ちょっとのビビりを抱えながらも(笑)、どんどん外の世界に突撃していこうと思います!
最後に空港で食べた美味しかったハンバーガーを添えて記事の〆とさせてもらいます!読んでいただきありがとうございました!

