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【せりふ三題噺】気合い入れてこ!|ゼラニウム.団子.耳|ショートショート


タイトル:ディスプレイの向こうの花祭り


昔々、世界樹のふもとには「映しの都」と呼ばれる国があった。

この国の店先には、魔法のディスプレイが並び、人々の夢や願いが映し出されていた。

ある日、見習い魔法使いのミオは、花の妖精から一つの使命を授かる。

「今年の花祭りを成功させるには、ゼラニウムの精霊を目覚めさせなければなりません。」

しかし、精霊は深い眠りについていた。

目覚めさせる方法はただ一つ。

月見団子を供え、精霊の元で勇気の言葉をささやくこと。

ミオは深呼吸すると、仲間たちへ笑顔を向けた。

気合い入れてこ!

その一言で、みんなの表情が明るくなる。

団子を供えると、甘い香りが風に乗った。

ミオはそっと精霊の耳に近づき、小さな願いを届ける。

すると、ゼラニウムが一斉に咲き誇り、赤や桃色の花びらが空へ舞い上がった。

店先のディスプレイにも、その光景が映し出される。

画面の中だけだった花々は境界を越え、都中へあふれ出した。

人々は空を見上げ、歓声を上げる。

「夢は眺めるだけじゃない。」

そう語りかけるように、ゼラニウムの花びらは優しく街を包み込んだ。

その日以来、映しの都では新しいことに挑戦するとき、誰もが笑顔でこう言うようになった。

「気合い入れてこ!」

その言葉は、魔法よりも強く、人の心を動かすおまじないになった。


ゼラニウム


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