ライブハウスは「アーティスト視点」がまだ主流。でも、お客様視点の箱も増えてきている
ライブハウスを訪れると、よく思うことがあります。
この音響、このレイアウト、この空間の空気感は、やはり「演奏する側」が一番心地よく感じるように設計されているのだろうな、と。
実際に、多くのライブハウスは元ミュージシャンや長年業界に携わってきた方が運営しており、 ・バンドが機材をスムーズに入れられる ・音響がミュージシャンの表現を最大限活かせるチューニング ・楽屋やバックステージへの配慮 など、「アーティスト視点」が非常に強い設計が主流です。
それは音楽のクオリティを高める上で大切な要素ですが、お客様として何度も通う立場からすると、「もう少し快適だったら…」と感じる点も出てきます。
ただ、近年は変化の兆しが見えています。
特に東京では、Spotify O-Crest、WWW、WWW Xといった会場が、ロッカー数の充実、後方からの視界を考慮した段差設計、ラウンジ空間の整備など、お客様が何度も足を運びたくなる体験設計を積極的に取り入れています。
運営会社が設計段階からお客様視点を意識している成果だと思います。
名古屋ではKENTOSがバランスの良い好例
地元・名古屋でも、そうした動きを感じられる会場があります。
それがKENTOS(ケントス)です。
40年近く栄で親しまれてきた老舗ライブ&ダイナーは、2023年12月のリニューアルで音響・照明・空間全体を大幅に刷新しました。
音響設計のポイント - コンセプト
「アナログレコードのように自然で温かみのある音」
着席150席のダイニング空間に最適化された、テーブル席どこからでも均一に聞こえる快適な音場 - 食事や会話をしながらでも楽しめる、適度な音量バランス(大音量迫力型ではなくリスニング重視)
照明とプロジェクションマッピングの連動による五感全体の没入体験
ハウス機材、Roland JC-120/160(ギター)、Markbass+Ampeg(ベース)、Roland RD-2000(ピアノ)、常設ドラムなど アーティストが演奏しやすい環境を保ちつつ、お客様が長時間心地よく過ごせるバランスを追求した改装だと思います。
ブルーノート的な上質さと、地元密着の親しみやすさが共存している稀有な空間です。
個人的な意見
若者の中には「やっぱりライブハウスの方が生の空気感がいい」という人も少なくありません。
確かにその通りで、箱ならではの熱量や一体感は代えがたいものです。
ただ、その熱量をより多くの人が快適に感じられる環境にアップデートできれば、ライブハウス文化はもっと裾野が広がるのではないかと思っています。
そんなKENTOSで、近々協力・協賛という形でライブをさせていただくことになりました。
主催ではなく協力という立場ですが、この「お客様視点」も取り入れた自然で温かみのある空間で演奏をとても楽しみにしています。
来てくださる皆さんにも、心地よい時間をお届けできれば幸いです。
ア-テイストより発表があり次第、またこちらでもお知らせします。
ライブハウスがこれからも、アーティスト視点とお客視点の両方を大切にした空間として進化していくことを願っています。
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