猫になれる色、あります。
《猫になれる色》
これを塗れば、あなたも今日から猫に。
会社帰りに立ち寄ったドラッグストア。メイクコーナーを素通りしようとして、猫を型どった可愛いパッケージの中に、うちの猫と同じ柄を見つけて思わず手に取る。私はそのままレジに向かった。
「モカ、ただいまー」
ドアを開けると、モカは茶色い毛並みに黒模様が混じった滑らかな毛を私の足にすりすりさせる。
モカにご飯をあげて自分の夕飯も済ませると、化粧を落とし先程の口紅を付けてみることにした。
暗闇でも艶やかなピンク。
猫になる、ってこういうことかな?
ふとモカと目が合い、モカは「ミャアァ」と何か話しかけてくる。とたん、急に眠気が襲ってたまらず横になった。
目を開けると、立ったはずなのに視線がやたらと低い。椅子に座ろうとしたら、体が勝手にジャンプして見事座面に着地した。
手を見ると、ふさふさの毛で覆われたピンクの肉球がそこにある。
えっ..?
窓ガラスに寄って体を映すと、そこにはモカそっくりな猫がこちらを見ていた。
私、モカになってる…?
振り返ればいつもの寝床にモカはいない。
私は空いていた窓から外に滑り出た。
暗い夜道も猫なら、と言いたいところだが意外と遠くまでは見渡せないようだ。そして肉球が道路に当たって痛い。と思って他所の庭を通ると、垣根の葉っぱに毛が絡んで歩きにくい。しまいにはどこかの知らない猫に「フゥゥー‼︎」と威嚇され、私は闇雲に走った。
走って、走って。
その速さに浮かれて肉球の痛さを忘れた頃。
ここは、どこ??
道路には出たものの、いくら歩いても猫の足では辿り着ける気がしなかった。
チリン、チリン…
モカの鈴によく似ている。
音の方へ走っていくとようやく我が家を見つけ、さっきの窓から急いで中へ飛び込んだ。
…
翌朝、ご主人が起きると、『私』はいつもの寝床から起き上がって擦り寄る。
撫でてもらったら、一緒にキッチンに行き朝ご飯をもらう。これが私の朝の習慣だ。
「モカは今日も可愛いわね」
ご主人はそういって優しく撫でてくれる。テーブルの下に落ちていたピンクの何かを拾って引き出しに仕舞うと、慌ただしく支度をして玄関に向かっていった。
モカは窓辺のいつもの場所に陣取ると、日差しの中で体を丸くした。
そういえば、昨日何か大変な夢を見たような気がする…
が、モカはいくら考えても思い出すことはできず、欠伸をすると目を閉じて眠りについた。首についている鈴がチリン、とかすかな音を立てた。
ーーー

ご主人に入れ替わったモカのビジュアルをまくらさんより頂きました🐈💗ハヤッ🫢モカちゃん可愛い(´∀`*)フフ 髪が一房だけ茶色なのがポイント✨
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なのでこれ以上はいじらない..
よろしくお願いいたします┏○)) ペコリ
