【マイクロ法人設立 ロジック編】 #1-3_投資収益だけでは法人化が怖い理由
【マイクロ法人設立 ロジック編】#1-3_投資収益だけでは法人化が怖い理由
「実業がないと無理」だと思っていた私が、調べてたどり着いた答え
製薬会社の会社員です。50歳で、MBAを持っています。 今、早期退職後の人生を設計しながら、会社員を続けたまま 投資信託中心の資産管理会社を作る準備をしています。
これはその記録です。
※ 本記事は2026年8月に大幅に更新しました。 当初は「法人化には実業が必要」という結論で書いていましたが、 調べを進めるうちに前提が変わりました。 その経緯も含めて、正直に書き直しています。
【シリーズの位置づけについて】
このシリーズ(マイクロ法人設立 ロジック編)では、主に論理と制度の話を書いています。
「なぜ法人化が必要なのか」「どういう仕組みが使えるのか」といった理屈の部分です。
実際に自分でやってみた記録、つまり法人設立・登記・社会保険加入・税務申告の実践については、別シリーズ「マイクロ法人設立 実践編」で順次公開していきます。
論理を先に理解しておくことで、実践編の内容がより活きてきます。両方合わせて読んでいただければ幸いです。
「法人化って、自分には縁のない話だ」
そう思っている会社員の方は多いと思います。
難しそう。手続きが大変そう。そもそも何から始めればいいかわからない。
会社員一筋でやってきた人間にとって、 法人設立は極めて高いハードルに見えます。
私もそうでした。
そして私が最初にぶつかった壁は、 「会社には顧客が必要だ」という思い込みでした。
■ 「会社=顧客がいるもの」という思い込み
私は個人で20年以上、投資信託の運用を続けてきました。
この運用を「会社」としてできないか、と考えたのが 法人化を検討し始めたきっかけです。
でも調べ始めてすぐ、ひとつの壁にぶつかりました。
「会社」というものには、顧客が必要なのではないか。
例えば、資産管理会社といっても不動産賃貸業なら、 入居者という顧客がいます。家賃という対価のやり取りがあり、 事業として説明しやすい。
しかし、有価証券の保有・運用だけの会社には、 そもそも顧客が存在しません。誰かに何かを売るわけではなく、 自分の資産を自分で運用するだけだからです。
だから私は、こう考えていました。
「顧客がいない会社は、事業として認められないのではないか。 だから、何かしら顧客を持つ実業を、別に用意しないといけない」と。
■ 新設法人の銀行口座審査は本当に厳しい
この思い込みには、根拠となる事実もありました。
法人の設立手続き自体は、難しくありません。 問題はその後です。実績のない新設法人は、 銀行口座の開設審査が厳しいのです。
2020年前後から犯罪収益移転防止法の強化により、 銀行は新設法人への審査を大幅に厳格化しました。
事業実態の証明書類・ホームページ・ 取引先情報などを求められ、 口座開設を断られるケースも増えています。
金融投資で資産管理会社を作ろうにも、 設立したは良いが法人口座が作れなくては、 法人名義での投資ができない。
だから私は、こう考えていました。
「顧客のいる実業を持たないと、 銀行にも事業実態として認めてもらえないのだ」と。
■ 思い込みが解けた瞬間:「顧客ゼロの会社」は普通に、合法的に存在する
ところが、資産管理会社について本格的に調べていくと、 この前提そのものが違っていたことに気づきました。
こういうことでした。
法律上、会社に「顧客」は設立の必須条件ではありません。 どんな目的の会社も、原則として自由に作れます。
では何が本当の壁だったのか。
問題は「顧客の有無」ではなく、 **「何をやっている会社か、目的が明確かどうか」**でした。
「何となく実業っぽいことをやっている」 中途半端な法人ほど、 銀行にも税務署にも「結局、何の会社なのか」が伝わりづらく、 かえって警戒されます。
一方で、「資産管理会社(プライベートカンパニー)」として 目的をはっきり名乗ってしまえば話は別です。
これは、富裕層や経営者が資産の器として 古くから使ってきた、社会的に確立されたカテゴリーです。 不動産賃貸業なら入居者という顧客が発生しますが、 資産管理会社は「自分自身の資産を保有・運用するためだけの会社」 として、顧客を持たないことがむしろ普通の形なのです。
つまり私が壁だと思っていたのは、 「顧客がいないこと」そのものではなく、 「顧客もいないのに、会社の目的も曖昧」という状態でした。 目的を資産管理会社として明確に定義すれば、 顧客がいなくても、目的の明確な会社として成立する。
これが、思い込みが解けた核心部分です。
ただし、条件があります。
顧客を持たない資産管理会社にするには、 定款の事業目的をシンプルに(単一目的に近い形で) 定める必要がある、ということです。
複数の雑多な事業目的を並べるのではなく、 「有価証券の保有及び運用」のように目的を絞り込むことで、 「何のための会社か」が一目で説明できる状態にする。 これが、顧客なしでも成立する資産管理会社の作り方でした。
そして銀行が新設法人の審査で見ているのも、 実は「顧客がいるかどうか」ではありませんでした。
出資金の出所を説明できるか(どうやって作った資産なのか)
事業目的が明確でシンプルか(何のための会社なのか)
代表者の資産背景(実際に運用する資産があるのか)
つまり、20年かけて積み上げてきた投資資産と、 その来歴をきちんと説明できることこそが、 資産管理会社にとっての「信用」だったのです。
顧客を持つ実業で信用を作るのではなく、 資産の来歴と、シンプルな事業目的で信用を作る。
これが、資産管理会社という形の本質でした。
■ それでも審査対策は必要です
「実業がなくても作れる」と分かっても、 無策で通るわけではありません。
調べた範囲で、通過率を上げる要素を挙げます。
資本金を薄くしすぎない(目安として100万円以上)
定款の事業目的を明確・シンプルにする
会社の概要が分かる資料(Webサイト等)を用意する
メガバンク1行に絞らず、ネット銀行・信用金庫を含めて複数並行で申し込む
実際にネット系金融機関で「投資信託の運用のみ」を理由に 法人口座を断られた例もあるようです。楽観はできません。
だからこそ、この部分は実践編で 「実際にどうだったか」を記録していくつもりです。
■ では、実業には意味がないのか?
ここまで読むと、 「じゃあ実業なんて考えなくていいのか」 と思われるかもしれません。
私はそうは思いません。
法人の「要件」としては不要でした。 でも、小さな実業には別の価値があります。
収入の複線化(会社給与・投資に次ぐ第3の柱)
社会とのつながり(退職後の居場所)
自分の経験を誰かに届ける実感
私にとってのそれが、このnoteでの発信と、 GAS×LINEで作った投信データの自動配信サービスです。
これらは法人に入れず、 将来の個人事業化を視野に、小さく育てていくつもりです。
法人(資産管理会社)と、個人の活動を分ける。 資産の器はシンプルに保ち、 発信活動は身軽なまま育てる。
これが、調べた末にたどり着いた私の設計です。
■ 「小さく始める」選択肢は、今も有効です
当初の記事で紹介した「リスク少なく始められる実業」は、 法人の要件としてではなく、 将来の個人事業の種として、今も有効な選択肢だと思っています。
① 不要品販売から始めるせどり
ヤフオクやメルカリでの不要品販売。 初期投資ゼロ、在庫リスクなし。 慣れてきたら仕入れて転売するせどりに発展させられます。
② 割安物件での賃貸・民泊経営
空室が続いている・築年数が古い・立地が不便とされる物件は、 通常より安く取得できることがあります。 一見「こんな場所に誰が来るのか」という田舎の物件でも、 レンタカーで旅をする外国人旅行者の需要が 眠っているケースがあります。
(※民泊経営には住宅宿泊事業法に基づく届出が必要です。 自治体ごとの営業日数制限、マンションの場合は管理規約の確認が必須です。 専門家への相談を推奨します。)
③ noteへの投稿
これが一番身近だと思います。
そして私は、自分の人生・考え方・体験を書き続けることには、 収益以上の価値があると思っています。
皆さんは、おじいさん・おばあさんが 何をやってきた人なのか、 先祖がどんな考えを持った方なのか 承継されていますか?
noteで記事にしていくことは 子供や孫への「伝記」にもなる。
50年生きてきた人間の知恵を文章として残すことは、 お金では測れない財産です。
私がnoteを書き始めたのも、この想いがあるからです。
■ まとめ:「投資 × 資産管理会社 × 個人の小さな活動」
当初の私の結論は「実業がないと法人化は怖い」でした。
調べた今の結論は、こうです。
資産管理会社に、実業は必須ではない
銀行が見るのは「資産の来歴」と「目的の明確さ」
ただし口座開設の審査対策は必要(資本金・複数行申込)
実業には別の価値がある。だから将来の個人事業化を視野に、法人とは分けて育てる
会社員を続けながら、 資産の器(資産管理会社)と、 個人の活動(note・データ配信サービス)の2本立てで 人生の後半を設計していく。
この過程を、失敗や障壁も含めて、 このnoteで正直に書いていきます。
■ 【マイクロ法人設立 ロジック編】シリーズ一覧
このシリーズでは、会社員のうちにやっておくべき準備を順番に書いていきます。
✅ #1 45歳で経営大学院へ行こうと思った本当の理由
💡 会社員の後、辞めてからでは遅い
✅ #2 会社員のうちにしか、できない準備がある。
💡 個人の活動と法人、2本立ての準備
✅ #3 投資収益だけでは法人化が怖い理由
💡 実業がなくても資産管理会社は作れる → 本記事
✅ #4 マイクロ法人は「売上800万円から」じゃない。社会保険料という、もう一つの答え(有料・300円)
💡 東京23区・50歳・4人家族の実試算+シミュレーターで自分の数字を確認
✅ #5 早期退職後に「社長」になる選択肢(有料・300円)
💡 法人設立のメリット・デメリットを正直に語る
✅ #6 小さな実業のアイデアの見つけ方(有料・300円)
💡 個人の活動のアイデアをフレームワークで設計する
✅ #7 退職後に「社長」になると、何が変わるのか(有料・300円)
💡 マイクロ法人の5つのメリット+在職中設立が得な理由
✅ #8 会社員のままで「社長」になる(有料・1,000円)
💡 在職中にマイクロ法人を作った方が得になる、意外な条件
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【マイクロ法人設立 ロジック編】資産管理会社設立の設計図
50歳・製薬会社勤務・MBA取得・投資歴20年以上の会社員が、資産管理会社(マイクロ法人)を設立するまでの思考過程を、論理と数字でまとめた…
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