エア・バトル・コロシアム──世界の争いを“仮想”に封じた闘技場
争いを“仮想”へ封じ込め、文明を戦争から守るために生まれた巨大闘技場。
この世界の生き物は、種族を問わず
“競い合う本能”を持っている。
力を比べ、知恵を比べ、誇りを賭けて争う。
それは文明が発展しても変わらない
“性(サガ)”だった。
だが、争いが続けば、
いずれ本物の戦争になる。
小さな衝突が雪だるま式に膨らみ、
世界全体が存続の危機に陥ることは
誰もが理解していた。
そこで生まれたのが──
《エア・バトル・コロシアム》 である。
IT技術と複合現実(MR)を融合させ、
“本物の戦い”を“仮想の闘技場”に
置き換えることで、
争いをコントロールする仕組みが作られた。
主要各国には巨大なコロシアムが建設され、
そこでは毎日のように
エア・バトルが行われている。
だが、この闘いには一つの特徴がある。
勝敗は、観客(オーディエンス)の声援が
大きく影響する。
技術だけでも、力だけでも勝てない。
“どれだけ人の心を動かせるか”が
勝負を左右するのだ。
戦闘力は EBP(エア・バトル・ポイント)
として数値化される。
力・素早さ・体力・知力。
これらの総合値で評価され、
選手の実力が一目で分かる
仕組みになっている。
この世界には“3ピース文化”が
根付いているため、
エア・バトルでも最も人気なのは
3対3のチーム戦。
国同士のバトルともなれば、
勝利国には莫大な報酬が与えられる。
金だけではない。
土地、権利、資源──
国家の未来を左右する戦利品が手に入る。
さらに、闘技の種類は
戦闘だけにとどまらない。
料理
音楽
果物の種飛ばし
当事者同士が合意すれば、
どんなジャンルでも“バトル”として成立する。
ただし、ひとつだけ絶対のルールがある。
「オーディエンスが飽きないこと」
この世界の争いは、
戦場ではなく、コロシアムで決着する。
それが、文明を守るための
“新しい戦い方”なのだ。
<用語解説>
・エア・バトル・コロシアム
ITと複合現実(MR)を融合し、
本物の戦いを仮想空間へ置き換える
世界規模の闘技場。
争いの本能を安全に発散させ、
戦争の芽を摘むための文明的防衛装置。
・EBP(エア・バトル・ポイント)
力・素早さ・体力・知力を総合評価する
戦闘力指標。
観客の声援が勝敗に強く影響し、
“人の心を動かす力”が
実力の一部として扱われる
独自文化を形成している。
──読んでくださった方へ──
インスタでは国やテーマごとにBGMを設定しています。その音楽を聴きながら物語に触れていただけたらとてもうれしいです。
