Photo by
qutakuta
信じられない速さで、時は過ぎ去ってゆく
ローズまりー。と申します。
子供の頃に、父に自転車に乗る練習をしてもらった記憶がある。
補助輪のついた、真っ赤な自転車。
住んでいた家の前の道で、
後ろを支えてもらって漕ぐ練習をした。
何日かすると、片方補助輪を外し
もう何日かすると、もう片方の補助輪がなくても
漕げるようになった。
父に後ろをしっかり支えてもらって
1m、2m前に進む。
ある時、なんか
ふっと軽く漕げるようになったと思ったら
父の手は後ろの荷台から離れていた。
バランスを崩さないように風を感じながら
一瞬振り返ると、
父の姿が小さくなっていた。
あの、自分で、一人で漕げたんだ!って
いう感覚が嬉しかったからなのか
あまり家にいなくて休みなく働く忙しい父が
自転車の練習を手伝ってくれたことが
嬉しかったのか
わからないけれど、
あの時の赤い自転車と
自分で前に進めた感覚と
ほほえむ小さな父が今でも
忘れられない。
きっと、その時の
お父さんに愛情を感じたからだと思う。
人の気持ちは変わってしまうし、
色んなことを忘れたくないのに
忘れていってしまう。
それは少しばかり悲しいことだけど、
あの青空の下で
自転車に乗れるように支えてくれたこと
もう大丈夫だと思ったら
その手を離してほほえんで
「できたやない」って言ってくれたこと
あの瞬間を忘れたくないなぁ。
なんでだろう。
最近のことよりも
そういう昔のほんの小さなきらめきの記憶の方が
映画のワンシーンみたいに
ふとした瞬間に蘇ることが多い気がするなぁ。
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