外注をお願いするときに、必ず先に決めていること
副業で一人では回らなくなったとき、外注でフリーランスの方に仕事をお願いすることがあります。以前、そうしてお願いした仕事が、納期ぎりぎりのタイミングで連絡が取れなくなり、結局自分で徹夜して終わらせなければならなかったことがありました。
誰が悪いという話ではなく、フリーランス同士の外注では、こういうことが起こり得るという前提を持っていなかった自分の甘さだったと思っています。この経験以来、外注をお願いするときには、必ず先に決めていることがいくつかあります。今日はその内容を書いておきます。
本業のインハウスデザイナーとしての仕事では、社内の仕組みの中で進行管理をすることに慣れていました。ところが副業で一人ひとりのフリーランスの方に直接お願いする場面では、進捗の管理も、何かあったときの備えも、すべて自分で用意する必要があります。この違いに気づくまで、少し時間がかかりました。
「信頼して任せる」と「備える」は両立できる
外注をお願いするとき、相手を信頼して任せることと、万が一のリスクに備えておくことは、矛盾しないと今は思っています。当時の自分は、「信頼しているから細かく確認しなくていい」という考え方に近く、進捗の確認をほとんど相手任せにしていました。
信頼と丸投げは別のものです。相手の仕事の進め方を信頼していても、進捗を確認する仕組みそのものは、自分の側で用意しておく必要があります。この線引きに気づけたのが、あの経験からの一番大きな学びでした。
当時は、「お願いした以上、あれこれ口を出すのは相手に失礼なのではないか」という遠慮もありました。ただ、今振り返ると、それは相手への配慮というより、確認する仕組みを作る手間を避けていただけだったようにも思います。適切なタイミングで状況を確認することは、相手を疑うことではなく、お互いが安心して仕事を進めるための土台だと、今は考えています。
進捗確認のタイミングを、最初に決めておく
今は、外注をお願いする段階で、進捗を確認するタイミングをあらかじめ決めるようにしています。「納期の前日に完成品を送ってもらう」という一回きりの約束ではなく、「作業の折り返し地点で一度、途中経過を見せてもらう」というように、間に一段階はさむことを意識しています。
途中経過を確認する段階を作っておくと、もし進み方に問題があっても、そこで気づくことができます。逆に、最後の一回だけで判断しようとすると、問題が起きたときにはもう手の打ちようがない、という状況になりかねません。小さな確認ポイントを間にはさむだけで、リスクの見え方はまったく変わります。

「連絡が取れなくなる」を前提にスケジュールを組む
もう一つ意識しているのは、外注分も含めて、自分の側で巻き取れる余白をスケジュールに残しておくことです。納期の直前まで自分の作業を詰め込んでしまうと、いざ外注分に何か起きたときに、対応する時間がまったく残っていません。
今は、外注をお願いする作業がある場合、その分の「もしものときに自分で巻き取る時間」をあらかじめスケジュールに組み込むようにしています。何も起きなければ、その時間はそのまま浮いた時間になりますし、何か起きたときには、その余白がそのまま救いになります。どちらに転んでも困らない組み方を意識するようになったのは、あの経験があったからです。
当時は、外注をお願いした分だけ、自分の作業時間が浮くという考え方をしていました。実際には、外注をお願いしても、その進行を確認したり、上がってきたものをチェックしたりする時間は必要ですし、何かあったときに巻き取る余白まで考えると、思っていたほど時間に余裕は生まれません。外注は「自分の時間をゼロにする手段」ではなく、「自分の時間の使い方を変える手段」だと捉え直すようになりました。
誰にお願いするかも、同じくらい大事にしている
進捗確認やスケジュールの組み方と同じくらい、誰に仕事をお願いするかという部分も大事にするようになりました。実際に一緒に仕事をしてみて、報告や連絡の仕方に安心感がある相手かどうかを、その後も継続してお願いするかどうかの基準にしています。
スキルの高さも大事な要素ですが、副業のように限られた時間の中でやり取りする関係では、「困ったときにきちんと知らせてくれるかどうか」が、それ以上に大事な基準になると感じています。連絡が取れなくなるという経験をしてから、この基準を強く意識するようになりました。一度うまくいった相手とは、その後も繰り返しお願いすることが増え、結果的にお互いのやり取りの仕方にも慣れが生まれ、進行がスムーズになっていきました。
この考え方は、外注に限らず自分の仕事にも活きている
振り返ってみると、この考え方は外注に限った話ではなく、自分一人で進める仕事の進行管理にもそのまま役立っています。展示会の準備や、複数の制作物を同時に進めるときも、一つの工程がずれ込んだ場合にどこまで巻き取れるかを、最初から見込んでスケジュールを組むようになりました。
以前は、すべての工程がうまく進むことを前提にスケジュールを組んでいましたが、今は「どこかで必ず何かがずれる」ことを前提に組むようにしています。この方が、実際に何かが起きたときの落ち着き方がまったく違います。慌てて対応するのと、あらかじめ想定した範囲内で対応するのとでは、仕事の質にも表れてくると感じています。
特に、印刷物のように後戻りできない工程が関わる仕事では、この余白の考え方が一段と重要になります。入稿の直前になって外注分に問題が見つかっても、余白がなければそのまま突き進むしかありません。逆に余白を見込んでおけば、多少の遅れやトラブルがあっても、落ち着いて代替の手段を考えられます。この「落ち着いて考えられる状態を保つ」ということ自体が、進行管理の一番の目的なのだと、今は捉えています。
信頼して任せることは、これからも変えない
こう書くと、外注に慎重になりすぎているように見えるかもしれませんが、人に仕事をお願いすること自体をやめようとは思っていません。一人でできることには限りがありますし、信頼して任せられる相手がいることは、副業を続けるうえでとても助かっています。
大事なのは、信頼して任せることと、万が一に備えておくことを、両方同時に持っておくことだと思っています。この二つは対立するものではなく、両方があって初めて、安心して人に仕事をお願いできるのだと感じています。
副業に限らず、本業でも社内外の人に仕事をお願いする場面は日常的にあります。相手が社員であっても、外部の方であっても、「信頼して任せる」と「進捗を確認する仕組みを持っておく」という二つの姿勢は変わりません。むしろ、副業でこの失敗を経験したことで、本業での進行管理に対する意識も、以前よりずっと丁寧になったと感じています。
もしこれから外注をお願いする機会がある人がいたら、進捗確認のタイミングを先に決めておくことと、自分の側に少し余白を残しておくこと、そして誰にお願いするかを見極めることの三つを、覚えておいてもらえたらと思います。特別な管理ツールや難しい仕組みがなくても、この三つを意識するだけで、いざというときの慌て方がずいぶん変わるはずです。
