【官能ポエム】 官能で余白のあるポエム集。
今回は、志向を変え「官能ポエム」をお届けします。
触れる直前の空気感や、切り取られた一場面、理性がほどける一瞬の揺れを、映像の断片のようにすくい取りました。
1編は短く、けれど読み終えたあと、少しだけ身体の奥に余韻が残るような1〜10までの作品です。
一つでも気に入ってもらえるものがあれば幸いです。
①|触れる前の熱
指が触れる、その一秒前
もう身体はあなたを知っている
息が重なり、名前を呼ぶと
私は静かに崩れていく
②|キスの後遺症
キスは終わったはずなのに
唇がまだあなたを探している
キスだけなのに
一番、乱された夜
③|声を出してはならない
声を出さない約束が
こんなにも苦しいなんて
唇を噛むたび
心だけが先に溺れていく
ねえ
声は出さないから
ちゃんと、私を壊して
④|温度差
あなたの体温が
私より少し低い理由を
今なら説明できる
冷たい指で触れられるたび
熱を持つのは
いつも私だけだから
⑤|夜の私
名前を呼ばれるたび
私は少しずつ
昼の私を脱いでいく
朝になったら
また他人のふりをするから
今夜だけは
名前で読んで
⑥|女に戻る
あなたの手で
私は少しずつ
女に戻されていく
今夜だけは
理性を脱がせて
優しくしないで
激しく、やらしく
私を女に戻して
⑦|熱視線
一点に注がれる
あなたの視線
私の秘密の花園
熱く注がれる
こぼれ落ちる一雫
⑧|蜜の香り
あなたの指で
私の花弁が開く
あなたは
甘い蜜の香りに
引き寄せられる
やわらかく
鼻先をくすぐる
私の香り
⑨|理性の置き場所
朝の挨拶
その目で見られるたび
理性の置き場所が
わからなくなる
触れない距離が
いちばん卑怯で
いちばん、濡れる
今のうちに
私を奪って
返すのは
日が落ちる前でいいから
⑩|囚われの私
動けない
見えない
喋れない
機械仕掛けの呼吸
熱を伴わない刺激
心を持たない律動
軋む音、締め付ける縄
そして、あなたの熱が
注がれる
