19年前に書いた詩を読み返す——『憂月』と、孤独を包み込む優しさ
月を見上げるとき、その時々の自分の心が静かに映し出されることがあります。
19年前の古いノートを開いたとき、ふと目に留まったのは「憂月」という小さな詩でした。
『憂月』
何をそんなに
哀しむの
何をそんなに
嘆くのか
微かに灯りを放つ月
今にも泣き出しそうな
危うげな光
何故か僕には心地よい
憂い月よ
19年という歳月が変えた「月」の景色
この詩を書いた19年前の私は、言葉にできない孤独や割り切れない哀しみを抱えていたのかもしれません。
眩しいほどの満月や太陽の光ではなく、消え入りそうな微かな光だからこそ、当時の傷ついた心に静かに寄り添ってくれたのだと思います。
けれど、19年の時を経て、さまざまな出来事を乗り越えてきた今の私がこの詩を読み返すと、当時の感覚とはまた違う「心の深み」を感じるのです。
1. 「問いかけ」は自分自身への優しさ
「何をそんなに哀しむの」「何をそんなに嘆くのか」。
月に問いかけているようでいて、実は自分自身の心に優しく耳を傾けていた瞬間だったのかもしれません。理由のわからない悲しみに無理に答えを出さず、ただその感情の存在を認めてあげる時間。
2. 「危うげな光」の愛おしさ
完璧で力強い光だけが人を救うわけではありません。
「今にも泣き出しそうな危うげな光」に心地よさを感じていたのは、不完全で傷つきやすい自分の等身大の姿を、月の中に重ね合わせていたから。揺らぐ光だからこそ、与えられる安心感がありました。
3. 「憂い」を肯定する強さ
ネガティブに捉えられがちな「憂い」や「哀しみ」。
しかし、19年前の自分はそれを否定せず、「心地よい」と受け入れていました。
哀しみを知っているからこそ人の痛みに寄り添える、そんな静かな強さの芽生えがこの詩の中にあったのだと気づかされます。
静かな夜に、過去の自分と語らう
夜空に浮かぶ月は、何百年も前から変わらずそこにあり、私たちのさまざまな感情を静かに見守ってくれています。
19年前の私が残してくれた『憂月』。
それは、どんなに心が揺れる夜であっても、「そのままで大丈夫だよ」と静かに寄り添ってくれる、時空を超えたお守りのような言葉でした。
皆さんは夜月を見上げるとき、どんな言葉が心に浮かびますか?

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