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君が手にするはずだった黄金について/小川哲(2026)

 つまるところ、小川哲という人間を好きになった。作中で「虚構」や「渇望」が彼の切り口で描かれ、それがグサグサ刺さってくる。
 丁寧に紡がれた分を夢中で読んでいたところに「全部クソだ」なんて一言をぶっこまれるものだから、私みたいな人間が心を鷲摑みにされないはずがない。この小説がフィクションとノンフィクションのはざまにいる感覚も面白く、小川哲がどこまで当人をさらけ出しているのかも気になったところ。
 私にも失われた時はあるはずだし、承認欲求丸出しで見栄を張ったこともあるし、炎上を目撃したこともある。そういうリアリティを突きつけられ、果たして自分は何者かと自問自答が止まらない。

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