有難い話
一昨日の朝のこと。
電話で、母がいきなり
「あのねえ。」
と、私に言った。
こんなときは、何事かがあるときだ。
(良くないことだと嫌だなあ。)
と思いながら
「なにかあった?」と、私は尋ねた。
母の話は、次のような内容だった。
1週間ほど前、大事に育てていたミニトマトが、昨年に引き続きまた枯れてしまった。
根切り虫にまたやられたみたいだった。
青い実もたくさんつき始めていて、もうすぐ収穫だというところまで来ていた矢先のことだった。
薬も撒いて万全にしていたつもりだったのに。
だけど、しょうがない。
このまま枯れ果てていくミニトマトを見るのも辛い。
枝を引き抜いて、ミニトマトは全部処分した。
一緒に見守ってくれていたとなりのおじさんに、次の日そのことを電話で伝えた。
かなり残念がっていたが、
最後におじさんは
「枯れたものはしょうがない。」
そう言って、電話は終わった。
悶々とした日々を過ごしていたら、昨日の昼過ぎ、となりのおじさんがふらっと家にやってきた。
見ると、手には2本のミニトマトの苗を持っている。
「また、植えよら。」
そうおじさんは言って、1本は、鉢植えにしてくれた。
そして、もう1本は、先日枯れてしまったミニトマトの植わっていた場所に、また植え直してくれた。
今度は、たっぷり根切り虫対策用の薬を撒いて。
お礼を言ったら、
「わしも、ミニトマトが枯れて悔しかったんやよ。」
とおじさんは言った。
そして、
「今度は、大丈夫やろ。」
そう言って、帰って行った。
そんな話だった。
以前にも書いたように、今年のミニトマトに関しては、となりのおじさんも、かなり関わってくれていた。
昨年の反省を生かして、根切り虫用の薬をまいてくれたのも、となりのおじさんだ。
だから、母の家のミニトマトには、おじさんもかなりの思い入れがあったに違いない。
しかし、またリベンジするとは思ってもみなかった。
すごい。
率直に私はそう思った。
「苗の値段も薬の値段も教えてくれなかったけど。」
母は、電話の終わりにそう言った。
いずれにしても、母の毎日の楽しみがまた復活したことは、素直に息子としてはうれしい。
母も
「また、ミニトマトの世話ができる。」
と喜んでいる。
そして、となりのおじさんには、またまた大大感謝だ。
本当に有難いことだ。
いつも書いているように、もう本当の家族同然のおじさんだ。
まだ、苗は植えたばかり。
2本のミニトマトはどちらも生き生きと元気らしい。
これから母との電話では、必ずミニトマトの生育状況を聞くことにしよう。
母もおじさんも、
そして私も、
思いは一つ。
ミニトマト、今度こそたくさん実をつけておくれよ。
