長女の友達へ
今日は、長女のお友達のお話です。
長女が小学5年生くらいの頃のこと。
その日は学校が早く終わる日で、久しぶりに長女の仲良しのお友達が何人か、我が家に遊びに来ることになっていました。
前の日、次女が大縄跳びをしていて、着地した時に足の爪を痛めてしまいました。
消毒しておけば大丈夫かな。
でも、病院に連れて行った方がいいかな。
迷うくらいのケガ。
とりあえず、
「明日も痛かったら病院に行こう。できたら、明日には痛くなくなっていますように」
そんなことを思いながら、その日はパートへ。
そして、帰宅すると――
先に帰ってきていた次女が、2階から降りてきました。
「まあま、まままま、まままま、足が痛い!」
……うん。
やっぱり病院、行こう。
そう思いました。
でも、その日は長女のお友達が遊びに来る日。
診察開始の時間に合わせて病院へ行ったとしても、お友達の方が先に我が家に着いてしまう。
遊びに来るのはみんな私も知っている子たち。
しっかりした子たちばかり。
私は長女に、
「ママ、次女ちゃんを病院に連れて行ってくるからね。お友達が来たら、この部屋だけで遊ぶように言っておいてね」
と伝えて、急いで病院へ向かいました。
診察を受けて、薬などをもらい、また急いで自宅へ。
車を走らせながら、ふと思いました。
もう5年生なんだよな。
しかも、遊びに来るのは、普段からしっかりしている印象の子たち。
私が帰ったら、
「先にお邪魔しています」
なんて、ちょっと大人っぽく言ったりして。
そんなことを考えながら、少し楽しみにして家へ帰りました。
そして玄関を開けると――
「お帰り~!早かったね!」
……。
長女の声ではありません。
お友達です。
しかも、
ものすごくくつろいでいる。
久しぶりに我が家に遊びに来たはずなのに。
私に会うのだって久しぶりのはずなのに。
まるで、
「ここ、私の家ですけど?」
くらいの勢いで、くつろいでいる。
私は思わずポカンとしました。
いや、まったく嫌じゃない。
むしろ、ものすごく嬉しい。
「お邪魔します」
と、妙にかしこまって座っているより、
「お帰り~!早かったね」
と言ってくれる方が、なんだか嬉しい。
パートから帰ってきて、お昼ご飯も食べずに、そのまま次女を病院へ連れて行った私。
病院では、
「大丈夫かな」
「悪化していないかな」
と、少し緊張していた。
そんな私の気持ちが、玄関を開けた瞬間、
「お帰り~!早かったね」
で、すっと日常に戻りました。
ああ。
日常だ。
いつもの子どもたちだ。
なんだか、ものすごく安心しました。
家に遊びに来るお友達も、いつの間にか「小さな子ども」から「ちょっとお姉さん」になっていく。
だから私は、勝手に少し大人びた姿を想像していたのかもしれません。
でも、その日玄関を開けて迎えてくれたのは、
「お帰り~!早かったね」
と、まるで自分の家のようにくつろいでいる、小学5年生の子どもたち。
なんだか、それがとても可愛くて。
そして、嬉しかった。
しっかりしてきたと思っていたけれど、
まだまだ子どもなんだな。
いや。
もしかしたら、
「ここなら、子どもでいられる」
と思ってくれていたのかな。
そうだったら、もっと嬉しいな。
あの日の「お帰り~」は、次女の病院で少し張りつめていた私の気持ちを、ふっと緩めてくれました。
今でも、あの時の子どもたちのくつろいだ姿を思い出すと、ちょっと笑ってしまいます。
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