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lesview_shinobin
私が里芋を食べない理由
私は里芋を食べないことにしている。
ねっとりとした煮物や田楽、ホクホクした汁物。あの素朴で深い味わい、どれほど美味しいか私はよく知っている。
それでも、自分からは食べない。理由はシンプルで、里芋が「米や小麦にアレルギーを持つ人たちにとって、貴重なエネルギー源」だと知ったからだ。
里芋はアレルギーを引き起こしにくい炭水化物と言われていて、アレルギー症状が出やすい米やパンが身体に合わない人にとって、安心して栄養を摂れる貴重なエネルギー源なのだそうだ。そうした人たちにとって、選択できる食材は本当に限られている。
私が「美味いから」と日常的に消費しなくても、私には代わりに食べられるものが山ほどある。なら、その大切な資源は、それを本当に必要としている人たちのために残しておきたい。
「自分が1人食べるのをやめたところで、市場の流通量が劇的に変わるわけじゃない」
そんなことは分かっている。人に対して「食べるな」と強要するつもりも毛頭ない。
ただ、これも私の勝手な矜持であり、小さなこだわりだ。
もちろん、これも絶対のルールではない。農家さんで供給過多になって困っていたり、目の前の料理に出されたなら、その時は喜んで美味しくいただく。無駄にしてしまうことこそ本末転倒だからだ。
自分からは買いに行かない。けれど、必要とされる場所へ届くことを願いながら、今日も私は食卓に向かう。
もちろん、誰もが安心して主食を選べる時代が来たり、里芋が市場に溢れるくらい豊作になったら、またあのねっとりとした旨味に舌鼓を打ちたい。
