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「ドパガキ」に効く数字はあるのか―こども家庭庁データで読む家庭ルールの効果

外出先でスマホを一度渡すと、もう返してくれない。テレビの録画は毎回2倍速でしか観ない。8歳や10歳の我が子にそんな行動が続くと、「うちの子もドパガキなのでは」と不安になる親は少なくありません。ドパガキとは「ドーパミン中毒のガキ」の略称であり、刺激の強いショート動画やゲームを次々と求める若年層を指すネット発のスラングです。集英社オンラインの取材に応じた精神科医は、この現象を単なる若者論として片付けず、脳の反応の違いから説明しています。


「時間が来てもやめない」―親たちが語る違和感

都内に住む40代の母親は、8歳の子どもについて、ドパガキと言い切るのはためらわれるとしながらも、気になる点を挙げました。ゲームで遊べる時間をあらかじめ決め、時間が来るとアラームで知らせる仕組みにしているものの、子どもがその合図で手を止めることはほとんどないといいます。録画したアニメについても倍速再生でしか観ない状態が続いており、決められた時間の中でできるだけ多くのコンテンツに触れたいという気持ちの表れではないか、と母親はみています。

北海道に住む、小学生の子を持つ父親からも似た証言が集まりました。外出先で知人とゆっくり過ごしたいときなどに一時的にスマートフォンを渡すことがあるものの、返却を求めてもすぐには応じてもらえない場面があるといいます。学校で配布されているタブレット端末についても、自宅や学童保育の時間帯に触れ続けている様子がうかがえ、大人もスマートフォンを手放せない中で子どもだけを制限することへの戸惑いも、この父親は口にしています。

この証言を読むと、母数の小ささがまず気になります。登場するのは匿名の2家庭にすぎず、統計的な代表性を持つ調査ではありません。とはいえ、似た光景に心当たりのある親は少なくないはずです。

なぜ子どもの脳の方が「効きやすい」のか

精神科医でゆうメンタルクリニック総院長のゆうきゆう氏によると、SNSのタイムラインやTikTok、YouTubeショートのように短い刺激を次々と消費する行動は、正確にはネット依存症と呼ぶべき状態だといいます。年齢を問わず起こりうる現象であり、対象が若年層であれば通俗的に「ドパガキ」と呼ばれているにすぎない、というのが氏の整理です。

ただし、同じ刺激でも若年層の方がより強く反応するといいます。加齢とともにドーパミンの分泌反応は鈍くなるため、高齢になってから新たに依存症を発症する例は考えにくい一方、若年層は刺激に対する反応が鋭敏な分、依存に至りやすいとゆうき氏は説明します。

こうした行動にメリットがあるかという問いに対し、ゆうき氏はほとんどないと断言します。脳が過剰にドーパミンを放出し続けると次第に分泌そのものが起こりにくくなり、それ以外の物事から得られる快感が薄れていく。ゆうき氏はこの状態を独自に「失楽園仮説」と呼んでいますが、これは広く確立した学術用語ではなく、氏個人の説明モデルである点には留意が必要です。

気になったのは、この説明が保護者世代にもそのまま当てはまる点です。ドパガキという言葉自体はスラングであり、医学的な診断基準ではありません。ではこの現象は、単なる印象論にすぎないのでしょうか。手がかりになりそうな数字が、こども家庭庁の調査にあります。

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