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夫婦の意見が違うとき、子どもに一番見せたいこと。

「子どものために、夫婦で同じ考えを持ったほうがいい」

子育てをしていると、そんなことを考えることがあります。

たしかに、父親と母親で言っていることが毎回違えば、子どもが戸惑うこともあると思います。でも、3人の息子を育ててきて思うのは、夫婦がいつも同じ答えを出す必要はないということです。

むしろ大事なのは、意見が違ったときにどうするか。夫婦の違いをなくすことより、その違いを子どもに背負わせないことのほうが大事なんじゃないかと思っています。

夫婦の意見が食い違うとき

3人の息子を育てていると、夫婦で意見が食い違うことは珍しくありません。子どものことを考えているからこそ、それぞれが「こうしたほうがいい」と思うことも違ってくるし、同じ出来事を見ても、大事にしたいことや考える方向が変わってくるからです。

たとえば、子どもの進路について考えるときもそうです。

僕は、学歴そのものが人生を決めるとは思っていないので、できれば子どもの得意なことを伸ばせる道を探してほしいと考えています。極端に言えば、その子が得意なジャンルを見つけて、そこに向かっていけるのであれば、進路はかなり自由でいいと思っている。

一方で妻は、将来困らないように「ここの学校がいいんじゃないか」と考えることがあります。

もちろん僕だって、子どもにはできるだけ困ってほしくない。でも、将来困るかどうかなんて誰にも分からないからこそ、今の段階で目に見えているリスクがあるなら、一緒に考えておきたいというのが僕の考えです。

こうして考えてみると、夫婦で意見が違うのは、それぞれが子どものことを考えているからこそでもあります。だから、意見が違うこと自体を問題にする必要はなくて、僕が気になるのは、その違いをどう扱うかということなんです。

「どっちが正しい?」になったとき

夫婦で意見が違ったとき、「どっちが正しいか」を決めようとすると、最初に考えていたことから少しずつズレていくことがあります。

子どものことを考えていたはずなのに、「こっちのほうが子どものためだ」と言い合っているうちに、いつの間にか子どものためというより、自分の考えを通すことが目的になってしまう。僕自身、夫婦関係がうまくいっていなかった頃は、まさにそういうところがありました。

「自分は家族のために頑張っているのに、どうして分かってもらえないんだ」と思っていたし、妻の言い方や考え方が変われば、家の中ももっと良くなると思っていたんです。

でも、夫婦関係が悪くなったことで分かったのは、相手を変えようとしている間は、ずっと相手との勝負になってしまうということでした。自分のほうが正しいと思っている限り、相手の話を聞いているようでも、実際には「どうやったら自分の考えを分かってもらえるか」ばかり考えてしまいます。

子育てでも、これは同じなんだと思います。

夫婦の意見が違ったときに、どちらが正しいかばかりを考えていると、いつの間にか子どもがその間に置かれてしまう。親同士の考えの違いまで、子どもが気にしなければならない状態をつくってしまうからです。

大人同士の違いは、大人同士で引き受ける

夫婦で意見が違ったとしても、その違いを子どもに解決させる必要はありません。

僕は今、意見が違ったときほど、相手を説得して自分の考えに合わせてもらうことより、「なぜそう考えるのか」を知ることのほうが大事だと思っています。

僕には僕なりの考えがあり、妻には妻なりの考えがある。その理由まで聞いてみると、最初は「なんでそう思うんだろう」と感じていたことにも、それなりの背景があることが分かってきます。

もちろん、話をしたからといって、必ず同じ考えになるわけではありません。それでも、お互いの考えを受け止めたうえで、「今のこの子にとって何がいいのか」を一緒に考えていくことはできます。

夫婦の意見が違うことと、夫婦がバラバラであることは、同じではないんですよね。

考え方が違う二人だからこそ、一人では見えていなかったことに気づけることもあります。だから、違いそのものをなくそうとするより、その違いを大人同士で話し合える関係をつくっておくことのほうが、家族にとっては大切なんだと思います。

夫婦の問題は、夫婦で引き受ける。

子どもに「お父さんとお母さん、どっちの考えが正しいんだろう」と考えさせるのではなく、大人同士で話して、迷って、必要なら考え直す。その過程まで含めて、夫婦の中で引き受けていけばいいんだと思います。

子どもに見せたいのは「同じ答え」じゃない

子どものために、夫婦の意見を揃えることも一つの考え方だと思います。

でも、3人の子どもを育ててきて、「同じ答えを出すこと」だけが家族のまとまりではないと思うようになりました。

父親と母親で考え方が違っていても、相手の考えを聞きながら子どものことを一緒に考えることはできます。意見がぶつかったとしても、そこで相手を否定するのではなく、なぜそう考えているのかを知ろうとすることもできます。

夫婦関係でいろいろあった僕だからこそ、今はそこを以前より意識するようになりました。

子どもに見せたいのは、夫婦がいつも同じことを言っている姿だけではないんですよね。

意見が違ったときに、自分の考えを押し通すのか、それとも相手の考えにも耳を傾けながら、その子にとって何がいいのかを一緒に考えるのか。夫婦が違う考えを持ったままでも、子どものことを考えるために話し合っている。その姿を見せることも、子育ての一つなんだと思います。

夫婦の意見が違ったとき、子どもに見せたいのは「どっちが正しかったか」ではなく、違う考えを持った二人が、どうやって一緒に答えを探しているか。

僕は今、そこを大事にしたいと思っています。

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