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「連絡読みました!」で終わっていませんか?|会社の発信が仕事の結果につながらない理由|琉球菓子処琉宮

あなたは、連絡を「読んだだけ」で終わらせていませんか?

毎日、山のように流れてくる社内連絡や共有事項。
「確認しました」「了解です」と返信し、今日も目の前のタスクを全力で片付ける。それなのに、なぜか手応えがない。

いつも何かに追われていて、疲労感だけが残る。
一生懸命働いているのに、会社の業績も自分の評価も思うように上がらない。

もしあなたがそんなモヤモヤを感じているなら、原因を「自分の能力が足りない」「努力が足りない」と考える前に、一度、「連絡の受け取り方」と「仕事の視点の置き場所」にも目を向けてみてほしいと思います。

もしかすると、毎日の仕事を変えるヒントは、そこにあるかもしれません。



「作業」は話せるのに、「その手前のこと」はなぜ話さないのか

多くの職場でよく見られる光景があります。
「この書類、今日中に提出してください」
「このトラブル、どう対応しますか?」

自分が直接関わる作業や、人に伝えないと進まない手続きについては、
誰もが自然と言語化して活発にやり取りをします。
これらは形が見えやすく、目の前の業務に直結しているからです。

一方で、会社から発信されるこんなメッセージはどうでしょうか。

  • 「私たちがお客様に届けたい本質的な価値とは何か」

  • 「なぜ今、この商品が売れているのか/売れていないのか」

  • 「どんな考え方でお客様に向き合うべきか」

こうした発信になると、「読みました(既読)。以上。」で終わってしまうことはないでしょうか?
誰かとその意図について話すこともなく、自分の言葉で噛み砕くこともない。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

すべての前進は「作業の手前」から生まれる

どれだけ手際よく作業をこなしても、その手前にある考え方が変わらなければ、同じ作業の繰り返しだけになってしまうことがあります。

商品が売れる、お客様に喜ばれる、業務が劇的に改善する。そうした成果の起点にあるのは、作業そのものだけではなく、「作業の手前にある考え方や理念」です。

たとえば、「言われたからやる」「マニュアルにあるからやる」というところだけで仕事をしていると、状況が変わったときに応用が利きにくくなります。予想外のことが起きるたびに判断に迷い、誰かの指示を待つことも増えるでしょう。

一方で、「この価値を届けるために、今この作業をしている」というところまで理解できていれば、自分で判断するための基準ができます。
基準があれば迷う時間が減り、「だったら、こうした方がいいんじゃないか」という創意工夫も生まれてきます。

たとえば、ある商品が思うように売れていないとします。

毎朝商品を並べ、なくなれば補充し、売場を整え、閉店したら片づける。
この作業自体は必要ですし、きちんと続けることも大切です。

しかし、売れていない状態が続いているのに、「なぜ売れていないんだろう?」「商品の良さは伝わっているだろうか?」「置き場所や見せ方を変えたらどうだろう?」「声のかけ方に問題はないだろうか?」という話が一度も出てこなければ、翌日も同じ場所に同じように商品を並べることになります。

作業は毎日きちんと行っている。それなのに結果は変わらない。

それは、作業量の問題ではなく、作業の手前にある考え方が動いていないからかもしれません。

販売だけではありません。接客でも、製造でも、事務でも、人材育成でも同じだと思います。仕事以外のことも同じです。

「何をするか」について話すことも必要ですが、その前にある「なぜそうするのか」「もっと良くするにはどうしたらいいのか」について言葉にすることが、仕事を前へ進めるためには必要なのです。

伸びているチームや結果を出し続ける人ほど、この「手前にある意図」について考え、自分なりの言葉にして、周りの人と共有しているのではないかと思います。

「あの会社の発信、要するに私たちの現場でいうと〇〇ってことだよね」

この一言の言語化があるだけでも、日々の作業は「空虚なルーティン」から「目的を持ったアクション」へと変わり始めます。

発信された言葉が、次の言葉を生んでいるか

会社から、「もっとお客様の立場で考えよう」という発信があったとします。
全員が読んで、「分かりました」と既読返信した。
それだけでは、翌日の仕事は昨日とほとんど変わらないかもしれません。

しかし、そのあとに、
「うちの売場だったら、どこを変えられるかな?」
「初めて来たお客様には、この商品の違いが分かりにくいかもしれないね」
「自分たちは毎日見ているから当たり前になっているけれど、お客様から見るとどうなんだろう?」
そんな会話が一つでも生まれたらどうでしょうか?

売場を見る目が変わります。
見る目が変われば、商品の置き方、説明の仕方、声のかけ方も変わってきます。
私は、会社から発信された言葉そのものだけではなく、その言葉から次の自分の言葉が生まれているかどうかが、重要だと思っています。

会社が100回発信しても、受け取った側が100回とも「読みました」で止まってしまえば、情報は届いていても、仕事はほとんど動いていないということになりかねません。

反対に、一つの発信から何人かが考え、それぞれの部署で話し、自分たちの仕事に置き換え、何か一つでも試してみる。
そこまでいって初めて、発信した言葉が実際の仕事につながっていくのだと思います。

企業理念は「覚える言葉」ではなく「仕事で使う言葉」

これは企業理念についても同じです。

琉球菓子処琉宮では、「笑顔・元気・感謝」や「三方良し」という考え方を大切にしています。
しかし、「三方良しを大切にしよう」という発信を読み、その言葉を覚えているだけでは、実際の仕事は何も変わりません。

たとえば、お客様や取引先から特別な要望があったとします。
その希望をすべて受け入れれば、その相手には喜んでいただけるかもしれません。
しかし、そのために一緒に働く人へ大きな負担がかかったり、会社として続けられない対応になったりしたら、それは本当に三方良しなのでしょうか?

そこで、
「お客様や取引先にとっては良い。でも、一緒に働く人にとってはどうだろう?」「会社として無理なく続けられるだろうか?」
「三方にとって、もう少し良い方法はないだろうか?」
と話してみる。
ここまでいって初めて、企業理念が日々の仕事の中で生きてきます。

私は、企業理念は覚えるための言葉ではなく、実際の仕事について考え、話すための言葉だと思っています。

理念を語るというと、難しい経営の話をするように感じるかもしれませんが、そんな必要はありません。
今日起きた一つの出来事について、
「これを三方良しで考えたらどうだろう?」と話すだけでもいいのです。

「言語化」すると、自分の仕事が一番ラクになる

「理念や売れる考え方を語る」と聞くと、なんだか意識が高くて面倒なことのように思えるかもしれません。
しかし私は、これは会社のためだけではなく、自分自身がストレスを減らし、楽しく成果を出していくための、とても強い技術だと思っています。

「何のためにやるのか」が分かれば、自分で判断する基準ができます。
何を優先するべきなのかも見えやすくなります。
チームの中で目的が共有されていれば、「言った・言わない」「自分はこういう意味だと思っていた」といった行き違いや手戻りも減っていきます。
そして何より、自分の仕事に対する感覚が変わってきます。

「言われたことをこなす」だけの仕事が続けば、
どうしても仕事は疲れるものになりやすいと思います。

一方で、
「なぜこれをするのか?」
「もっと良くするにはどうしたらいいのか?」を考え、
それを周りの人と話すようになると、同じ仕事でも見え方は変わってきます。

自分で考えたことを試して、お客様の反応が変わった。
売上が少し上がった。
仲間から「そのやり方いいね」と言われた。
そこには、今までとは違う手応えがあります。

仕事に自分の頭と自分の言葉が入ってくるからです。

お金をいただく以上、どんな仕事もプロフェッショナル

そして琉宮では、もう一つ大切にしている考え方があります。

それは、お金をいただいて仕事をする以上、職種に関係なく一人ひとりがプロフェッショナルであるということです。

販売でも、製造でも、事務でも、清掃でも同じです。
なぜなら、お客様や取引先がお金を支払うのは、自分ではできないことや、自分より専門的にできることを求めているからです。
商品をつくる人には、より良いものを安定してつくるための専門性があります。販売する人には、その商品のことを知り、良さを伝え、お客様が選ぶ手助けをする専門性があります。事務の仕事にも、会社を正確に動かしていくための専門性があります。

プロフェッショナルというと、何か特別な資格を持った人や、非常に高い技術を持った人を想像するかもしれません。
しかし私は、もっと身近なものだと考えています。

お金をいただいて仕事をするということは、単に決められた時間に決められた作業をするだけではなく、その仕事における自分の専門性を提供することでもあります。
ですので、自分が任されている仕事について知ろうとすることも、「なぜそうするのか」を考えることも、もっと良い方法がないかを考えることも、本来は仕事の中に含まれているものだと思います。
分からないことがあれば聞き、新しく知ったことがあれば実際の仕事に活かしていく。
そうやって少しずつ自分の専門性を高めていくことも、お金をいただいて仕事をする以上、大切なことではないでしょうか?

「言われたことだけをやればいい」で終わるのではなく、「もっと良くできないか?」「自分の仕事として、これで本当にいいのか?」と考えることは、何か特別に意識の高い人だけがすることではありません。
お金をいただいて仕事をするプロとして、ごく自然な姿勢なのだと思います。

そして、こういう視点を持つようになると、仕事そのものの見え方も変わってきます。

「作業をこなす側」にいるだけでは、誰かから仕事を与えられ、それを終わらせ、また次の仕事を与えられるという繰り返しになりやすいでしょう。
それでは、どれだけ一生懸命働いていても、仕事が消耗戦のように感じてしまうことがあります。

一方で、その仕事の意図を考え、自分の言葉にし、「こうした方が良いのではないか」と試す側に回ると、少しずつ仕事の主導権が自分に戻ってきます。
自分で考えたことを試し、その結果を見て、また次の方法を考える。
そうなってくると、同じ仕事でも、ある意味では自分で攻略していく面白いゲームのような感覚も生まれてくるのではないでしょうか?

会社の結果と、自分の待遇は無関係ではない

そして、これは働く人自身が仕事を楽しくするというだけの話ではありません。

会社の中で、目の前の作業については話すけれど、その手前にある「なぜ売れないのか」「どうすればもっと良くなるのか」「お客様は何を求めているのか」といったことを誰も話さず、今までと同じ作業を繰り返していたら、売れないものは売れないまま、効率の悪い仕事もそのままになってしまう可能性があります。

お客様が不便に感じていることがあっても、それについて誰も考え、話さなければ改善されません。
当然、それでは会社の売上や利益もなかなか変わらないでしょう。

会社の売上や利益が伸びなければ、設備を良くしたり、人を増やしたり、働く環境を整えたりするために使えるお金も増えません。
当然、そこで働く人たちの待遇や収入を良くしていくことも難しくなります。

反対に、一人ひとりが自分の仕事について考え、それを言葉にして周りと共有し、「だったら、こうしてみよう」と実際に試すことが当たり前になれば、会社のあちこちで小さな改善が起こるようになります。
その一つひとつは小さくても、それが積み重なれば、お客様の反応が変わり、仕事の効率が変わり、やがて会社の結果にもつながっていきます。

ですので、会社の成長と自分の成長、会社の結果と自分の待遇は、それぞれ別々に存在しているものではありません。
自分たちの仕事によって会社の結果がつくられ、その結果が最終的には自分たちの働く環境や収入にもつながっているということです。

明日からできる「1行の言語化」

では、実際に何をすればいいのでしょうか?

何も、明日から職場で熱く企業理念について語り合ったり、長いミーティングを始めたりする必要はありません。

会社から何か大切な発信があったとき、まず一度、「つまり、自分たちの仕事でいうと何なんだろう?」と自分の仕事に置き換えて考えてみる。
それだけでも、ただ文字を読んだだけの状態とは違ってきます。

そして、できれば近くの人と、「さっきの連絡、うちでいうとこういうことかな」「この前のあの仕事にも関係ありそうだね」と、一言でもいいので話してみる。
自分の言葉にしてみると、分かっているつもりだったことでも、実はよく分かっていなかった部分に気づくことがあります。
また、人と話せば、「自分はそう思っていたけれど、そんな見方もあるのか」と、自分一人では出てこなかった考え方も入ってきます。

そこから「だったら、次はこうしてみよう」という一つの行動が生まれれば、会社からの発信は、もう単なる連絡ではありません。
実際の仕事を変えるものになっています。

「読んだ。以上。」で終わるのか、そこから一つ自分の言葉を生み出すのか。

ほんのわずかな違いに見えますが、その積み重ねが、空虚な作業を繰り返す仕事と、自分で考えながら結果を出していく仕事との違いになっていくのだと思います。

これは仕事だけの話ではない

考えてみると、これは会社からの発信に限った話でもありません。
本を読んだとき、人から良い話を聞いたとき、研修を受けたときにも同じことが言えます。

今はAIを使うことで、仕事や人生に役立つ知識も、以前とは比べものにならないほど簡単に得られるようになりました。
しかし、どれだけ多くの知識に触れても、「なるほど」「いいことを聞いた」で終わってしまえば、自分の仕事や生活は昨日とほとんど変わりません。

大切なのは、知ったことを自分の仕事や人生に置き換えて、「自分の場合はどうだろう?」と考えてみることです。
そして、自分の言葉にして誰かと話したり、何か一つでも実際にやってみたりする。
そこで初めて、外から入ってきた情報が、単なる「知っていること」から、自分が使える力へと変わっていきます。

会社からの発信も、本から得た知識も、人から聞いた良い話も、読むことや知ることがゴールではありません。

「読んだ」で終わっていないか。「知っている」で終わっていないか。
そして、その先で自分は何を考え、何を話し、どう動いたのか。

仕事でも人生でも、知ったことを自分の力に変えられるかどうかは、
結局そこにあるのだと私は思っています。

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