『代表者』

ある国の上空に円盤が停止した。世界中は大騒ぎになった。

「ついに宇宙人が来たぞ」

「何しに来たのかな」

「攻めに来たんじゃないか」

「とりあえず防衛の準備だ」

円盤にたくさんのミサイルが向けられた。

しばらくすると円盤から地上に光が射し、一人の宇宙人が降りてきた。

宇宙人が言った。
「この星の代表者と話がしたい」

その国の大統領が進み出た。
「はいはい私が代表です」

「ちょっと待った!」
大きな声がした。

別の国の大統領だった。
「いえいえ、私が代表です」

「何だこの野郎!俺に決まってるだろう」

「ふざけるな、この星の代表なら俺だろう」

そこへまた別の国のトップが。
「おまえら、俺を忘れてるんじゃないか?!」

「バーカ、お前なんかの出る幕じゃないわ。低級民族のくせに」

「何を!そんなふうに思っていやがったのか、この野郎」

宇宙人が言った。
「何だ、この星は。代表者も決まっていないのか」

「え、いやその‥‥‥」

「それに、これはどういう意味だ」
宇宙人はミサイルを指さした。

「ああ、これはその。なんかあった時のために‥‥‥」

「おまえらは代表者も決まっていないし、まだ武器を使っているような未熟な生物なのか」

「いや、まあ、使ったり使わなかったり‥‥‥」

「もういい!この星はまだまだ発展途上のようだ。もう少し進化した頃にまた様子を見に来る」

円盤は去って行った。


いいなと思ったら応援しよう!