ライナーノーツ Op.35|水彩望遠鏡から─8人のフルート奏者の為の
"The Circumnavigation through the Ocean, Viewed A Telescope" for 8 Flutists
2017年の秋口に、長野のフルートアンサンブル”コローレ”さんより、ご縁あって「演奏会のオープニングに新曲を書いてほしい」というありがたいお話をいただきました。メンバー全員が音楽教師という稀有なグループ。
曲名は「懸崖に立つ一台の望遠鏡から,光の帯がまっすぐに延びて、海原を越えて幾重にも旋回し広がっていく」ような、漠然としたイメージに由来しており、全体としては大きく2つの対照的な素材を用いて構成しています。
はじめに登場するのは3拍子のセクションで、舞曲風の旋律を軸に、拍感が伸縮しながら進行していく「情緒的に」歌う部分。同音連打で流れが寸断されたのち、対比するように提示されるのは、16分音符〈5+4+1+6+2+5+3〉ずつのまとまりに、それぞれ16分休符1つを挿入してできたリズムパターンの反復からなる、あえて言えば「機械的に」奏される部分です。
冒頭の主題が、旋律に対して和声をあしらうオーソドックスな構造をとっているのに対し、こちらは定められたリズムと、26音からなる音列とを骨子に、毎秒の響きの間隙を縫うようにして、各声部が異なる動きを見せます。前者が横断的に、後者は縦断的に構成しているとも言えるかもしれません。これら相反するように思える両者ですが「完全4度音程の重なり」や「単独で奏される主題に、次々と声部が織り重なって展開する」こと、そして前述した「旋回する曲想」等を共通項に、やや不格好ながら全体の均衡を図る形に落ち着きました。
編成
Piccolo
3 Flutes
2 Alto Flutes
Bass Flute
Contrabass Flute
演奏時間
5分40秒
出版
ティーダ出版(Grade 4)
初演
2019年6月2日(日)
アンサンブル”コローレ”第1回定期演奏会
@塩尻市文化会館レザンホール・中ホール
備考
委嘱作品(アンサンブル”コローレ”)
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