見出し画像

SaaS転職の教科書|未経験・異業種からでも内定をとるための全工程ガイド【2026年版】


はじめまして!現在、大手SaaS企業で現役で働いているキャリアコーチのTanigawaです。

もともとはIT業界・SaaS企業とは全く無縁の職場で働いていましたが、「このままでは5年後の自分が想像できない/会社の将来性が見えない」という思いから、未経験/異業種でSaaS業界への転職を決意しました。

転職活動中は「経験がない自分が採用されるのだろうか」という不安と毎日戦っていましたが、諦めずに挑戦し続けた結果、現在のSaaS業界の会社へ入社することができました。

今この記事を読んでいる方の中にも、「未経験だから無理かも…」と感じている方がいるかもしれません。でも、私自身が未経験から転職を成功させた一人として、その経験をリアルにお伝えできればと思っています。

ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

はじめに

「SaaS業界に転職したいけど、何から始めたらいいかわからない」こういう声は本当によく聞きます。

転職サイトを開けば求人は山ほどあります。でも、インサイドセールスとフィールドセールスの違いすら怪しい。自分のどんな経験が武器になるのか、正直ピンとこない。

この記事は、SaaS業界への転職活動をゼロから理解したい方のために書きました。未経験からSaaS企業での内定を獲得するための全工程ガイドです。

初めての転職の方も含め、SaaS企業を目指す方にとって有益な情報を、未経験 / 異業種 から大手SaaS企業へ転職した著者がお届けしますので、ぜひブックマークした上で、ご一読ください。


STEP 0:SaaS業界を理解する

転職活動を始める前に、まず「SaaS業界に転職する」ということの意味を正確に把握しておく必要があります。ここを曖昧にしたまま動くと、入社後のミスマッチにつながります。

SaaSの基本定義
SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアをクラウド経由でサービスとして提供するビジネスモデルです。

ユーザーはインストール不要でブラウザからアクセスし、月額・年額のサブスクリプション料金を支払って利用します。

身近な例で言えば、Slack・Zoom・freee・SmartHR・Salesforce・Google Workspace・Netflix、などがすべてSaaSです。

従来のソフトウェアビジネスとの決定的な違い
SaaSが従来型のIT業界と根本的に異なるのは、「売り切りではなくストック型」という収益構造です。

一度契約を取れば毎月収益が積み上がっていくため、顧客が増えれば増えるほど売上が安定します。一方で、顧客が解約(チャーン)してしまうと収益が毀損します。

だからこそ、「売った後も顧客を成功させ続けること」が極めて重要なビジネスです。この特性が、SaaS業界特有の職種体系や求められるスキルに直結しています。

SaaSビジネスを理解するための重要指標
面接や業務でよく出てくるKPIを事前に頭に入れておきましょう。

SaaSビジネスを理解するための重要指標

上記の用語は面接で当たり前のように登場します。「初めて聞いた」では印象が悪くなるので、今のうちに意味と関係性を押さえておきましょう。

希望者の方とのキャリア相談の中では、上記以外にも実際の面接で登場したSaaS用語やKPIなどをお伝えし、一緒に対策することが可能です。不安な方は、お気軽に下記フォームよりお申し込みください。

【キャリア相談申込フォーム】SaaS業界への転職(Tanigawa)


STEP 1:SaaS業界の職種マップを把握する

SaaS業界は分業制が徹底しています。自分がどの職種を目指すのかを明確にしないと、求人選びも自己PR作成もすべてがブレてしまいます。この章では、SaaS企業の代表的な職種とどの職種を狙うべきかをご紹介します。

ビジネス系職種(The Model型)
SaaS業界では「The Model」と呼ばれる営業プロセスの分業体制が標準的です。ここではThe Model型の4つの職種についてご紹介します。

マーケティング(Mkt)
主に認知獲得・リード(見込み顧客)創出を担う。コンテンツ制作、広告運用、イベント企画など多岐にわたる。未経験採用は少なく、デジタルマーケティング経験者が有利。

インサイドセールス(IS)
マーケが獲得したリードに対してメール・電話・Web商談でアプローチし、商談化(アポイント)に繋げる内勤営業。新規開拓の窓口。BtoB営業経験がある人に向き、未経験から挑戦しやすい職種のひとつ。

フィールドセールス(FS)
ISから渡された商談を受け持ち、実際の提案〜クロージングを担う。顧客課題のヒアリング、提案書作成、稟議支援まで幅広い。無形商材の法人営業経験が最も評価される。

カスタマーサクセス(CS)
契約後の顧客が製品を最大限活用できるよう支援し、継続・拡張を促進する職種。SaaS特有のロールで、チャーン防止とNRR向上が主なミッション。顧客折衝・分析・提案力が求められる。

技術系職種
ビジネス系職種以外の技術系職種では、下記の職種が代表者な職種としてあります。

プロダクトマネージャー(PdM)

プロダクトのロードマップ策定・優先順位付けを担う。エンジニアとビジネスサイドの橋渡し役。

エンジニア(バックエンド・フロントエンド・インフラ)
プロダクトの開発・運用を担う。SaaS特有の要件としてマルチテナント設計、スケーラビリティへの対応などがある。

データアナリスト / BizOps
顧客データや営業データを分析し、事業成長の意思決定を支援する。SQL・BigQueryの経験が重宝される。

★Point 未経験からSaaS転職を目指す方へ:最初に狙うべき職種

職種×未経験転職の難易度

SaaS未経験からの転職では、最初の入り口としてインサイドセールス(IS)・フィールドセールス(FS)・カスタマーサクセス(CS)の3職種を狙うのが現実的な戦略です。

この3職種は未経験採用の枠が比較的多く、前職の経験を活かしやすい職種でもあります。「マーケティングやPdMに興味がある」という方も、最初からそこを目指すのは難易度が高くなりがちです。

まずはIS・FS・CSのいずれかでSaaSビジネスの基礎を身につけ、そこから社内異動でキャリアチェンジを狙うのが現実的なルートです。

SaaS企業は他業界と比べて社内異動の風通しが良い傾向があります。特に成長期の企業では、「営業からPdMへ」「CSからマーケへ」といった越境異動が珍しくありません。

最初の職種が最終ゴールである必要はないので、まずは入り口を広く持つことを意識してみてください。


STEP 2:自己分析と「SaaS転換軸」を作る

転職市場で自分を売り込むためには、「なぜSaaSなのか」「SaaSで何ができるのか」を言語化する必要があります。ここが最も時間をかけるべき工程です。

▼やるべき自己分析の3ステップ
① 実績の棚卸し(数値化が命)

過去の仕事で達成した成果を、できる限り数値で表現します。

  • 「営業成績が良かった」→「担当エリアで前年比130%達成、チーム内1位」

  • 「顧客対応をしていた」→「月平均80件の問い合わせ対応、顧客満足度92%達成」

  • 「チームをまとめた」→「5名のチームのリーダーとして売上目標を3期連続達成」

SaaS企業は成果をKPIで管理する文化なので、数値で話せるかどうかで評価が大きく変わります。

② 自分の強みをSaaS文脈に翻訳する

前職での経験をSaaSの職種に置き換えて考えます。

  • BtoB法人営業 → フィールドセールス・インサイドセールスへの適性

  • 顧客サポート・コンサル → カスタマーサクセスへの適性

  • データ集計・分析業務 → BizOps・アナリストへの適性

  • プロジェクトマネジメント → PdM・導入コンサルへの適性

③ 転職理由で「SaaSの必然性」を作る
「成長業界だから」「働きやすそうだから」「ITに興味があるから」という理由では面接官には刺さりません。「なぜSaaSでなければならないのか」という必然性を作りましょう。

例:「前職のルート営業で、顧客のDX支援を提案する機会が増えたが、自社製品の制約から最適な提案ができないことへのフラストレーションがあった。SaaSプロダクトを持つ企業で、顧客の課題解決に直接貢献したい」


STEP 3:ターゲット企業の選定と情報収集

求人を片っ端から応募するのは最も非効率な転職活動です。企業を選ぶ軸を持って絞り込みましょう。

▼SaaS企業の分類を理解する

ホリゾンタルSaaS vs バーティカルSaaS
ホリゾンタルSaaSは業界横断型のプロダクトです。人事・経理・勤怠など、どの業界にも共通する課題を解決します(例:SmartHRマネーフォワードfreee)。顧客の幅が広く、営業機会も多い反面、競合も多いのが特徴です。

一方でバーティカルSaaSは特定業界特化型です。医療・建設・飲食など、業界特有の課題をピンポイントで解決します。業界知識がある人には強みを活かしやすく、前職での業界経験が武器になります。親和性のある業界の職務経歴がある場合、SaaS業界未経験からでも採用されやすい特徴があります。

また、SaaS企業のエントリー先の選び方に関しては、下記の記事にて解説しています。よろしければ、ご一読いただけると嬉しいです。

情報収集で使うべきチャネル

  • Openwork / 転職会議:社員の本音レビュー。退職者の声も参考になる

  • note / LinkedIn:現職社員が発信している記事。カルチャーや価値観が伝わる

  • 企業のブログ・採用LP:求める人材像や事業フェーズが読み取れる

  • 決算説明資料(上場企業):ARR・チャーン率・MRRなどの実態数字が確認できる

  • X(旧Twitter):社員の発信から職場の雰囲気が伝わることも


STEP 4:書類作成(職務経歴書・履歴書)

SaaS企業の採用担当は毎日大量の書類を見ています。「普通に経験を並べた」だけの職務経歴書は埋もれます。以下のポイントを意識した職務経歴書を作成しましょう。

SaaS向け職務経歴書の鉄則、構成の基本
1.職務要約(3〜5行で全体像を伝える)
2.職務経歴詳細(会社ごと)
3.スキル・資格
4.自己PR(SaaSでの活躍イメージを書く)

書き方のポイント
☑︎ 実績は必ず数値で書く
「売上向上に貢献した」ではなく「前年比123%、部門TOPの売上達成」

☑︎ SaaS文脈に翻訳する
「既存顧客のフォローアップ」ではなく「顧客の利用率向上のための定期レビューを実施し、継続率95%を維持」

☑︎ 応募職種に合わせてカスタマイズ
ISなら電話・商談経験、FSなら提案・クロージング実績、CSならサポート・継続率改善経験を前面に出す

☑︎ 一枚目で「この人は何ができる人か」を伝える
採用担当は最初の数十秒でスクリーニングします

カバーレター(添え状)について
SaaS企業の求人、特にスタートアップはカバーレターを重視する傾向があります。「なぜその会社のプロダクトに共感したか」「入社後どう貢献したいか」を200〜400字で書くと、志望度の高さが伝わります。

SaaS企業は効率化の文化もありますので、工数をどの程度かけるかはバランス感覚が必要となります。応募企業の中でも「特にこの企業は!」という志望度の高い企業が、スタートアップ/ベンチャーSaaS企業である場合、カバーレターの作成も検討してみると良いと思います。


STEP 5:転職エージェントの使い方について

エージェントを使う場合の注意点
SaaS転職において、「総合型エージェントの担当者が外れる」という話はよく聞きます。担当者がSaaS業界を理解していないと、ミスマッチな求人を大量に紹介されたり、的外れな面接対策をされてしまうことがあります。SaaS特化型エージェントや、IT・ハイクラス特化のエージェントを活用するのがおすすめです。

複数登録が基本

エージェントは2〜3社同時並行で登録し、担当者の質や求人の幅を比較しましょう。1社に絞るとリスクが高くなります。1社をSaaS特化型、1社をIT・ハイクラス特化のエージェントなどのようにタイプが異なる複数のエージェントから支援を受けることをお勧めします。

エージェントに伝えること
・希望職種(明確に)
・希望フェーズ(スタートアップか、成熟企業か)
・譲れない条件(リモート、年収、転勤不可、副業OK、など)


STEP 6:面接対策

SaaS企業の面接は、スキル確認と同時に「論理的思考力」「数値への感度」「カルチャーフィット」を見ています。面接での受け答えでは以下の内容を踏まえ対応しましょう。

▼よく聞かれる質問と回答の方向性
「なぜSaaS業界なのか?」
〇 業界の成長性だけでなく、プロダクトへの共感・課題解決への関心を語る
✗「安定している」「年収が上がりそう」はNG

「なぜ弊社なのか?」
〇 プロダクトの具体的な機能・強み・競合との差別化に触れる
✗ 「御社のビジョンである『〇〇』に共感しました」
(HPの文言をそのまま引用するだけで、自分の言葉や理由がない)

「あなたの実績を教えてください」
〇 STAR法(状況・課題・行動・結果)で構造的に話す
✗  「チームの雰囲気が良くなった」等、数値も自分の貢献も曖昧なまま話す

「失敗したことを教えてください」
〇 失敗そのものより、「何を学び、どう改善したか」が見られている
✗ 「〇〇という失敗をしました。本当に反省しています」
 (学びと改善行動に一切触れずに終わる)

▼SaaS面接特有の注意点
プロダクトを実際に触っておく

無料トライアルがある場合は必ず使い、「実際に使ってみてここが良かった、こんな改善提案もある」くらいまで話せると印象が大きく変わります。

競合比較を調べておく
「なぜ競合ではなく弊社なのか」という質問に答えられるよう、競合プロダクトとの差別化を事前に整理しておきましょう。

数値でコミュニケーションする
「たくさん」「多く」「すごく」ではなく、「150件/月」「前年比120%」のように具体的な数字で話す癖をつけてください。

逆質問のコツ
面接の最後の逆質問は「志望度の高さ」と「思考の深さ」を示すチャンスです。ただ単に志望企業の現状を聞く質問ではなく、入社後をイメージした質問を心がけましょう。

▼良い逆質問の例

  • 「現在のチャーン率を改善するために、CSチームとして取り組んでいる施策はどういったものがありますか?」

  • 「ARRが次のフェーズに上がるにあたって、このポジションに最も求める役割変化はありますか?」

  • 「現在のチームで最も課題だと感じているのはどんな点ですか?」


STEP 7:内定獲得後の年収交渉と入社準備

▼年収交渉の基本
内定後の年収交渉は「できる」し、「やるべき」です。SaaS企業の多くは交渉を前提としたレンジで提示してきます。但し、この交渉は必ず内定獲得後に行ってください。

▼交渉のポイント

  • 現年収ベースではなく、「市場価値」と「自分の貢献ポテンシャル」で主張する

  • 複数社の内定があれば、それを活用するのも選択肢

  • エージェント経由の場合はエージェントが代行してくれることが多い

  • 交渉するなら根拠を明確に(「●●の経験があり、●●の成果が出せると考えるため」)

▼入社までにやっておくべきこと
業界・プロダクトの深掘り

内定先のプロダクトを改めてしっかり使い込む。競合比較、顧客課題、差別化ポイントを整理しましょう。

SaaS営業・CSのナレッジをインプット
SaaSビジネスの入門書として『THE MODEL』は必読です。SaaS業界の営業プロセス全体が体系的に理解できます。


まとめ:SaaS転職は「準備した人」が圧倒的に有利

SaaS業界の転職活動で失敗する人の多くは、「なんとなく応募→なんとなく面接」というパターンに陥っています。

一方で、業界構造を理解し、自分の強みをSaaS文脈に翻訳し、プロダクトに共感して面接に臨んだ人は、経験が浅くても驚くほど高い評価を受け、内定を獲得することができます。

以下が今日からできるアクションリストです。

☑︎ SaaSの基本指標(ARR・LTV・Churnなど)を理解する
☑︎ 目指す職種(IS/FS/CS/エンジニアなど)を1つ決める
☑︎ 過去の職務経歴を数値込みで棚卸しする
☑︎ 気になるSaaS企業のプロダクトをトライアルで使ってみる
☑︎ 転職エージェントに登録する
☑︎ 『THE MODEL』を読む

【おわりに】
SaaS業界は、正しい準備をした人に対してきちんと門戸を開いてくれる業界です。この記事が、あなたの転職活動の地図になれば嬉しいです。

現在、こちらのnote記事を読んでくださった方には、先着5名限定 →ご好評につきnote経由では 月2名限定! キャリア相談 初回30分無料 で対応しております。希望される方は、お気軽に下記の申込フォームよりお申し込みください。

【キャリア相談申込フォーム】SaaS業界への転職(Tanigawa)
https://forms.gle/eo8M6UUMyL2MCnGj8


この記事が参考になった方は、いいね・フォローをいただけると励みになります。転職活動中に感じた疑問や気づきなどはコメントでお気軽にどうぞ。

いいなと思ったら応援しよう!