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ドイツサッカー少年記 小学3年【その16】「水泳」

5)小学3年 U10【その16】
「水泳」

さて、今回はサッカーから少し離れて水泳について書いてみたいと思います。

まず、ドイツの学校にはプールがありません。したがって、保護者が子どもを水泳クラブへ連れて行き、習わせるしかありません。
正確には、小学校4年生の時に学校での水泳授業はあります。(学校による)ただし、それもわずか3日ほどで、もちろん学校のプールではなく、市内のプールに先生が生徒を連れて行き、地域のレスキュー隊の支援を受けて授業が行われます。ですので、子どもたちは基本的に各自で水泳クラブに通い、水泳を習得することになります。ここでは、一般的な習い事としての水泳の経験をお話しします。

ドイツには、全国共通の「水泳検定(Schwimmabzeichen)」があります。最初の段階は「Seepferdchen(直訳するとタツノオトシゴ)」と呼ばれる資格で、5歳から受講可能です。しかし、5歳になってから申し込もうとしても、すでに満員で空きがないことが多々あります。我が家でも、長男が5歳のときに所属していたスポーツクラブ(MTV)の水泳コースに申し込みをしましたが、すでに定員オーバー。そこで、待つこともできましたが早めに受講させたかったため、別のクラブを探しました。幸い短期集中コースを見つけることができ、週3回・2か月間で受講終了(費用は受講料と検定料含めて50ユーロ)。別のクラブなので二重で会費を払う必要はありましたが、それでも日本と比べればはるかにお得な金額でした。

この経験から「5歳になった時点で申し込んでも遅い」と学んだため、当時まだ1歳だった次男の分もすぐに申し込みを済ませておきました。その結果、次男は5歳になったと同時に所属クラブでこのコースをスタート。ちなみに三男の分も同じように早めに申し込みをしました。
コースの最後には検定試験があり、長男は見事合格。その後の段階には「Bronze(銅)」「Silber(銀)」「Gold(金)」「Leistung(競泳)」「Junior Retter(ジュニアレスキュー)」と続きます。これらのAbzeichnenを取得することは必須ではありませんが、例えば子供とその友達をプールに連れていく際に保護者、引率として子供たちの水泳レベルがどの程度かを把握しておくことができ、一定の実用性があります。
また、たとえこれらの水泳コースを受講せずとも十分泳力がある場合、公認のSchwimmmeisterの前で検定だけを受けることも可能です。

長男はその後、所属クラブのMTVで空きができたため、そのクラブでSeepferdchen後に続けてBronze、Silberまでコースを受講し、各Abzeichnenも取得。次男も5歳から始め、コロナ禍を経て順調にステップアップし、最終的にGoldまで取りました。これは、兄がSilberまで取得していたので「絶対に兄より上の資格を!」というモチベーションのおかげです。次男は9歳でGoldを取得した後は、さらに上級の「Leistung(競泳コース)」に進むことも可能でしたが、そこまでの意欲はなく、小学4年の学校の水泳授業で「Junior Retter」を取得しました。これはGoldを持つ10歳以上が受けられる救助中心のコースで、泳力だけでなく着衣泳や救助方法などを実践で学び、最後には筆記試験もあります。毎日かなりの距離を泳ぎ、実技は相当ハードだったようです。6月の屋外プールでしかも晴天が続いた中で毎日泳いだため、一気に真っ黒に日焼けしてきました。
ちなみに三男は、長男と同じくSilberまで取得しました。

最後に、この水泳検定の合格基準を簡単にご紹介します。細かい検定内容は、各自がもつ検定証明書に記載されています。
🐠 Seepferdchen(タツノオトシゴ)
最初の入門レベル。小学校入学前後で多くの子が挑戦します。水に慣れ、基礎的な泳力を確認する検定です。
〇25m泳げること
〇水中で拾い物(足の届かない深さでリングを拾うなど)
〇水に飛び込む(ジャンプ)など。

🥉 Bronze(銅)= Freischwimmer(自由に泳げる人)
基礎をマスターした段階。一人前に自分で泳げる。
〇200mを15分以内で泳ぐ(うつ伏せと背泳ぎを含む)
〇2mの深さから物を拾う
〇1mの高さから飛び込み
〇基本的な水泳知識(ルールや安全面)

🥈 Silber(銀)
持久力や水中での技術がさらに必要。体力・技術が大きく向上していることを示す。
〇400mを25分以内で泳ぐ(100m背泳ぎを含む)
〇3mの深さから物を拾う
〇2種類の飛び込み
〇10mの潜水(水中で移動)

🥇 Gold(金)
子どもの検定では最上級。高い持久力・技術を持つ証明。
〇600mを24分以内で泳ぐ(25m背泳ぎを含む)
〇50mをクロール(速さ重視)
〇50m背面キック(板なし)
〇15m潜水して3つの物を拾う
〇2mの高さからの飛び込み
〇水難救助に関する基礎知識(危険の回避方法など)

🚨 Juniorretter(ジュニアレスキュー)
水泳選手というより「水難救助」の入門資格。救助の入門、ライフセーバーの第一歩。将来 DLRG(ドイツ水難救助連盟) のライセンスにつながる。
〇100m背泳ぎ、クロール
〇100m着衣泳。その後服を脱いで陸に上がる。
〇25m潜水
〇救助泳法(誰かを抱えて泳ぐなど、数種類の特別な救助のための泳法)
〇心肺蘇生(理論と実技)

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