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ドイツで育つ子供たちと音楽

1)長男幼少期【その2】
「幼児期の音楽」

さて、今回は前回少しだけ触れた、ドイツでの幼少期の音楽事情についてです。
簡単に言うと、ドイツで音楽、いわゆる楽器を習うということは、完全に学校以外での活動になります。つまり、本人と親次第、ということですね。

日本では、幼稚園や小学校でカスタネット、トライアングル、ピアニカ、ハーモニカ、そして縦笛などを経験しますが、ドイツではそれらはまったくありません。これまでも書いてきましたが、スポーツと同様に、楽器も学校以外の時間で習うものです。

そもそも、幼児教育者、保育士などの資格を取得するためにピアノ演奏が必須ということもなく、その教育課程において「音楽」の授業自体がありません。これにはさすがに驚きました。Berufsschule(職業学校)には「Erzieher」の課程、いわゆる保育士になるための教育課程がありますが、彼女・彼らの資格取得の必須教科に「数学」はあっても、「音楽」がないのです。

こちらドイツに住む日本人の音楽家の方たちから、以前こんなことを言われました。
「なぜ幼稚園の先生方はで楽器ができる人が少ないのか? なぜ音楽を学ばないのか?」と。
それに対して私が「でも、数学は必須だよ」と言うと、みな本当に驚いていました。

もちろん幼稚園にもよりますし、子供たちの通っていた幼稚園では、保育士先生の一人がギターを演奏できたため、よく子供たちと一緒に歌を歌っていました。しかし、次男、三男のころにはその先生も引退されてしまい、幼稚園の中には楽器らしいものがほとんどなくなってしまいました。季節や行事ごとの歌は歌いますが、それもごくわずかです。特に多いのはクリスマスの歌ですね。

また、小学校の音楽の授業で学ぶ内容も、どちらかというとセオリーが中心です。もちろん楽器について学ぶことはありますが、実際に演奏するわけではありません。日本のように、生徒全員がピアニカや縦笛、リコーダーなどを揃え、音楽の授業で演奏方法を学ぶということはまったくありません。
つまり、個別に楽器を習わない限り、ほとんど何の楽器にも触れないまま大人になっていくのです。カスタネットやトライアングルでさえ、経験がない人も珍しくありません。

とはいえ、歌だけは歌えますし、実際に「コーラス」を習う男子も多いです。教会の聖歌隊でコーラスをしている子供たちもいますし、ギムナジウムになると、学校ごとにコーラスの発表会が開催されるなど、意外と活発な一面もあります。
このようなドイツの音楽事情を知らないままではありましたが、長男が小学校入学に合わせてピアノを始めることができたのは、今振り返ると本当によかったと思っています。

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