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ドイツサッカー少年記 ギムナジウム5年U12【その17】「体験練習と移籍先候補」

7)ギムナジウム5年 U12【その17】「体験練習と移籍先候補」
前回、新しく就任予定のコーチとの問題から、次男が移籍を考えていることを書きました。そして、その移籍候補として、2つのクラブで体験練習に参加できることになりました。ともに同じ地区のリーグにあるクラブです。

まずは一つ目のクラブです。
このクラブへの移籍を考えたのは、現在のU12ではなく、本来は来シーズンからU14になるU13チームのコーチから、次男に声をかけてもらったことがきっかけでした。そのコーチは、次男がU11のときに彼のチームを指導していた方で、次男はそのコーチをとても慕っていました。その方が半年前からこのクラブのU13のコーチに就任していたため、来シーズンからU14になるこのクラブのチームへの移籍を、次男も候補の一つとして考えるようになりました。
ただ、次男は来シーズンは本来U13の年代なので、このクラブからは、まず実際の年齢カテゴリーであるU13ではなく、現在U12のチームで体験練習をすることが必要だと伝えられました。そのため、まずはU12のチームで体験練習に参加することになりました。

とはいえ、すでに何人かよく知っている選手がいるクラブだったこともあり、この日も楽しく練習することができたようです。
このクラブの新U13コーチには、これまでNLZでもコーチをしてきた方が来シーズンから加わることになっており、この体験練習の日には、その方ともいろいろと話をする機会がありました。
とても誠実な方で、このクラブの目標についても、
「選手個人のパフォーマンスを伸ばすことが第一の目標。それができれば、チームのレベルもおのずと上がっていく」
とおっしゃっていました。
それを聞いて、現在の我がチームの新しいコーチが話していることとはだいぶ違うな、と少し感心してしまいました。
というのも、次男を含め、移籍を考えている我がチームの数名の選手たちは、みなチームの中心選手です。そのため、彼らが移籍してしまえば、現在のチームが弱体化することは避けられません。
そのため、新しく就任するコーチは、保護者のグループにも、また選手たちにも頻繁に、「どれだけ我がチームがこのリーグで強いのか」ということを伝えていました。
確かに、強いチームでした。
しかし、それはあくまで昨年までの話です。
1年前には、この新コーチが率いていたチームから2人がNLZへ進み、我がチームからも2人がハノーファーの強豪クラブへ移籍しました。さらに1人は、来シーズンからもう一つのハノーファーの強豪クラブへ移籍することが決まっています。
この1年間は、残ったこの2チームが合同チームとしてプレイしてきましたが、来シーズンからは、さらに2015年生まれの選手たちとの合同チームになります。
これまでの結果は、中心選手たちがいたからこそ得られたものだということを、選手たち自身が一番よくわかっています。それにもかかわらず、新コーチから毎回のように「自分たちは最強のチームだ。来シーズンはリーグで1番を目指せる」という話をされるため、正直なところ、もう「自分たちは最強のチームだ」と言われることに少しうんざりしていたのです。
だからこそ、今回の移籍候補先のクラブのコーチが話していた「選手個人の成長を第一に考える」という目標を聞いて、これこそジュニア年代に必要な、サッカー育成の本質なのではないかと、とても新鮮に感じました。
そして、このクラブからは、ぜひ来てほしいという好意的なオファーをいただきました。

そして、もう一つの移籍候補のクラブでの体験練習です。
ここはこの地区では、どの年代でもほぼリーグのトップを争うような強豪クラブです。U14、U15あたりになると、毎年、各チームからNLZへ移籍するような選手も出てきます。
次男の年代である2014年生まれのチームは、これまでリーグで3位前後の位置にいるチームでした。しかし、クラブとしての実績や規模があるため、コーチ陣もしっかりしており、毎年のようにコーチが足りないといった問題も少ない傾向にあります。
また、次男の仲のよい友人もこのクラブへの移籍を前向きに考えており、一緒に体験練習を受けることになりました。
このチームにももちろんすでに友人がいたため、体験練習もとても楽しく参加することができたようです。
また、クラブ自体に資金力もあるため、今後も安定してサッカーに取り組める環境が整っています。毎年、公式戦だけでなく、他地域の強豪チームやNLZとの親善試合、そしてTurnierへの参加も積極的に行っています。
そのため、サッカーをBreitensportとして楽しむだけでなく、Leistungssport(競技スポーツ)としても、このジュニア年代にしっかりとした育成を受けることができるのではないかと思いました。
幸い、このクラブからも「ぜひ来てほしい」というオファーをいただき、次男の友人は、この体験練習後に早々にこのクラブへの移籍を決めました。

ただ、もう一つの移籍候補先、つまり前回すでに体験練習を終えたクラブの新U14チームでの体験練習には、まだ参加できていませんでした。そのため、この時点では次男はまだ、どこか一つのクラブへの移籍を即決することはしませんでした。
また、現在のクラブに残留するという選択肢も、まだ残っていました。
ところが、そんな時に、クラブで選手と保護者が参加する保護者会が行われました。そこで新コーチは、別のクラブへの移籍を考えている選手たちに対して、「考え直すように」と話しました。しかも、その中で次男だけが名指しされ、みなの前で直接そのことを言われたのです。
移籍する選手が後味を悪く感じるような口調であり、また、まるで次男が、現在のチームが抱えている問題の原因の一つであるかのような雰囲気にされてしまったこと、もちろんコーチにそのつもりはなかったでしょうが、その場にいた保護者としてはとても残念に思いました。

次男はもともと、そういったことをされてもあまり気にする性格ではないので、その時は笑って済ませていました。しかし、この保護者会をきっかけに、次男も「もう絶対に、どこでもいいから移籍する」といった態度になったのです。
もちろん、新コーチの言い分も理解できます。これまでも長い間、ボランティアとしてコーチを務めてきた方です。自分が描いていたチーム編成や計画が思うように進まなくなり、中心選手たちが移籍してしまうことへの焦りもあったのだと思います。
けれども、大人同士で解決すべき問題について、選手にその責任を負わせるように見える行動は、やはり気持ちのよいものではありませんでした。せっかくこれまでよい成果を残してきたコーチだけに、そこは本当に残念でなりません。
結局、こうしたことが重なり、6月に入ると、次男は移籍する方向で動き始めることになりました。
移籍の期限まで、あと1か月です。

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