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ドイツサッカー少年記 ギムナジウム5年U12【その18】「再び訪れた移籍のチャンス・そして、自分で選んだクラブ」

7)ギムナジウム5年 U12【その18】「再び訪れた移籍のチャンス――そして、自分で選んだクラブ」

新チーム編成や移籍の問題がまだ残っていた、2025/26年シーズン終了間際の6月。並行してリーグの公式戦もあと1試合残っており、Turnierなども予定されていました。

移籍することは決めたものの、「では、どこのクラブへ?」という状態。そんな先行きの不安定なシーズン終わりの6月初め、なんと、3月末に一度不合格となったハノーファーの強豪クラブから、再び体験練習への招待をいただきました。そして、そのクラブのライバルクラブからも同じように体験練習への招待をいただいたのです。
移籍期限まであと1か月というタイミングでの、突然の話でした。
でも、これはもう最後のチャンスが巡ってきたのだと思いました。

その2つのクラブは、どちらもハノーファーリーグの強豪クラブで、そこから多くの選手がNLZへ移籍していきます。一度不合格となったクラブAのトップチームは、現在ブンデスリーガ3部でプレイしているクラブです。もう一つのクラブBも、ドイツ北部では育成環境のレベルの高さで知られているクラブです。
こうして6月に入り、その両クラブでの体験練習が続きました。

まずクラブA。ここではすでに体験練習もテスト試合も経験済みです。一度不合格となったクラブでしたが、今回は「再挑戦」という気持ちで体験練習に挑みました。
本人によると、前回と同じように落ち着いてプレイできたとのこと。また、前回指摘されたように、ただミスをしないプレイをするだけではなく、積極的に自分のアイデアを出し、攻撃的な面でもアクティブにプレイできたと話していました。
2回の体験練習の後には、さらにテスト試合へ参加する予定でした。ところが、2回目の体験練習を終えたところでコーチ陣に呼ばれ、なんとその場で「合格」の話をいただいたのです。
最初は「えっ?」と思いました。
コーチ陣からは、
「A(次男)は判断が速い。いろいろなことがよく見えている」
と言われました。
本来であれば、「では、よろしくお願いします」とすぐに返事をするところです。しかし、翌週にはもう一つのクラブBでの体験練習も控えていたため、クラブBでの体験練習を終えてから返答することになりました。

とはいえ、帰り道の次男は、それはそれは本当に喜んでいました。
当然のことです。一度不合格になり、相当悔しい思いをしたあとに、再び巡ってきた挑戦。そこで今度は、みごと合格したのです。
この日はその喜びを胸に抱きながらも、もう一つのクラブBでの体験練習があるため、まだ気を引き締めておくことにしました。

さて、次はクラブBでの体験練習です。
このクラブには、冬季に2~3回ほど練習に参加したことがありました。しかし、その当時のコーチが「来シーズンは新規の選手獲得を行わない」という方針へと転換したため、その後、移籍の話には進みませんでした。
ところが、シーズン終了間際になって、そのコーチが辞め、新たなコーチ陣がこのクラブの新U13を率いることになったのです。
そして、このクラブのジュニア責任者が以前から次男のことを気にかけてくださっており、改めて体験練習へ招待してくださったのでした。

このクラブには、すでに次男の仲のよい友達が3人もいます。それも、同じ地区出身の選手たちで、Stützpunktでは同じCelle地区の選手として毎週月曜日に一緒に練習している仲間です。また、次男が慕っていた現在の所属チームのサブコーチも、このクラブへ移ることになっていました。
体験練習では、今回もいつも通り落ち着いてプレイできたようで、すでにコーチからも好意的な話をいただいていました。
そして、すべての体験練習を終えた後の面談で、このクラブからも合格をいただきました。

こうして、先月まで移籍問題で悩んでいた次男は、なんと2つの強豪クラブから合格をいただくことになったのです。
もちろん、合格をいただいたことは大変うれしいことです。
しかし、ここで新たな問題が出てきました。
「では、どちらへ行くのか?」
返答までには1日しかありません。
そこで次男と私は、両クラブについて評価リストを作成し、どちらが次男に適しているのかを照らし合わせてみることにしました。
まず、両クラブのレベルはほぼ同じです。そのため、「どちらにいたほうが勝てるか」といったことは、評価の対象には一切しませんでした。
それよりも、クラブの雰囲気、環境、コーチ、選手たち、そして何よりも次男自身の直感。
そういった点について、次男にじっくりと振り返って考えてもらいました。
私が彼の話を聞いて記入し、それでできあがった比較評価リスト。
結果を見ると、明らかにクラブBのほうが高い評価でした。
そこで私は、
「では、クラブBに決める?」
と聞きました。
すると次男は、なんと、
「クラブAに行く」
と答えたのです。
私は、
「え? あなたが評価したところ、ほとんど全部クラブBのほうが上だよ」
と言いました。
すると次男は、
「クラブBの選手たちはドリブルを選択することが多かった。それに対してクラブAは、もっとパスをすることが多い。彼らの試合を見ていないから本当はどうかわからないけどね。」
と言いました。
そして続けて、
「でも、ぼくがやりたいサッカーは、クラブAにある」
と言ったのです。
私は、
「じゃあ、こんなにたくさんリストを作って比較したけど、結局あなたの直感はクラブAだったんだね。最初からクラブAに心は向いていたの?」
と聞きました。
次男は、
「そう」
と、あっさりと答えました。
親としては、すでに信頼できる保護者も数名いるクラブBのほうが安心だな、などと考えていました。でも、移籍するのは次男です。
もう一度、「本当に後悔しない?」と確認しました。
それでも彼の決意は固いようでした。
これは彼のサッカーです。
彼の意思を尊重して受け入れ、翌日、まずクラブAのコーチへ返答しました。そのあとクラブBへ。そして、その他にもCelle地区のリーグ内で体験練習をしていたクラブのコーチたちへ、それぞれ返答をしました。
こうして、シーズン終了間際、移籍期限まであと2週間というところで、ようやく彼の移籍先が決定したのです。

この移籍について、今シーズンを通して次男と話してきたことがあります。
ある程度実力が上がり、チームの中心選手としてプレイするようになったり、Stützpunkt選手としてプレイするようになったりすると、「もっと上を目指したい」「もっと強いクラブでプレイしたい」と考えるようになるのは理解できます。実際、次男の友達もすでに何人かNLZや強豪クラブへ移籍しています。
しかし、
「強いクラブへ移籍した=自動的に自分も強くなる」
ということではありません。
どこでプレイするかではなく、最終的には「自分がそこでどうプレイするのか」「どうサッカーに取り組むのか」が大切なんだよ、ということを、今シーズン何度も次男に話してきました。
せっかく強豪クラブへ移籍しても、控え選手になるかもしれません。思うようにプレイできないかもしれません。
移籍すれば、すべての問題が解決するわけではありません。
そのうえで、それでもサッカーに向き合うことができるのか。
それをもう一度、次男に確認しました。

一度不合格になってからの再挑戦。そして、その後に勝ち取った合格。
次男にとっては、とても素晴らしい経験になったと思います。
そんな経験があったからこそ、今回の移籍は、本人にとってより意味のあるものになったのかもしれません。
そして、自分自身で決めた移籍先。
親としての役目は、その彼の意思を尊重し、支えることだけです。
おそらく、これまで以上に競争も激しくなるでしょう。それでも、大好きなサッカーを、できるだけ長く続け、そして楽しんでほしいと願っています。

今後はまた、新シーズン新しいクラブでのサッカーが始まった次男の移籍後の話を続けていきたいと思います。
ただ、その前にしばらく特別編として、長男と三男のスポーツについても綴っていきたいと思います。

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