ドイツで育つ子供たちと音楽
3)三男幼少期【その2】「三男がバイオリンを始める」
さて、いよいよ本格的にバイオリンのレッスンがスタートしました。
初めて「バイオリン」というものを手にしたとき、三男はそれはそれは大喜びでした。バイオリンの持ち方、弓の持ち方、姿勢、バイオリン各部の名称などを一通り簡単に習い、いよいよ実際に弾いてみることに。まずは4本の弦それぞれの音を出してみました。
私はそんな様子を見ながら、「お願いだから、バイオリン壊さないでね……!」と内心ヒヤヒヤしていました。
この時のバイオリンは音楽学校から借りていたものです。毎月のレッスン料と合わせてレンタル料を支払っていました。この時期は体の成長も早く、数年で次のサイズのバイオリンが必要になりますし、どれくらい続けるかも分からないため、まずは学校から借りて使用するのが一般的です。
そして彼の弾くバイオリンの音は、想像通りのものでした。いわゆる「バイオリンの音色」とはほど遠い音です。しかし、先生と一緒にリズムを取る練習をしたところ、三男のリズム感はかなり良かったようで、先生も当時とても驚いていました。その点に関しては今思うと、楽器演奏に向いていそうな要素は多少あったのかもしれません。
そしてバイオリンを家に持ち帰り、自宅での練習が始まりました。
とはいえ、相変わらずギーギー、キーキーという音ばかり。毎回必ずドアと窓を閉めての練習です。でも本人はそんなことはまったく気にしていない様子で、ひたすら習った音を弾いていました。(最近では庭でもたまに弾いています。)
けれども、彼はとにかくそのバイオリンの先生のレッスンが大好きでした。いや、正確に言えば、バイオリンのレッスンそのものというよりも、その先生と一緒に過ごす時間が楽しくて、毎週欠かさずレッスンに通っていたのです。つまり、バイオリンを習いに行っているというより、先生に会いに行っていたような感覚だったのかもしれません。それほどまでに、彼はその先生とのレッスンが大好きでした。
その気持ちは3年経った今もまったく変わらず、今でもその先生のことが大好きです。おそらく、これが彼がここまでバイオリンを続けている一番の理由なのだと思います。
毎回のレッスンでは、今でも先生を困らせるほど言うことを聞かず、自由に楽しんでいる三男ですが、そんな彼を相手に根気強く指導を続けてくださっている先生には、ただただ感謝の気持ちしかありません。彼女のおかげで、三男はバイオリンを弾く楽しさを知り、音楽そのものを楽しめるようになりました。
やはり、先生との相性というのは本当に大切な要素なのだと、改めて実感しています。
