暮らすように旅をする ― インドネシア編 最終日✈️ 旅の終わりに、ひとつの出会い
朝5時30分、空港に向けて出発する。
フライトは8時30分。
スーツケースを預ける。
荷物は20キロまで。
持った感覚は、微妙……。
オーバーしていないことを祈りながら差し出すと、
表示は20.00kg。
小数点の下まで、ぴたりと揃っていた。
その数字に、思わず歓喜の声が上がる。
無事にチェックインを済ませ、軽く食事を摂る。
そのまま出発ロビーへ向かうが——
出発時間を再確認すると、2時間以上遅れている。
もう一度、時間をつぶせる場所を探す。
どこも人でいっぱいで、なかなか落ち着ける場所が見つからない。
カウンターだけの小さなお店に、イスが点在しているのが見えた。
別れて座ろうか、と話しながら中に入る。
そのとき——
「詰めましょうか」
男性の声がした。
空耳?
……日本語だよね。
日本人らしき人、いないし。
思わず3人で顔を見合わせる。
すると、背後からもう一度。
「詰めますよ」
声の主を見つけ、驚きの声を上げながらお礼を言った。
彼は、日本とインドネシアに拠点を持つビジネスマンで、
およそ3か月周期で、二つの国を行き来しているのだと話してくれた。
今しがた帰国し、
バリ島近くの島へ戻る途中なのだという。
国内線への乗り継ぎで、
その待ち時間なのだそうだ。
互いに、愉しい時間になりそうだと自然とワクワクしてくる。
彼の日本での拠点や仕事、
インドネシアでの居住地のこと、
彼から見たインドネシアの文化や地域による特徴。
また、彼から見た日本の美点や、インドネシアの良さなど、興味深い話が次々と溢れてくる。
そして私たちがこの旅で
どんなふうに過ごしてきたのかを話した。
屋台で食事をしていたことを伝えると、
お腹は大丈夫だったかと聞かれる。
誰も体調を崩すことはなかったと答えると、
それはすごいことだと、驚いていた。
それならぜひ、自分の島にも——
と、思いがけず、ビジネスの種まで提案された。
そんな話で盛り上がりながら、
気がつけば、あっという間に2時間が過ぎていた。
日本での再会を約束して、別れた。
今日、日本に帰るのは2人。
けれど、それぞれ別の便に乗る。
出発の時間は1時間ほどの違いでも、
到着は一日ずれるのだという。
ひとり、窓側の席に座る。
のんびりと、空の旅を味わう。
窓の外には、広がる空。
その中に沈んでいく夕陽は、一際眩しくて、
静かで、
そして圧倒的に美しかった。
