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[番外編]ウイスキーのテイスティング

✴︎随時加筆します。

私とテイスティングの出会い


Childhood baking memories子どもの頃を思い出す、焼きたての香り

エプロンを身につけ、祖母のキッチンに立つ。古い木製の戸棚を開けると、まずカスタードパウダーの甘い香りがふわりと立ち上る。庭で摘んできたばかりのルバーブを刻み、レモンの皮を削り、そこにひとさじのアルコールを加えて、極上のトライフルを仕立てていく。口に含むと、マンダリンオレンジやオーツミルク、スパイスの風味が広がり、マンゴーとハチミツによるシルキーな口当たりが印象的。加水した香りは、花と小石に満ちた温室へと誘われ、ネクタリンや白ブドウがレモンやマンダリンに重なり合う。味わいはぐっとトロピカルな表情へと移り、トーストしたココナッツやパッションフルーツが前に出てくる。口当たりはレモンメレンゲパイの表面のように、舌に絡みつくワクシーな質感へと変化する。

(出典 https://smwsjapan.com/80%EF%BC%8E47/product/080047/


突然ですけどコレ。何のこと言っているかわかりますか?
現代文の読解テストから抜粋したような文章ですが
とあるウイスキーの感想です。

一体何を間違えればウイスキーを口に含んで祖母がキッチンに立つ姿を想像できるのでしょうか。少なくとも私はウイスキーを入口にして花と小石に満ちた温室に誘われたことはありません。

これはウイスキー界では有名なSMWS(ザ・スッコチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)という有料会員制のウイスキー愛好家団体のテイスティングノート(ウイスキーの感想文)です。
ここの団体は会員向けに販売するボトルは蒸留所の記載はせず全て数字で表記し文学的なテイスティングノートを記載することで昔から有名な団体です。

20代前半の私はこのテイスティングノートを見て真剣に。しかし滑稽に見えるようなノートたちに魅せられてしまいました。自分もウイスキーを自由に表現したい。ウイスキーを通して世界を広げたい。そう思うようになりました。そこから仕事にする訳でもないのですが[テイスティング]について真剣に取り組むようになります。

私が取得したウイスキープロフェッショナルにはブラインド・テイスティング試験(銘柄や情報を伏せて評価をする)があります。一応合格はしていますのでまぁ少なくともバカ舌では無いであろう私が思うテイスティングとアプローチについて書いてみようと思います。


テイスティングで大事な3つの要素


当時22歳。10年前のとあるイベントにて。

まずウイスキーに限らず。私が思うテイスティングにおける重要な要素を書きます。

それは


1・大前提を間違わないこと!

例えばアードベック10年を飲んでノンピート。

グレンドロナック12年を飲んでバーボン樽由来の〜。

メーカーズマークを飲んでモルトの〜

といったように見当違いなコメントをしないこと。
アードベックはへービーピート(強い薫香)で有名ですし
ドロナックはシェリー樽で大半が熟成されています。
メーカーズはアメリカンウイスキーなのでメインの原料はモルトではなくコーンです。こういった大前提のベースの情報を誤らないことです。ここを間違うとその先のテイスティングが全て間違った方向に向かう可能性があります。ピート/ノンピート。バーボン樽/シェリー樽の違いは比べて飲めばすぐにわかりますのでそれぞれの特徴を覚えれば難しいことではないと思います。慣れると香りでシングルモルト・ブレンデットの違いがわかるようになります。ですが山崎12年からピートを感じ取るといったような少ないフレーバーを感じることは難しいのであくまでも大前提な部分。そのブランドが売りにしている部分は必ず感じ取ることが重要です。冒頭の壮大なテイスティングコメントで言えばマンゴー・ハチミツ・白ブドウといったあたりですよね。トロピカル系のコメントが必須ということです。


2・表現は自由!

1で書いた大前提をコメントすれば後は自由です。冒頭に書いた祖母のキッチンの立つ姿のような部分です。自身が感じた味や香りから連想される情景を片っ端か書いてみてください。それぞれが感じることなので間違いもクソもありません。後は雑誌、それこそSMWSなどのコメントを読んで引き出しを増やすことも重要です。ここはとにかく表現する練習をしないとSMWSには近づけません笑

私が初対面の数名の方にウイスキーのテイスティングをレクチャーした時に同じウイスキーを飲んで質問しました。「このウイスキーは若くておてんばなJKだね。公立に通ってるかな?私立かな?」と問いかけると満場一致で私立と答えていました笑 ね?頭おかしいでしょ。でも短時間でこの会話ができるようになるとウイスキーを愉しむということが本当に楽しくなります。



3・自信を持つ!勇気を持つ!

これが本当に大切。所詮は感覚の世界なので十人十色の意見があります。
自身が感じたものが他人には共感されない事はよくあります。そんなことは当たり前のこと。重要なのは発言・発信して意見を共有することです。大前提を抑え豊かな表現ができるともう無双状態。瞬く間に世界が広がります。



味覚と嗅覚を磨く

じゃあどうやってテイスティングのレベルをあげていくのかと。
実はこう言ったものがあります。


出典 https://whiskymag.jp/フレーバー・ホイール/

ウイスキーの味や香りはそれぞれジャンル分けされていて各フレーバーに至る成分も化学的に理解されています。つまりいくら感覚とはいっても正解があるのです。またこれを理解すると何か1つ例えばバニラ・レーズン・リンゴなどフレーバーを感じることができればそれに近いフレーバーを連想することができます。

同系統のフレーバー
マンゴー?→バナナ・パッションフルーツ・パイナップルetc…

バニラ?→メープル・ハチミツ・キャラメル・シナモン

ミント?→干し草・芝生・甘草


ブレンダーは毎日のように膨大なサンプルをテイスティングする(秩父蒸留所にて)


オフィシャルボトルを飲む→公式HPを見るを繰り返す


フレーバーの属性を理解していざテイスティング。
有名なオフィシャルのボトルを何も調べずに飲む。そして適当でいいので感想を書く。その後に公式のHPを見ます。必ず公式のテイスティングノートがあります。これはかなり簡潔にわかりやすく書いてあります。つまりそのウイスキーのブランドが絶対に伝えたい・伝わって欲しいフレーバー(大前提)が書いてあります。
それを見て自分の感じたフレーバーと公式(正解)のズレを修正していきます。


感想・なんか甘い系?ケーキかな?→公式表記・アップルパイ・メープルなど

これを繰り返すことにより自然と正確な味覚に近づきます。
ここまで来ればブログやSNSで発信できるレベルになっているハズです。

後の豊かな表現はもうアートでも何でも触れて表現を蓄えてください笑


これで私は20代前半でテイスティングのイベントで高成績を残したり
テイスティングノートコンテストで賞をいただいたりしています。

このタリスカースパイシーハイボールで書くならば

大前提→ペッパーなどのスパイス系・荒波を連想させるピート系(タリスカーはこれがウリ!)

これを書きつつ自身の感想を書けばOK。と言った具合です。ピート香からキャンプや焚き火を連想するもヨシ。荒波や胡椒から困難なエピソードを書くもヨシ。そこに今回はハイボールなので炭酸に絡めた表現を入れれば立派なコンテストノートの完成です。


小諸蒸留所にて。さすがイアン・チャン氏。

お酒のことならバーに聞け!

そしてやはり忘れてはいけないのがバーテンダーの存在。
行きつけがあるのならぜひマスターにテイスティングについて聞いてみてください。肩肘張らずにウイスキーの感想を素尚に聞くだけでもいいと思います。結局これです。バーに行けばよいのです。


何か質問あればいつでもどうぞ。お近くならどこかのバーで飲みましょう。
それでは。


マッカランのテイスティングセミナーにて






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