最後の一滴に見入る時間。「日本茶喫茶 KiKi北千住」で味わうちょっといい日常。
月に1度は夫婦ふたりの時間を作っている。夫のまーくんが休みを取ってくれたこの日、お昼の12時に「KiKi北千住」の予約を取った。 予約できるのは1組2名まで。だからこそ、大切な人を誘いたくなる空間だ。
私たち夫婦は、毎晩夜ご飯を食べながら必ず話をする時間をとっていた。だけど、転職して仕事が忙しくなったまーくんと、娘の寝かしつけに1時間ほど付き合う私。夜ご飯は別々になり、できるだけ早く寝るために、そそくさと話をする時間を切り上げてしまう日々が続いていた。 だからこそ、この日、KiKi北千住でゆっくり過ごせる時間をとても楽しみにしていた。
「ご予約時間ちょうどにご来店いただきますよう、お願いいたします。」
予約画面に赤字で書かれていた、お店からの約束事。 それを守るために、歩く速度を調整したり、寄り道して散策してみたり。そうやってふたりで歩幅を合わせておしゃべりを続ける時間が、私はとっても好きだ!むしろ、そのために時間に余裕を持って歩きたかったりする。
これから素敵なお茶の時間を過ごすというのに、電車に乗る前のカフェや車内では『夫婦はなぜ壊れるのか』という本をふたりで読んでいた私たち。北千住の駅を降りてからは、その感想を熱心に語り合った。 少し不穏なタイトルの本だけど、あれこれ意見を交わしながら歩いているうちに、あっという間にお店に到着した。
「入っていいかな」 「まだ“closed”だね!」 「あと、もうちょっと!」


お店を訪問するのは今回で2回目。12時になると、店員さんがあたたかい笑顔で扉を開けてくれた。このとびっきりの笑顔を見るだけで、お店に入る前から心がほんわりあたたかくなる。もしかしたらあの方、お茶の妖精かもしれない。


古民家をセルフリノベーションした店内に足を踏み入れ、深呼吸。はじめて訪問したときから感じる安心感。そして、張りつめたものとは違う、穏やかな緊張感。 いや、緊張感とはちょっと違うな。安心感に包まれながらも、だれるのではなく「普段よりちょっとだけ背筋がスッと伸びる」ような感じ。この心地よい感覚はなんなんだろう。
さて、今日はどの席に座ろうか。




「ここの光がきれいだね」「あっちの光もきれいだよ」 天窓から光が差し込む席に決めて、店内をぐるりと見渡す。光が差し込む場所を探すのが好きな私は、そんな会話を楽しみながら、時間がどんどんゆっくりになっていく感覚を味わっていた。



席に着くと、お店で提供されるお茶のベースとなる茶葉の紹介をしてもらえる。 小さな器に入れられた種類の違う茶葉が並ぶ様子を眺め、一つずつ手に取り、鼻に近づけ香りを楽しむ。まるでお茶を楽しむための準備運動みたいだ。お気に入りのお茶が見つかる時間でもあるので、ここはじっくり楽しむのがおすすめ。
悩みに悩んで、欲張りな私たちが選んだカレーとお茶、そしてパフェ。食べたいものは我慢せず食べる。それが一番です。


スパイスのおいしそうな香りに包まれた待ち時間。しばらくすると、カレーが運ばれ、その後に空のグラス、たぷたぷと急須の中で揺れるお茶が運ばれて、目の前で丁寧にグラスの中へ注がれていく。






この風景を眺める時間こそ、私がお店に足を運ぶ最大の理由なのかもしれない。 じゅわっと高温のお湯で煮出した茶葉に、炭酸水と氷を入れ一気に冷やしたお茶のソーダ。すべて急須の中で完結するスマートさがうつくしい。
時々、急須をやさしく回転させる。 最後の一滴まで余すことなく注ぐ所作が、うつくしすぎる……。
手とお茶。触れ方、支え方、持ち方。 まだまだお茶のことは詳しくないけれど、目で見て、香りを鼻で感じるだけじゃなくて、手を通してお茶に意識を向けることで、お茶との距離がいまより少しだけ縮まりそうな気がした。
選んだのは、あえて、自宅でも飲んでいるのと同じ茶葉。 なのに、自分じゃない誰かに淹れてもらうだけで、お茶はこんなにも違う表情を見せてくれる。ただのお口直しではなくて、ひとくちずつ、大切に味わいたくなる一杯だった。





夫のまーくんにも、この日の感想を聞いてみました。
いい関係とは、形容詞をたくさん共有できる関係だそうです。「おいしいね」「楽しいね」「嬉しいね」そういう形容詞を交わすために、カップルは一緒に映画を観て、夫婦は一緒にご飯を食べるんだと思います。KiKiには、形容詞がたくさんあります。「店員さん素敵だね」「お店も素敵だね」「お茶って面白いね」「カレーおいしいね」「パフェかわいいね」。何気ない会話を通して、夫婦であることを確認し合う。そんな豊かな時間をkikiは提供してくれました。また行きたいね。
素敵なお店で過ごせてうれしいね。

KiKiのお茶はすでに手元にあって、日常に溶け込んでいる。 だけど、少し先にある「ちょっといい日常」を味わうために、私はまたここに足を運びたくなる。
ごちそうさまでした。また来ます。

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KiKiのお茶に出会って、子育てで忙しない日々の中でお茶を淹れる喜びを取り戻したときの話はこちら。
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そして、KiKi北千住のnoteはこちら
ここからは、自分の記録用に写真を残します。
※写真撮影はお店の方の許可を取って撮影しています。















またね
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