「そんなつもりじゃなかったんだけど・・・」の正体|ちゃんと話しているのに伝わらない原因
会議で自分の意見を言ったあと、なんとなく流された気がする。
あるいは、
ふつうに話しただけなのに、相手がちょっと固まったように見えた。
どちらも「そんなつもりじゃなかったのに」と思う瞬間ですよね。
伝わらない原因の多くは、話の中身ではありません。
自分が出しているつもりのものと、相手が受け取っているものが、
ずれていることにあります。
そしてそのずれ方は、大きく2つに分かれます。
■ 真逆なのに、同じことを言う二人
先週、Aさんは会議でこう言いました。
「これ、〜のほうがいいと思うんですけど」
・・・。(微妙な沈黙)
ーーーー「なるほど」
同じ週、Bさんも会議でこう言いました。
「これは〜のほうがいいと思います」
・・・。(微妙な沈黙)
ーーーー「はい、それで大丈夫です、、」
二人とも、発言後に微妙な沈黙が流れ、
Aさんの話は完全スルーされていますが、
Bさんの話は意見交換が行われることもなく、即採用されたようです。
Aさんは、自分の意見に自信がありました。
一方でBさんは「もう少しみんなの意見も聞きたかった」と感じていました。
だから、二人とも後でこう言うんです。
「そんなつもりじゃなかったのに・・・」
不思議ですよね。結果は真逆のことが起きているのに、出てくる言葉は同じ。
■ 自分が何を見せているか?
私たちは、声質や、話す雰囲気で相手の印象を決めています。
もう少し具体的に話しをすると、
表情、声の質、高低、話すスピード、強弱、間、姿勢、ジェスチャー・・・
案外、色々な種類の情報をたくさん受け取っていて、それを元に、
"相手の印象を決めている" のです。
相手に嫌な思いをさせたくない、と強く思うと
相手の反応ばかりを気にした雰囲気をまといますし、
相手に舐められたくない、と強く思うと、
自分を強くみせようとする雰囲気をまといます。
全部自分から出ているもの、な・ん・で・す・が!
「自分が見せているはずのもの」と「相手が受け取る」ものには
差が出ることがあるのです。
例えば、
「良かったんじゃない」
という言葉も、たとえ笑顔を作って言ったとしても、
声のトーンや語尾の言い方一つで、
褒め言葉にも皮肉にも聞こえることがあるのです。
先程のAさんとBさんも、
自分の思っていたことと、
相手の受け取り方に
ズレがあったと考えられます。
例えば、Aさんの場合、自分の意見をいうタイミングなのに、
・小さな声で
・話す前からちょっと笑ってしまっている
・周りを見ようとして目線がキョロキョロ動く など
Bさんの場合には、
・大きな声
・眉間に強く力が入っている
・姿勢を良くしようとして胸を張りすぎている など
何を言ったか、ではなく、
実際に何を見せたか、何を渡したかが、
「そんなつもりじゃなかったのに・・・」
につながっていたのです。
■フリーアナウンサーとして、私が”ズレ”に悩んだ話
私がアナウンサーとしてのキャリアをスタートさせた放送局で
私が1番に先輩から学んだことは、
「アナウンサーという仕事は、周りの人達のお陰でしか成り立たない」ということでした。
インタビューをする相手が話してくれなければ、インタビューが成り立たないし
出演してくださるタレントさんがいなければ、盛り上がらない
もっというと、
音声さんがマイクをオフにしてしまえば、私の声は入らないし、
カメラマンが私を画角から外してしまえば、姿すら映らない。
ディレクターさんが編集でわたしの発言をカットすることだってできるし、
失敗したところを見せれば、たちまち私は笑いものです。
当然、そんなことをする人は、私がお世話になった会社にはいませんし、
むしろ、
私が失敗したところは、カットし、良いところだけをつなぎ合わせて編集してくれました。
すると、どうなったと思いますか?
たちまち私は、実力以上のアナウンサーとして映り、それがテレビで放送されることもあったんです。
そう、私はまさに
”周りの人たちのお陰で、仕事ができている”
を実感し続けた局アナ生活を送っていたのでした。
この教えは、私の立ちふるまいに大きな影響を与えました。
フリーになった、アナウンサー7年目。
アナウンサー業界で言うと、
それなりにキャリアを積んだ中堅アナウンサーです。
どんな仕事も、出来て当たり前。
そこにプラスαを出せてこそ、価値が伝わる
でも、私は決して自分が「できる」とみせるのではなく、
とにかく、謙虚に!! を全面に見せようとし続けました。
周りの人達のお陰ですから・・・
少し肩を丸め、まずは顔色や空気を読む
ディレクターさんやスタッフさんよりも一歩後ろに下がり、
発言は順番を待つ・・・
自分なりの、配慮をしているつもりでした。
でも、私がしていたのは、
配慮ではなく、遠慮
今振り返ると、評価が怖かったという気持ちもあったかもしれません。
ドクターXの大門未知子みたいに、
「私、失敗しないので」と言い切る勇気もなく
とにかく、初めの評価が低ければ、
加点しかない!くらいに思っていたところもあったと思います。
で、結果どうなったか?
本当に、この人にまかせて大丈夫??
代わりなら、いくらでもいるけど??
先に相手を不安にさせてしまっては、仕事になりませんでした。
私は自分で、自分を「出来ない人」と見せていたのです。
当然、そんな人を信頼してもらえるわけがありません。
そう、大きく見せる必要はないけれど、
自分の能力はちゃんと見せるべきで
隠すものではないのです。
でもね、当時のわたしが、意図的に見せていなかったかというと、
そうでもないのです。
もう、身体に染み込んだ、無意識レベルの行動がほとんどでした。
そこから私は、自分が無意識にどんな印象を相手に与えているのか、
そして、その印象はどのように作られていくのかを研究し始めたのでした。
■ 悪気があるわけではない
AさんとBさんの話に戻ります。
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
先ほどの私と同じく、
AさんもBさんも、悪意でやっていることは何ひとつありません。
相手を軽く扱おうとして笑っているわけでも、
威圧しようとして眉に力を入れているわけでもない。
むしろ逆で、良かれと思ってやっていることが、
裏目に出てしまうことがあるのです。
ただ、失礼のない言葉を、なるべくなら誤解されない言葉を
選ぼうとするのと同じように、
言葉以外の伝わる情報も自分から、意図的に選んで発信をしていかないと、大きなズレが生じてしまうのです。
あなたも、私も・・・
持っているものは、ちゃんとある。
伝えたい気持ちも、実力も、やさしさも。
ただ届き方だけがずれていると、その分、正しく評価されないのです。
と思うとーーーー
もったいない、、
と思いませんか?
Aさん、Bさんの違いが顕著なように、ずれ方によって、
見直す場所がまったく違います。
同じ「伝わらない」でも、やることは正反対になります。
次回は、
・やさしさは届くのに、実力が届かない
・実力は届くのに、やさしさが届かない
この2つのタイプを1つずつ解説していきますね!
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