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持ち家vs賃貸:Geminiに聞いてみた


結論

私の場合は、(全世界株式インデックスと)J-REITの投資信託を新NISAと特定口座で買って、身の丈にあった賃貸に住むのが良さそう。
住宅ローンはほとんどの人にとって、2025年の時点であまりにもリスクが大きすぎる。
持ち家vs賃貸論争自体、もはや価値のない争いであり、「金融リテラシーが高く、自己を律することができる人が富んでいく」時代のはじまりである。持ち家が唯一の資産形成だった時代は終わった。

はじめに

現代の神学論争であるきのこ・たけのこ戦争であったり、アスカ・綾波論争であったり、あるいはiPhone・Android論争のように、「人による」で片付けられる論争は枚挙にいとまがありません。
その中でも社会人の良い年齢になってくると噴出してくる、「持ち家か、賃貸か」論争。
どちらもポジショントークで相手を打ち負かそうと頑張っていますが、私が見たところ持ち家派が有利のように見えます。

ところで先日、とある場所でJ-REITというものの存在を知り、名前は聞いたことがあったけどよく内容をわかっておらず。

そこで、持ち家vs賃貸論争と、J-REITについての説明をGemini 2.5 Proに聞いてみました。
そこで得たのが、結論にもある通り、J-REITの投資信託を購入して、その分配金の一部を家賃に充てて賃貸に住むのが、庶民である私の最適解と言えそうなので、Geminiとのやりとりの過程も交えて、こうして記事にしてみました。

こういう人向けに書かれている記事です

  • 東京圏在住・在勤

  • 現在賃貸物件に住んでいる・実家住まいではない(=家賃ゼロで住める家を持っていない)

「住宅ローンで家を買う」しか正解がないの?

インターネットを見る前から、それなりの年齢になったら家を買う、というのはもはや当たり前、人間としての常識くらいに思っていました。
ですが、社会人になってからインデックス投資や米国株ETF投資を行い、金融商品に関心を持ち、さらには不動産投資や運用についても関心を持っていく中、「住宅ローンで家を買うって言うけど、これ、2020年代においては、だいぶ分の悪い賭けじゃね?」という疑問が頭をもたげました。
また、近現代史を学んでいく中、そもそも日本において住宅ローンを組んで一国一城の主でござい、なんてのはたかだか70年程度の歴史しかない話だということもわかりました。

そこで知ったのがJ-REIT。日本の不動産投資信託、つまり出資者からお金を集めて不動産を買い集め、その運用益を出資者に分配するという仕組みです。
J-REITについて調べるほど、「これいいな」という気持ちになりましたし、さらに調べてみると、住宅ローンで家を購入するのではなく、このJ-REITの分配金を原資に、家賃の一部あるいは全部をこの分配金で充てて賃貸物件に住んでいる人というのもそれなりに見られました。

J-REIT ETFで家賃を払うにはいくら必要?

とはいえ、必要なお金が数億とかだったら、貯まる前に寿命が尽きてしまいます。
そこで、もっとも代表的な「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 (1343)」(以降1343と記載)を例に挙げて、Geminiに計算してもらいました。
この1343はNISAの成長投資枠1200万円で購入できます。

税引き前の利回りを年率4.0%、分配金への税金を20.315%とします。

家賃月10万円・年間120万円を賄うには、成長投資枠1200万円満額、特定口座で約2300万円の合計3500万円が必要です。
家賃月15万円・年間180万円を賄うには、成長投資枠1200万円満額、特定口座で約4100万円の合計5300万円が必要です。

おっといけません。いきなり非現実的な数字が出てきました。
そもそも5300万円なんて、普通に住宅ローンで借りる総額みたいな金額じゃありませんか。そのお金が用意できたら誰だって苦労しません。

もう少し現実的なスモールステップとして、月1万・3万・5万を考えてみましょう。

月1万円は成長投資枠で300万円
月3万円は成長投資枠で900万円
月5万円は成長投資枠で1200万円満額、特定口座で377万円の合計1577万円必要ということになります。

この辺なら、毎月の積立に加えて、ボーナスでの一括投入もできますし、現実的なラインです。
家賃の満額を払えなくても、いわゆる「セルフ家賃補助」のイメージです。
実際の家賃補助は、いわば家賃補助をカタに、企業から退職を思いとどまるようぶら下げられているエサという側面があります。
ですが、その家賃補助を自分のお金で創造できるとしたら……!

J-REITのメリット・デメリットと対応策

J-REITの最大のメリットは、「プロが莫大な資金力で最強クラスの物件を選び、それらに分散投資できる」というところです。
オフィスビル・物流施設・商業施設・高級賃貸物件・ホテル・高齢者施設・データセンターなどなど、日本の主要不動産すべてに分散投資することができます。
また、景気に連動するオフィスやホテルや物流施設、安定感のある高級賃貸物件や高齢者施設などが組み合わさっており、経済成長の恩恵を受けつつ、安定性を保つことができます。
個別の不動産にフルベットせず、個人が買えないレベルの超優良物件に投資できる、ということです。

一例として、1343で最も構成比率が高い、日本ビルファンド投資法人のポートフォリオ、すなわち所有する物件を見てみましょう。

新宿三井ビルディング、飯田橋グラン・ブルーム、NBF大崎ビル、豊洲ベイサイドクロスタワーをはじめとして、都心の名だたるオフィス街のオフィスビルが並んでいます。
個人では絶対に投資できない物件に、間接的に投資ができる。素晴らしいですね。

一方で、J-REITにはデメリットもあります。
まずは、金利上昇に弱いという点があります。もっとも、それは変動金利で住宅ローンを借りている人も同じです。
市場の金利が上昇すると、J-REITも金融機関から借り入れをして運用をしているので(ここもう一度出ます)、借りているお金に対しての金利負担が大きくなり、したがって収益が圧迫され、分配金が減少します。
また、金利が上昇すると国債の利回りが魅力的になるため、J-REITは相対的に魅力が落ち、資金が流出する可能性があります。
→全世界株式インデックスなどと組み合わせることで、ポートフォリオを全体を平準化できる。私の場合は、すでに全世界株式インデックスを積立続けているので、問題なさそうです。

ふたつ目のデメリットは、自然災害リスクです。
J-REITの物件は、東京圏、特に千代田区・港区・中央区・渋谷区・新宿区といった都心5区に集中しています。
首都直下地震のような災害が起こった場合、分配金に影響が出るおそれがあります。
→これも、全世界株式インデックスと組み合わせることで、リスク分散が出来ます。また、そもそも1343は多数の不動産投資法人に分散投資する、といったものです。一つの不動産投資法人がなくなっても、まさか総倒れ、ということはないでしょう。
そもそも、不動産のプロたちが選んだ物件がことごとくダメになるような災害だったら、あなたの住居はまず間違いなく無価値化していることでしょう。

最後のデメリットは、景気変動リスクですが、これも対策は前回株式インデックスの購入と、時間分散させた投資なので、詳しく書くことはしません。

住宅ローンの(ほぼ唯一の)メリットと、デメリット

翻って、住宅ローンのメリットは、「低金利の借入によってレバレッジを効かせて、好きな家を買ったという所有欲を満たせる」くらいしかありません。

また、資産性という観点で言うと、そのレバレッジは購入した物件が「優良資産」である場合のみ有効です。(繰り返します、「資産性」ですよ)

それなのに、デメリットとして、「労働収入」「(自分と家族の)健康」「婚姻状態」のどれかひとつでも途絶えたら、奈落の底へ真っ逆さまです。
あまりにも、賭けにしては分が悪くないでしょうか?

立地の質は、J-REITで購入できるような、都心5区の超優良物件はまず一般的なサラリーマンでは買えません。
分散性は、言うまでもありません。住宅ローンは自分の家にフルベットです。
流動性に関しても、J-REITはネット証券口座でポチポチやっていれば終了、分配金も自動で指定口座に年4回振り込まれます。住宅ローンは売却に数ヶ月かかるだけではなく、売買の手数料が数百万〜かかります(見落とされがちなポイントです)。
管理の手間についても、J-REITはプロが全てやってくれますが、住宅ローンは戸建なら自分で庭の枝切りから屋根の修繕、水回りの交換、マンションも年々増大する修繕積立金と管理費の請求に怯える毎日です。

J-REITの「ズル」いレバレッジ

しかも、住宅ローンのメリットとして、「低金利の借入によってレバレッジを効かせて」と書きましたが、実はJ-REITもレバレッジを効かせて投資しているのです!

例えば、個人が5,000万円の自分で住む用の不動産を買うとします。
自己資金を1,000万円入れるとして、残りは4,000万円必要です。で、銀行から4,000万円住宅ローンを借りて、5,000万円の物件を買います。
この場合、土地と住宅を担保にして(、加えて実質的にはその借り手を人的担保にして)、4,000万円の返済義務を負う、というわけです。

一方、J-REITの場合、不動産投資法人という名前の通り、1つの会社です。
例えば、不動産投資法人が、総額1兆円の超優良オフィスビル群を買うとします。数年前に電通が汐留の自社ビルを売った時は、史上最大級で3,000億円と言われていたので、1兆円あればかなり買えます。
で、不動産投資法人は資金調達のために、投資信託の募集で5,000億円集めます。
合わせて、不動産投資法人自身が、銀行から5,000億円借り入れを行います。これで合わせて1兆円。

さて、私がこのJ-REITに1,000万円、そう住宅ローンで自己資金として入れるはずだった1,000万円を投資するとします。
この1,000万円は、投資家から集めた5,000億円の一部です。
ですが、不動産投資法人はそれと同額の5,000億円を、銀行からも借り入れています。

つまり、私が投資した1,000万円は、J-REITの内部では、

  • 投資額:1,000万円

  • 間接的な借入金:1,000万円

の合計2,000万円分の不動産(総額1兆円分のごく一部)を運用していることになります。これが、J-REITによる、仮想的なローンによるレバレッジです。

住宅ローンは死ぬまでついてくる無限責任です。一方、J-REITは投資した金額以上の責任を負いません。投資対象の分散度は言わずもがな。

さらにとどめとして、金利の条件が違います。

2025年8月現在、短期金利の上昇により、個人向け住宅ローン金利の変動金利は年0.6%~0.9%くらい。しかしながら、今後さらに上昇していくことが予想され、将来金利が上がったリスクはすべて個人が背負います
固定金利にしちゃうと年1.8〜2.2%。バブル期とか米国(2025年前半で6%後半の30年固定)に比べたら全然安いですけど、それでも数年前までは35年固定で1%切ってたことを考えると、なんともです。

ところが、J-REITを運用する不動産投資法人は、平均調達金利は年0.5~0.8%。しかも、「長期固定金利」がメインかつ、「返済期間が分散」されているのです。そりゃそうですよね。法人で数千億〜数兆運用してますし、個人のしょっぱい家とは違って、運用先は日本でもトップクラスの優良物件ばかり。テナントも有力企業に富裕層に、賃料の支払い能力が全然違います。

交渉力も、せいぜい借り換えする程度の個人と、機関投資家としてプロが金融機関と交渉できるJ-REIT。
財務戦略も、ローンにせいぜい低金利で浮いた分を株やFXに突っ込む程度の個人に対し、金利スワップなどの高度な財務戦略を専門家たちが駆使するJ-REIT。

(ちなみに、上記の例はあくまでもわかりやすさのために書いており、実際にはJ-REITは投資した金額に対して7割〜10割の仮想的なレバレッジがかかっています。これはLTV(総資産有利子負債比率)という数値を各不動産投資法人が公開しており、概ね3割後半〜4割後半のレンジです)

いやー、これ知った時思わずGeminiに「そんなのズルくない?」って聞いちゃいました笑
ほぼノーリスクで、突っ込んだ金額の倍、個人の住宅ローンよりはるかに良い条件でレバレッジ効かせることができるんですから。


【反論1】住宅ローンには団信があって家を残せる!

「団信があるから持ち家は安心」というのは持ち家派の定説として挙げられますが、団信って「団体信用生命保険」の略称、つまり生命保険に過ぎません。

団信で残されるのは「家」そのもののみです。
しかし、残された家族にとって本当に必要なのは、「家」でしょうか?
むしろ、たとえば残された家族が実家に戻ったりしたら、家はもはや不要で、当面の生活費とか、子どもの学費とかの方が、優先順位が高いかもしれません。
すぐに現金が必要でも売却に時間がかかりますし、「一部だけ売る」みたいなこともできません。

一方、1343のようなJ-REITなら、残されたのは金融資産であり、スマホぽちぽちで気軽に現金化できる代物です。必要な分だけ売れますし、年に4回分配金としてお金が入ってきます。それを家賃に充ててもよし、生活費や学費に充ててもよしです。

【反論2】住宅ローン減税があるじゃないか!

Geminiには「リターンとリスクの規模が全く釣り合っていない」と一刀両断されています。

住宅ローン減税のリターン:「十数年で最大数百万の税金還付」
住宅ローン減税のリスク:「金利上昇・資産価値下落・天災・失業・病気・etc…」

J-REITのリターン:「プロが運用する超優良不動産全体の賃料収入+売却益」
J-REITのリスク:「投資元本に限定。借入金の返済義務は不動産投資法人が負う」

つまり、住宅ローン減税は、国が個人に対し、「これだけ多くの巨大なリスクを個人で背負ってくれるのなら、代わりにちょっとだけ税金をキャッシュバックしてあげてもいいですよ」というだけの制度にすぎないのです。割に合わなくないですか?

【反論3】不動産を住み替えていけばいい!波乗りのように!

これもGeminiには一刀両断されています。特定のサービス名を書くと営業妨害になりそうなので、やめておきます。

自己居住用不動産の住み替え投資で利益を確定できるのは、

  • 生活レベルを落とす(より狭い部屋か郊外に移る)

  • 不動産相場が下落したタイミングでナイストレードができた場合

に限られます。
利益確定が難しく、利確するには今住んでいる物件を売って、手数料などの取引コスト(数百万〜はかかるのですが、なぜか無視されがちなコストです)を引いた上で手に入れられる物件に移る必要があるのです。

つまり、居住用不動産における含み益は、文字通り「幻」であり、ほとんどの場合は手に入れることのできない幻想なのです。株式やJ-REITなど金融商品の含み益と、居住用不動産における含み益は根本的に違う性質を持っています。
そもそも、人を人とも思わない怪物がうようよとうごめく不動産業界で、どうして素人のサラリーマンが彼らを出し抜いて、不動産の住み替えができるのでしょうか?

【反論4】世帯年収10倍〜で都心部のマンションを買えば問題ない!

これはGeminiに完全否定はされてはいませんが、「人生を賭けた一点集中の信用取引」と評されています。
世帯年収の10倍以上の住宅ローンを借りて、都心5区や江東区・目黒区・文京区といったエリアの、それこそ1億以上の物件を買うという戦略は、
資産のほぼすべてと、現在と将来の労働収入を担保に、たった一つの不動産のたったひとつの部屋にフルベットするやり方です。
金利上昇・不動産市況の下落・勤務先の倒産・リストラ・(自身や家族の)病気・(ペアローンなら)配偶者の出産・育児・子どもの就学問題・親の介護など、あらゆるリスクのうちたった一つでも想定から狂った瞬間、人生が破滅に追い込まれるリスクを24時間365日背負っています。
それなのに自分にとっての「ほぼ唯一の資産」は「家」であり、それこそ「含み益は幻」です。売って利確して、どこへ行こうと言うのかね? となってしまいます。
私のような小心者には、可能な収入があったと仮定しても、とてもではありませんが、耐えられそうにありません。

対して、J-REIT ETFであれば、投資は余裕資金。先述の通り、必要なだけネット証券のボタンをポチポチすれば現金化できます。レバレッジは持ち金の2倍程度しかかけられませんが、代わりに元本以上損することはありません。分配金は再投資してもいいですし、それこそお家賃や食費や推しに回すことだってできます。

ローン10倍界王拳は、永遠に不動産市況が上昇していくという前提をもとに成り立っている、再現性の低い投機です。

対して、余裕資金で行うJ-REITは、生活と精神の安定をもたらしてくれますし、投機ではなく投資と言えましょう。

【反論5】持ち家派も賃貸派もゴミ。収益不動産の家賃収入で好きな家に住めばいい。

一見すると巧みな戦略のように見えますが、再現性が著しく低いと言えます。

まず、自己居住用の住宅ローンと、投資用の不動産ローンは、金利が全く違います。後者の方がずっと金利が高く設定されています。
よって、物件選びを相当シビアに行わないと、ローンの返済で手残りがほぼない、もしくはマイナスになる、という事態が発生します。
で、生き馬の目を抜くプロが跋扈する不動産業界で、大した後ろ盾のないトーシロのあなたが収益を上げられる物件を選定して購入できる可能性、どのくらいあるでしょうか?

また、空室リスクという問題もあります。お家賃は入ってこなくても、ローンの支払いは待ってくれません。
最後に、そもそも不動産ローンは普通のサラリーマンではまず審査に通りません。医者や高年収商社マンのような高属性、あるいは数千万〜十数億の自己資金がないと、そもそも土俵に立てません。

世の中の大多数の人間は、この【反論4】の手法を取ることができません。知っていても実行できなければ、それは知らないのと同じです。

持ち家≠資産は消費≠投資だから

ここまで書いても、「でも持ち家は資産だから、ローンが終われば住むところを確保できるから」という意見が出てくるでしょう。

高度経済成長期のような時代では、「持ち家=資産」という言説は、確かに当たっていたでしょう。
しかし、東京圏ですら人口減が進んでいる昨今、もはや持ち家は資産とは言えません。都心マンションなら資産性が確保されているかもしれませんが、それは先述の通り、多くのサラリーマンにとってはものすごいリスクを背負って、なんとか実現できるものです。

Geminiに聞いたところ、「QOL向上のための消費(住宅購入)」と「資産形成のための投資」を混同してしまうことが、多くの人が陥る間違いなのだ、とのことです。住宅購入は投資ではなく、消費・自己実現なのです。


私の知人で、注文住宅を建てて、配偶者と子どもと暮らすのが人生の夢だったという人物がいます。
それが個人の人生の夢、いや目的なのならば、それを外野がどうのこうの言うのはもはや野暮というものでしょう。

とはいえ、注文住宅で十数年育った身からすると、別にそこまで恩恵を感じなかったんですよね。
建てた当時は開明的な設備も、今となっては広大な吹き抜けは猛暑のたびに恨めしい存在になりますし、家族でBBQ!と意気込んだであろうウッドデッキも結局家族で使ったのは1回だけ。あっという間に朽ちて廃材と化しました。
親の思いと子どもの思いは、イコールではないことに留意する必要があるでしょう。

2020年代は、消費と投資を冷徹に分けて考える必要があります。生成AIが職場を侵食することによって、おそらくホワイトカラーが多く失職するであろう時代に、35年ローンや50年ローンを組める胆力は羨ましいものがあります。

不動産界隈で物件がぐるぐる回っているだけ?

これも怒られたら消すのですが、インターネット上で住宅ローンの借り煽りや都心マンションの買い煽りをして、ユーザーをFOMO(自分だけ取り残されることへの恐れ)に陥らせようとしているのは、業者とはいえなかなかになかなか、という感想があります。

これは全くの仮説なのですが、都心マンションの高騰は、実は需要増とか顕在価格上昇や工員の賃金上昇とかよりも、「同じような不動産界隈で物件がぐるぐる回って釣り上がってるだけ」なのかもしれませんね。で、それを「海外の水準では割安」とさらに釣り上げる、という構図です。

【反論6】でもそんなこと言ってみんながJ-REIT買って賃貸に住み始めたら大変なことになる

こういう小学生女子いますよね。「でもそんなこと言って、みんな〇〇したら大変なことになるじゃん!」的なこと言うやつね。かっこいい言葉で言うと「合成の誤謬」ってやつ。ミクロ的に最適解を追求したらマクロでみんな不利益を被る、ってことです。
ただ、これもGeminiに聞いたところ、可能性は極めて低いとのこと。

簡略に書くと、

  1. 持ち家信仰は根強い(ステータス信仰・定住願望・そもそも実家が太い)

  2. J-REITに投資してるのは、国内外の年金基金や保険会社、銀行など機関投資家の方が、個人投資家より全然大きい。なので、J-REITに資金が集中したら、外国REITなど他の資産に資金移動する

  3. まずあり得ないが、賃貸需要が急増したら、分譲物件の価値が下落するので、「あ、じゃあ持ち家買うわ」ってなる層が必ず出てくる

の3点です。

【反論7】賃貸はグレードがしょぼいからヤダ!

それ言われちゃうとそうですねなんですけど、世の中には分譲賃貸ってのもあります。郊外なら戸建ての賃貸もありますよ。

そもそも、2025年において、「家は資産になる(から多大な住宅ローン引いて持ち家買うぞ!)」「家賃は捨てるお金だけど、住宅ローンは資産になるから」という考え方自体、古い考え方、と言えるのかもしれません。

いわば、住宅ローンを引いて自宅を購入するのは、「今の自分は買えないけど、将来の自分が払ってくれる!」と高級車や高級腕時計をローンで買うのと同じ、QOLの先取り、後払いではないでしょうか?

これまで述べてきた、住宅ローンのあまりにも大きすぎるリスクを考え、それでもなお覚悟を決めて持ち家を買うのであれば、それはもはや誰も止めることはできません。ただし、多くの場合は人生を賭けた決断になるでしょうし、私の知っている範囲でも90年代のバブル崩壊による自宅のローンの後始末を2025年現在でもまだやっている70代のシニア層の方がそれなりにいるということ、そしてそのバブル崩壊前当時は「東京圏の不動産は必ず上がる!」「バスに乗り遅れるな!」という風潮であった、ということは付記しておきます。

郊外で2000万円程度、自己資金を入れて残りで住宅ローンを引いて完全に消費として中古の持ち家を購入するなら問題ないでしょうが、5000万とか7000万とかのローンを、30年近く背負うリスクを冷静になって考えましょう。
「こいつ住宅ローン背負ってるからやめんやろ」と会社に足元を見られるのが嫌な人も、再考する必要があるでしょう。生成AIに仕事を取られる可能性があるホワイトカラーの皆さんも、落ち着いて考える必要があります。2023年の私は、まさか2025年のGeminiやClaudeがこんなに仕事に使えるとは思いもよりませんでした。たった2年ですよ?

賃貸暮らしをすることよりも、子どもとの時間という思い出や大切な時間のためにと、ローンの返済に追われる親の経済的・精神的ストレスで家庭内の雰囲気が悪化する方が、よっぽど悪影響な気がしますが、どうなんでしょうかね。

消費と投資は切り離して考えましょう。そして、2025年において、持ち家は多くの庶民にとっては「消費」の側面が高くなっていると言えます。あなたの消費は、リスクに見合うものでしょうか? 消費のために、過大なリスクを正当化していないでしょうか?

【反論8】賃貸派は老後住む家がない!

「老後になって高齢者に貸してくれる家はほとんどない!」という反論も、可能性は低そうです。
これもGeminiに聞いたところ、大家業は高齢者に貸さずに廃業するよりも、むしろ時代の変化に合わせて対応してくることが考えられます。

大家が高齢者を嫌うのは、「孤独死して発見が遅れて、原状回復や物件の評判が下がることを避けたい」「家賃滞納」のリスクが大きいです。

ですが、「家賃保証会社による保証が必須になる」「警備会社やIT企業による見守りサービスの必須化→早期発見で死亡場所が病院になれば孤独死にはならない」「保険会社による、大家向けの孤独死保険が発売される」「残置物処理、および死後事務委任サービスへの加入が必須となる」などのような対策がされれば、このふたつのリスクは解決されます。
そのリスクを乗り越えれば、高齢者はむしろ安定顧客のひとつになりうる可能性があります。

「一部の外国人は本当に部屋の使い方が酷く(浴槽で鶏捌いたり、契約外の人間に又貸ししたりは序の口の世界です)、それに比べたら日本人の高齢者に貸す方が孤独死リスクがあってもまだマシ」という大家さんは多いことが予測されます。それに、空室だと収入はゼロなわけです。

【反論9】老後にワンルームなんて嫌だ!思い出のある持ち家に住みたい!

どうぞという感想しかないのですが、亡き祖父母の家の遺品整理や空き家始末を部分的にでも経験していると、そういうのんきなことは言っていられなくなります。予想以上にキツいですよ、あれ。
YouTubeチャンネルで検索すれば、いくらでも怨嗟の声が上がってきます。近くに住んでいても、最大のハードルは「一度に大量のゴミを捨てられない」です。郊外在住で軽トラで十数往復してもまだ残置物がある、な〜んてあるあるですからね。ましてや、子どもが県をまたいで住んでいたりしたら、目も当てられません。

そもそも、最期が自宅である可能性は低く、8割の高齢者は病院や高齢者施設で最期を迎えます。
となると、持ち家派でも賃貸派でも結局最後はサ高住とか特養とかで再会するのかもしれません。

そして、持ち家派は築数十年の古い家が残される一方、賃貸派は切り売り可能でなおかつ分配金が定期的に入ってくる金融資産が残される、というわけです。

「立つ鳥跡を濁さず」の方が、持ち家(と残置物)を残すよりも、よっぽど子孫のためとは考えられないでしょうか?

認知的不協和:なぜ持ち家派は頑ななのか?

さて、ここまで議論を尽くしてきても、持ち家派は頑迷です。
私の観測範囲でも、執拗に賃貸派を攻撃する持ち家派の論者は多く見受けられます。

彼らの心理は、「認知的不協和」という心理学用語で説明できます。

イソップ童話の「すっぱいぶどう」でも出てきた、「自分の考えと事実との間に矛盾が生じたために、不安や不快感を覚えている状態のこと」を指します。

私を含めて人は弱い生き物です。
数千万円・何十年にもわたるローンという、人生を賭けた意思決定をしてまで手に入れた持ち家。なのにその持ち家はハイリスクに見合うリターンはありませんよ、なんて賃貸派に言われて、引き下がれるはずがありません。人は、自分自身の一大決断こそが「正しかった」と思わざるを得ない生き物であり、そこでは合理的判断や論理性は二の次とされます。自己防衛・自己暗示を繰り返し、自分の選択こそが正しく、相手は間違っている! と壊れたラジオのように繰り返すことしかできません。

繰り返しになりますが、持ち家派は賃貸派が資産運用せず、銀行の普通預金口座に貯金しているだけ、と思っていることがしばしばあります。
それは、自分たち持ち家派の資産形成が、自宅不動産一点買いの住宅ローンの返済と普通預金だけ、であることの裏返しであることが多い、と言えましょう。

お金がある人は好きにしてください

色々書いてきましたけど、相続財産がガッツリあるとか、それぞれの親から3000万円ずつ支援もらったとか、そもそも実家が太いとか、すでに金融資産をウン億円持ってるとかだったら、持ち家でも賃貸でも好きにしてください。そして、このくだらない記事のことは忘れてください。

結局みんな何かに投資している

持ち家派はしばしば、賃貸派を「家賃は捨てるお金なのに、もったいない」「老後住む家がなくてどうするの?」とレッテルを貼ります。まるで賃貸派の資産は、銀行口座の現金預金だけ、とでも言いたげに。
とはいえ、賃貸派は実は、家賃補助や借り上げ社宅、あるいは新NISAやiDeCoなどの税制優遇で、J-REITや全世界株式によって擬似的にレバレッジをかけた投資をして、その分配金を家賃に充てているとしたらどうでしょうか?
そもそも、銀行口座への預金も、立派な投資のひとつです。インフレ下ではそれは徐々に腐っていく(円の価値が下落していく)ものではありますが、利息がつくことからも、それは明らかです。

となると、持ち家派は金融資産(と、自分と配偶者の労働力という人的担保)を元手に、自分の家という資産に個別投資している存在であり、一方賃貸派は、J-REITや全世界株式といったリスク分散の投資をしている存在、と言い換えることもできます。

持ち家vs賃貸論争の終わり・金融リテラシーと自己規律の時代の始まり

もはや宴は終わりました。
高度経済成長期の「土地神話」に端を発する、持ち家vs賃貸論争は終わりを告げました。それは、そんな些事よりもはるかに大きい問題の前には、どうでもよくなってしまったのです。

それは、「金融リテラシーが高く、自己を律することができる人が富んでいく」時代の始まりです。

かつて個人にできる資産形成が、土地神話に則り持ち家を買ってキャピタルゲイン!という一択だけだった時代と異なり、今は安価かつ優良そしてローコスト・ローリスク、なのにミドル〜ハイリターンの手段がたくさんあります。
それらを活用することで、高騰し過ぎた住宅ローンに依存せずとも、資産形成することが可能になりました。

すなわち、

  • 「金融リテラシーが高い持ち家派」

  • 「金融リテラシーが高い賃貸派」

  • 「金融リテラシーが低い持ち家派」

  • 「金融リテラシーが低い賃貸派」

の4つに大別されます。

最も資産形成しやすいのは、「金融リテラシーが高い持ち家派」、ただし住宅ローンを借りている分リスクも多めで、月々の返済額と投資金額から、相当のインカムがないと成立しません。

2025年時点で相変わらず最も多いのは、「金融リテラシーが低い持ち家派」。資産は自宅の不動産のみで、個別リスクが極めて高い状態であるが、そこに自分の金融資産と人的担保をフルベットしている存在。それゆえに、金利上昇や生成AIの隆盛や災害に最も脆弱な人たちと言えましょう。運が悪いと住宅ローンの負債だけ残る可能性がありますから。

金融リテラシーの高さと、自己を律する能力。それは、適切な金融商品を選んで投資することと、家計を管理する能力と言い換えられましょう。この二つの有無が、まさしく名案を分けます。
そして、後者の家計管理は学校で教えてもらえますが、「適切な金融商品を選んで投資する」は学校では教えてくれませんし、自分から情報を取りに行かなかったら、永遠に無知のままです。

最後に

筆者は不動産業界とも金融業界とも全く縁遠い、中小企業に勤める、吹けば飛ぶようなしがないサラリーマンです。別に不動産が売れようが、J-REITが売れようが、全世界株式インデックスが売れようが、会社の業績には影響がありません。強いていうなら皆さんがスマホ依存になってくれればくれるほど、もしかしたら会社の収益につながるかもしれない、程度です。
インターネット上にある、各種機関や協会による公式の説明は、経済学部や所属する企業で一切金融教育を受けなかった、完全なる門外漢には難しい用語が多かったのですが、Geminiによってわかりやすく解説してもらい、その裏どりをする、というやり方で、短期間で未知の領域について深く学ぶことができました。

そういう意味では、実はこの記事で伝えたかったのは賃貸vs持ち家の神学論争ではなく、生成AIを活用するとすげーよ、ってことだったのかもしれません。


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