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登山で出会ったイケメン山男

初めてのお泊まり登山は、6年前の涸沢カール。
そして、初めての北アルプス、上高地。


穂高連峰と梓川の美しさにやられ、それから毎年上高地は訪れている。

初めてのお泊まり登山では、
山の天気の急変にやられ、冷たい雨の洗礼を受けた。
横尾大橋から本格的な登山道が始まったところで、雨がポツポツ落ちて来た。
周りの人達が、レインウェアを着込む中、私はどうしようか迷っていた。
また小降りだし、上着だけでいいかな?どうしよう?
もたもたしていると、瞬く間に雨粒は大きくなってきた。
暑くてレインウェアを着るのは嫌だなと思ったが、仕方なくレインパンツも履く事にした。

しばらくすると、雨は本降りになった。
登山道は雨水が川となって、バシャバシャと流れる。沢登りだ。
初めての北アルプス、森林限界超えの登山。大雨で不安だけど、今晩泊まる予定の山小屋へ歩くしかない。

汗をかいて、レインウェア内はビッショリ、外は雨でビッショリ。レインウェア内の汗は、叩きつける雨で冷え、体がだんだん冷えてくる。
手指の感覚が段々なくなってくる。

早く山小屋へ、と思い急いで登っていた、ペースが乱れ息が切れ、疲れて登山道にかがみ込んでしまった。
後ろから登って来た男性が、

「大丈夫ですか?具合悪いですか?」

と、声をかけてくれた。

「疲れて、息が切れて、少し休めば大丈夫です。」

と返事をする。

優しい男性だ。あまり休んでいたら体が冷えるだけ。体勢を整えて歩き始めた。

程なくして、今日泊まる山小屋が見えてきた。ほっとして、助かった!と安堵したのを覚えている。

山小屋に到着し、受付の用紙に名前、住所を書くよう託されたが、手が冷え切って動かない。手袋も防水の物が必要だ。そして靴はゴアテックスだが、足首から入り込んだ雨水で、靴もビッショリだった。ゲイターって、こういう時に必要なのね。と学んだのもこの時。

小屋で着替えを済ませ、遅めの昼食を取っていると、ベテランのおじさま2人が小屋に飛び込んで来た。
そして、私に声をかけてくれた。

今日、初めての涸沢カール、初めて山小屋に泊まる事。雨の中、ビッショリになった事、など話すと、

「すごいよねー、こうやって新しい事にチャレンジする人がいると、自分も頑張ろうって思うよね。」

そして、

「人生はお金じゃないよね、経験だよね。どれだけ沢山の素敵な経験をしたか、それが本当の豊かさだよね。」

と言った。

私の中で、今も心に残って、私を動かし続けている言葉。

雨の中の登山、
初めての涸沢カール、
初めての山小屋泊まりは、
私の宝物になった。
そして、今も宝物を集め、豊かさを紡いでいる。

おじさま、ありがとう😊
あの言葉に勇気づけられ、たくさん素敵な思い出を作っていますよー。
またどこかの山でお会い出来たら、少し逞しくなった私を見ていただけるだろうか?



「登山で出会ったイケメン山男シリーズ」
まだまだつ、づ、く。



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