「PORTERよ、お前、外注で作ってたんか!」という反応に驚いた話
今回の事件で私が一番驚いたのは事件そのものではない。
今回の事件の記事はこちら
驚いたのは、
Yahoo!ニュースのコメント欄。
YouTubeのコメント欄。
そこに並んでいた消費者の反応だった。
「自社製じゃないのかよ!」
「だったらタカアキブランド買うわ。」
「高い理由が分かりました。外注だったんですね。」
「外注がバレて大打撃だな。笑」
みたいな反応。
これは、私も意外だった。
消費者とは、かくもピュアだったのか。
と。
そもそも吉田カバンは、製造を外部に委託していることを隠してきた会社ではない。
むしろ普通に公言している。
雑誌でもそうだし、それは以前の記事にも書いた。
以前の記事はこちら。
私の記憶では、地上波テレビでも先代がはっきり話していた。
「ルソンの壺」だったか「ガイアの夜明け」だったか、その辺だったと思う。
だから私は今回、吉田カバンがこの件を刑事事件として動かしたこと自体を、少し意外に感じていた。
もう少し言えば、
「変な会社だなあ」
と思った。
「吉田さん、警察沙汰にしたら、今度は自分たちの管理体制の甘さまで突っ込まれますよ?大丈夫?」
と思っていた。
ところが。
実際に燃えていたのは、そのずっと手前だった。
「PORTERって外注で作ってたんか!」
そこ?
私は以前の記事で、ブランド側による「生産背景の消極的開示」について書いた。
嘘はついていない。
聞かれれば答える。
取材でも話している。
でも、自分から積極的に、
「この製品は、どこの誰が作っています」
と発信するわけでもない。
その結果、ブランドの歴史が長くなり、イメージが大きくなればなるほど、消費者の頭の中ではいつの間にか、
「自社の職人が、自社の工場で、一針一針作っている」
みたいな物語が出来上がってしまう。
今回の反応は、まさにその弊害なのではないかと思った。
吉田カバンは今回の経緯について、ホームページでも説明している。
吉田カバン公式
「本日の一部報道について」
これを読むと、製造委託先の対応に相当腹を立てたんだろうな、というのは伝わってくる。
そして、告訴に至った経緯についてもかなり具体的に説明している。
正直、非常に誠実な声明だと思った。
だからこそ、
「外注だったのか」
という、本人たちからすればおそらく全く想定していなかったところで批判されているのは、少し気の毒でもある。
ただ、ヤフコメやつべコメをよく読んでいると、もう一つ見えてくるものがある。
PORTERが高くなったことへの恨み節である。
フォルクスワーゲンが、ある日突然いままでの倍の価格になったら、たぶんドイツ人はキレるだろう。
PORTERも、昔から買ってきた人にとっては、それに近い感覚なのかもしれない。
海外販売に力を入れ、ブランド価値を高め、価格も上がった。
それ自体は企業として当然の戦略なのだろう。
ただ、その一方で、
ずっと買ってきた日本の客は、
「置いていかれた」
という、ふつふつと溜まっていた感情があったのではないか。
今回の事件をきっかけに、その怒りまで一緒に噴き出した。
そんなふうにも見える。
つまり今回の件。
単なる横流し事件だけではなく、
ブランドが大きくなったこと。
価格が上がったこと。
海外へ向いたこと。
生産背景が消費者にどう認識されていたか。
そのあたりが一気に可視化された事件なのかもしれない。
なかなか興味深い。
とにかく……まあ。
頑張ってください👍
