馬耳東風
会社で隣の席の圭吾さんが、花を飾っている。
僕「いつもデスクに花を飾ってるね」
「目の置き場にいいので。今日はゼラニウムです」
僕は机に顔を乗せたまま、気のない返事をする。
僕「暑いな〜花より団子がいいな」
「そういえば、和菓子屋さんの前では浴衣を着た店員さんが、涼やかに立たれてましたよ」
僕「へえ〜店内は涼しいんだろうね」
「それもありますが、ミニスカートでしたので」
僕「よし!昼休みの間に和菓子屋行ってくる」
「しかしですね、店員さんは…」
僕「もう時間がない!午後も気合い入れてこ!」
足どり軽い僕の後ろで、圭吾さんが呟く。
「…馬耳東風」
店員さんが男性であることを、僕はまだ知らない。
店の前で、ミニスカートからのぞくたくましい足を見た瞬間、背中に冷たい汗が流れた。
お読みいただいて、ありがとうございました。本作ははらとけいさんの企画に参加しております。
