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水色のキャンバス

水色は、空の色を通して氷に写った。

テーブルの上に広がる水と氷。

うっかり倒したコップから
あふれた水面を、慌てて
拭こうともせずに見つめていた。

氷に指を乗せると、ひんやりと
指先を濡らす。

滑らせると、テーブルの上に
やわらかな弧が描かれる。

さながら、テーブルは大きなキャンバスだ。

最近の自分は、ずいぶんと狭い型に
はまり込んでいたような気がする。

コップを倒したからといって、
慌てて拭かなくてもいいじゃないか。

少しの遊び心が、自由を連れてくる。

何が就職活動だ。

自分を会社の型にあてはめて、
丸くなったり、三角になったり——

すっかり体が固くなってしまった。

空の色を映した氷は、
淡く水色に輝く。

こんなふうに
形を変えて
色を通して

自分を自由に映すことができたなら——。

テーブルの上に広がる水面と
僕の心のキャンバスは
まだ真っ白だ。

僕は、履歴書をゴミ箱に捨てた。


お読みいただいて、ありがとうございました。本作はシロクマ文芸部さんの企画に参加しております。


氷は、製氷機で固めても、
出した瞬間からゆっくりと、その型から解放されていきます。

型にはまっているつもりでも、
自分という“個”は消えません。

その“個”がいつでもあなたを自由にしてくれる——
そんなことを思い出せたらいいなと
思いながら描きました。

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