宇宙の誕生日祝い
会社で隣の席の圭吾さんが、カレンダーを見て微笑んでいる。
僕「なんか嬉しい予定があるの?」
「もうすぐ宇宙の誕生日なんです」
僕「宇宙って9月生まれなの?乙女座?」
「宇宙が生まれたのは約138億年前です。日付まで分かりませんので、私が9月にしました」
僕「壮大なスケールに押されそうになったけど、推しの誕生日を勝手につけただけだよね?」
「世界で宇宙の誕生日を祝う人は少ないので、今年は私がお祝いしようかと」
僕「毎年やってないんだ。にわかな推し活だった。プレゼントはあげるの?」
「北海道知床産“羅臼昆布”です」
僕「え、宇宙に昆布?何で?」
「地球という海の恵みをお返しするつもりです」
僕「……喜んでくれるといいね、宇宙」
「すでにプレゼント包装もしてあります」
僕「ところで、どうやって届けるの?」
「NASAにお持ちします」
僕「ご迷惑になるから止めて!?」
「問い合わせたところ“受付で待ってますね”と仰っていました」
僕「……絶対に冗談だと思われてるよ」
その後、圭吾さんが本当にNASAのあるワシントンD.C.まで昆布を届けたのかは知らない。
お読みいただいて、ありがとうございました。
本作ははらとけいさんの企画に参加しております。
