【6週間の真相】Claude Codeの品質が落ちた3つの原因 — Anthropic公式postmortemを徹底解説
「Claude Codeが馬鹿になった」
2026年3月から4月にかけて、Claude Codeのユーザーから不満の声が相次いだ。
「以前は一発で通ったコードが、何度もエラーを出す」
「同じ説明を何度もさせられる。記憶力が落ちた」
「明らかに品質が下がっている。でもAnthropicは何も言わない」
X上では「Claude Codeが馬鹿になった」「ダウングレードされた」といった投稿が飛び交った。
そして4月23日、Anthropicが公式にpostmortem(事後検証報告)を公開した。
この6週間、多くのユーザーが「自分の使い方が悪いのか」と悩んでいた。違う。ツール側に3つの問題が同時に起きていた。 原因を知らなければ、同じことが次に起きたとき、また無駄な時間を費やすことになる。
結論: 3つの独立した問題が、異なるタイミングで発生し、重なり合っていた。
公式postmortem: https://www.anthropic.com/engineering/april-23-postmortem
問題1: 推論努力の「静かな格下げ」(3月4日〜4月7日)
何が起きたか
Opus 4.6のリリース時、Claude Codeの「推論努力」(AIがどれだけ深く考えるかの設定)はデフォルトで「high」に設定されていた。
ところが、一部のユーザーから「UIがフリーズしたように見える」という報告があった。AIが深く考えている間、画面が固まったように見えるのだ。
Anthropicはこの問題に対処するため、3月4日にデフォルトの推論努力を「high」から「medium」に引き下げた。
何が問題だったか
「medium」にすると、レスポンスは速くなる。しかし、思考の深さが犠牲になる。複雑なコーディングタスクで「浅い回答」が増え、ユーザーが感じた「馬鹿になった」の正体の一つがこれだった。
どう修正されたか
4月7日に設定を戻した。Opus 4.7は「xhigh」(超高)、他のモデルは「high」に再設定された。
問題2: キャッシュバグ — 記憶が消える(3月26日〜4月10日)
何が起きたか
3月26日、Anthropicはセッション効率を改善するための変更を加えた。「1時間以上アイドル(放置)状態のセッションから、古い思考データを削除する」という仕組みだ。これ自体は合理的な設計だった。
しかし、実装にバグがあった。
本来は「1時間以上放置されたセッションで1回だけ」実行されるはずの削除処理が、「セッションが続く限り、毎回のやり取りで」実行されてしまった。
何が問題だったか
Claude Codeは、セッション内の過去の思考を参照して一貫性のある回答を作る。そのデータが毎回消されるため、「さっき説明したことを忘れている」「同じ質問を繰り返す」「前のターンと矛盾する回答をする」という症状が出た。
さらに、キャッシュミス(過去のデータが見つからず再計算が必要になる状態)が増え、使用量制限の消費が加速した。「最近やたらと制限に引っかかる」という報告の原因がこれだった。
どう修正されたか
4月10日リリースのv2.1.101で修正された。
問題3: 「25語制限」の副作用(4月16日〜4月20日)
何が起きたか
Opus 4.7は、回答が冗長(長すぎ)になる傾向があった。Anthropicはこれを抑えるため、システムプロンプト(AIへの内部指示)に以下を追加した:
ツール呼び出しの間のテキストは25語以下
最終回答は100語以下
何が問題だったか
社内テストでは数週間問題なく動いていた。しかし、より広範な評価を行ったところ、コーディング品質が3%低下していることが判明した。
短く書こうとするあまり、必要な説明や文脈が省略され、コードの質が落ちていたのだ。
どう修正されたか
4月20日リリースのv2.1.116で、この制限を撤回した。
有料パートで得られる3つの知識:
1. 発見に6週間かかった「構造的原因」 — なぜ社内テストをすり抜けたのか。この仕組みを知っていれば、次に品質低下が起きたとき「自分のせいか、ツール側の問題か」を即座に切り分けられる。
2. Anthropicの再発防止策4つの全容 — 段階的ロールアウト、モデル別評価など。ここを押さえておけば、次のアップデートで何が変わるかを先読みできる。
3. ユーザーとしての具体的な対処法3ステップ — 品質低下を感じたとき、パニックにならずに冷静に対処するための手順書。
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