🐈⬛☕猫カフェを作りたい僕が動き始めた日々-27┃動物病院で見つけた、命をつなぐ優しい時間
前回訪れた保護猫カフェのオーナーさんの勧めで、動物病院の先生に「もしご迷惑でなければ、診察の様子を見学させていただけませんか。」
とお願いしたところ、快く受け入れてくださいました。
少し緊張しながら、私は動物病院へ向かいました。
保護猫たちが集まる場所。
もっと張り詰めた空気なのだろうと、勝手に想像していたからです。
今回お世話になったのは、以前勤務していた会社の元上司の娘さん姉妹が営む動物病院です。
お姉さんは獣医師。
妹さんは動物看護師。
愛犬ポポも生前お世話になり、今一緒に暮らしているサナとキキも、この病院とのご縁がきっかけで家族になりました。
あらためて思います。
人とのご縁って、本当に不思議ですね。

この日、診察に来ていたのは5匹の保護猫たち。
高齢の猫。
保護されて間もない猫。
少し熱中症気味の猫。
同じ保護猫でも、抱えている事情は一匹ずつ違いました。
命と向き合う現場だからこそ、張り詰めた空気を想像していました。
ところが実際は少し違いました。
真剣さはある。
緊張感もある。
それでも、姉妹のお二人の穏やかなやり取りや、ふとした笑顔が診察室をやさしい空気で包んでいました。
その空気のおかげでしょうか。
診察を受ける猫たちも、どこか安心して身を任せているように見えたのです。
診察の合間には、保護猫活動についてもたくさん教えていただきました。
一番心に残ったのは、
「猫を誰に託すか。」という考え方です。
「かわいいから飼いたい。」
その気持ちは、とても大切です。
でも、それだけでは猫を託すことはできません。
もし病気になったら。
最後まで一緒に暮らせる人なのか。
そこまで考えて初めて譲渡につながる。
その言葉が、静かに胸に残りました。
もう一つ印象的だったのは、高齢者への子猫の譲渡についてです。
「子どもが面倒を見るから大丈夫。」
そう話される方も多いそうです。
でも、子どもにも家庭があり、生活があります。
だからこそ、この病院では高齢者への子猫の譲渡は行っていないそうです。
目の前の「今」だけではなく、その子の何年先まで考える。
保護猫活動には、そんな優しさがありました。
そして、もう一つ。
「猫は脱走するもの。」
この言葉も忘れられません。
脱走しない工夫ではなく、脱走することを前提に備える。
猫と暮らす以上、それくらい慎重でなければいけないのだと教えていただきました。
……そんな真面目な話が続く中、診察室には一匹だけ、どこかマイペースな猫がいました。
しずくちゃんです(笑)

診察台の真ん中にどっしり座り、
「ここ、私の場所ですけど?」
と言わんばかりの表情。
抱っこすると、見事な猫パンチ。
思わず笑ってしまいました。
診察室が、一瞬でやさしい空気に包まれた気がしました。
その一方で、保護されてまだ3日目の小さな猫ちゃんにも会わせていただきました。

思わず、「この子、連れて帰りたい。」
そう感じてしまうほどの可愛らしさでした。
翌日、新しい家族が会いに来る予定だと聞きました。
少しだけ、「ご縁がなかったら……」なんて考えてしまいましたが、その子は無事に新しい家族のもとへ迎えられたそうです。
少し寂しい。
でも、それ以上にうれしい。
その子の新しい猫生が始まったのですから。
帰宅後、保護猫カフェのオーナーさんへお礼のLINEを送りました。
すると、「半年くらい、ボランティアスタッフとして続けてみることをおすすめします。」
という返信をいただきました。
動物病院で学んだことと、オーナーさんの言葉。
別々だった学びが、一つにつながった気がしました。
今回の訪問は、私にとって忘れられない一日になりました。
命を守る現場には、厳しさだけではありませんでした。
そこには、猫を思う人たちの優しさがあり、穏やかな笑顔がありました。
そんな空気に触れられたことも、私にとって大きな学びです。
猫カフェを開くという夢に、また一歩近づけた。
そんな気持ちで、私は動物病院をあとにしました。

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